幸せのハードルを下げよう|人生は良かれと思って大迷惑
「人の不幸は蜜の味」と言います。
まぁいろいろな含意はあるのでしょうが、自分が不幸の渦中にいる時に、他人の失敗例を知ると気が楽になるのは誰でも身に覚えがあるのではないでしょうか。
人生は失敗の連続であり、ミスなく合理的に設計された計画の通りにこなしていくことなど、できるわけもありません。誰もが様々な不幸を経験しているのです。
だからこそ色々と苦労をするのですが、悪いことが一度起こると次から次へと悪いことが起こったり、良かれと思って行ったことが却って大迷惑を招いてしまったり、そんな不幸がいろんなところで発生しています。
以前、マーフィーの法則についても書きましたが、トーストを落としたらよりにもよってバターが塗られている側が床についてしまったり、不幸なことは連鎖する傾向があるものです。
これをビジネスの視点で考えるのであれば、これらは不幸なのではなく学ぶべき失敗だと考え、なぜバターがついている側が下になってしまうのかを究明することが、成長へのきっかけに繋がっていくものです。真のビジネスマンは積極的にリスクを取りに行き、失敗を肥やしにして活躍を続けていきます。(ちなみに、物理学者のロバート・マシュー博士という人が、9,821回バタートーストを落下させる実験を行ったところ、バターを塗った面が下になったのは6,011回と61.2%であり、これは不幸ではなく確率論だと証明されている)
しかし、ビジネスと人生は別なものでもあるので、日常生活でも不幸の原因を究明しているようでは疲れてしまいます。それじゃあ、日常の不幸にはどう向き合えばいいのだろうか。
これはやはり人生の捉え方を変えることに尽きると思います。メディアでは成功体験やシンデレラストーリーが紹介されて、人生の素晴らしさは一種のステレオタイプの様になっている面があると思います。
「努力は必ず報われる」と言われ「神様は乗り越えられる人にしか試練を与えない」と言われ、人々は誠実に努力をして試練を乗り越えることで幸せになれると刷り込まれている節があるのです。
しかし、現実の世界は決してそんなことはなく、やることなすこと裏目にでるし、良かれと思ってやってあげたことが大迷惑だと言われるし、不幸なことは連続で起こり続けるし、世界はどう考えてもそんなに平等にできてはいないのです。
だったら、その現実をそのまま捉えてみて、人生なんて不幸そのものなのだと思うようにして、せめて悪いことが起こったらその事実を笑い飛ばしたりすれば良いだけです。
努力は必ず報われる、と夢とも妄想とも取れる言葉を信じて落胆するくらいなら、幸せを感じるハードルを少し下げてあげれば不幸な出来事も受け入れられるようになり、人生における幸福度は相対的に高まっていくはずです。
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