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非DXの魅力|デジタル化は必要なのか
今は猫も杓子もDXと言っている時代である。もともと世界ではDX化が推進されていたなか、出遅れていた日本もパンデミックをきっかけにしてようやくDX化に乗り出している。
だが、日本の社会に根強く残ってしまったコツコツと真面目にデータ入力をしたり、手書きで書き残したりしている習慣や文化はなかなか変えることができず、まだまだうまくDX化ができていないように見える。
政治への不信も輪をかけてしまい、マイナンバーカードを活用した施策にも不満の声が多い。よくわからないことに対して、人は不安を覚えるのかもしれない。
個人的にはデジタル化はするべき施策だと思っている。実際にデジタルを活用しているし、今更アナログなやり方に戻ることができないものの方が多い。
しかし、全部が全部デジタルにする必要はないと思うようになってきた。時にはアナログなりのスピード感がものを言うこともあるのだ。
先日、焼き鳥屋へ行ったところ、そのお店では注文を取ったらカウンターにチョークで線を引いて注文数を管理していた。そして、焼き鳥を提供したら指でそのチョークを消す。会計の管理は食べ終わった串の本数で数えていた。
これら一連の動作がもの凄くスピーディーであって、アナログはアナログで早いものだなと感心したのである。端末で注文を取ってキッチンにデータが送信される方法が主流だが、このチョークのスピードには勝てなさそうに見えた。
もちろん、店舗数や店の広さが大きくなればデジタル化しなければならなくなるだろうが、この焼き鳥屋は自分の店舗に必要なことをわきまえており、あえてデジタル化もせずに続けている様に思える。DXというのは目的ではなく、あくまでも手段なのだ。
確かに、デジタルが苦手な人が多い組織では、チャットのツールを導入するよりも電話で直接コミュニケーションした方が結果的に早かったりする。完全なDXが果たされれば良いが、そうはいかない組織も多いはずだ。
デジタルがアナログに取って代わり、色々なことが駆逐されていく未来を思い描きがちだが、ほどほどな落としどころに世の中は落ち着くような気もする。