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怪我をしない、風邪ひかない|イチローに学ぶ
僕はイチローの大ファンで、あまり日本のプロ野球を観なくなってからも、イチローの活躍だけは常にチェックしていた。
数々の大記録を残しているイチロー。10年連続200安打、MLB通算3089安打、生涯安打数は4367本、などなど、ここには書ききれない成績を残している。
そんな数々の世界的な記録を保持するイチローは、あまりにも桁外れの記録であることから、一般人が参考にできることが少ないようにも思う。コツコツと努力を続けることが大きな成果を出すための唯一の方法というのはよくわかるが、それが何よりも難しいことであるのも事実だ。
だが、一般人でも何よりも大切にすべきことをイチローが大切にしていたことに気が付くことができた。
それは、ヘッドスライディングをしないということだ。
イチローは内野安打で一塁まで駆け抜ける時に、セーフかアウトか微妙な時でも、絶対にヘッドスライディングはせずにそのまま一塁ベースを足で踏んで駆け抜ける。
ヘッドスライディングとは、走っている最中に、頭からベースに向かって飛び込み、両手をベースに向けて突き出し、少しでも早く一塁にタッチするための行為だ。高校野球などではもはや風物詩のようなシーンかもしれない。
ヘッドスライディングをすればコンマ数秒は早く一塁ベースをタッチできるかもしれない。試合の明暗を分けるシーンでは尚更大切な場面である。
しかし、イチローは絶対にヘッドスライディングをしない。
それは何故か、怪我をしないためである。頭から飛び込んで両手をベースに差し出すその行為は、当然の様にケガする可能性は高くなる。イチローはこれを嫌っている。
これって、誰もが真似できる大切なことではないだろうか。
イチローは数々の大記録を樹立したが、何よりも長年活躍を続けたことで樹立できた記録も多い。生涯の安打数4367本など、キャリアのどこかで怪我をしていたら絶対に到達できない数字だ。
サラリーマンで言えば、休むことなく出社して、毎日必ず何らかの成果を挙げることがこれにあたるだろう。売上を上げるでも良いし、業務改善に関わる何かを成し遂げるのでも良い。
もちろん成果のない日があっても問題ない。イチローだってノーヒットの日はある。
しかし、そういった成果も、風邪を引いたり、体調不良やメンタル不調で休んでしまっては発揮できるものではない。長く活躍することが前提なのである。
長くコツコツと努力をして貢献を続けることによって、会社にも社会にも多大な貢献をもたらすことができる。だからこそ、会社は健康診断を推進するし、有給休暇も付与するのだ。
イチローのようなレジェンドを見習おうとすると、才能が足りないように感じることもあるが、一番大切なのはプロ意識と日々の習慣にあるのかもしれない。会社員も給料を貰っている以上、プロフェッショナルと思って働くべきだろう。(給料の額についてはここでは触れない)
取材やインタビューではクールな対応が多かったイチローも、キャリアの後半ではファンや関係者への感謝の言葉が多かったことも印象に残っている。自分の活躍によって多くの人が喜んでいることを、イチロー自身が喜んでいた。
自分を大切にすることが、周りの人への一番の貢献になり得るんだと思う。だから、怪我をしないことや風邪をひかないという当たり前のことは、実は物凄く大事なことなんだろう。