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物への愛着はあなどれない|壊し方に問題があるのか

アップルがiPadProの宣伝映像で、プレス機に楽器などが破壊されていくシーンを投稿したところ、大炎上して謝罪する騒ぎが起こりました。

実際の映像を見てみたところ、インパクトはありながらもショッキングな映像であり、物への愛着がある人がこれを見たら批判するのも当然だと思うような映像でした。

人々が物へ抱いている「愛着」というのは、あなどってはいけないものだと再認識した騒動だと思います。

この「楽器を壊す」というニュースを見て真っ先に思い浮かんだのが、イギリスのロックバンドである『The Who』です。彼らは楽器を壊すパフォーマンスでロックスターとなりました。

僕はこの映像を高校生の時に見て、楽器とともに既存の価値観を壊してもらった快感を強く覚えています。この動画にも7000以上の「いいね」が押されているので、そう感じたのは僕だけではなく、世間的にも完全に受け入れられた破壊的パフォーマンスなのだとわかります。

ものを壊すことに対して、炎上するほどの批判が殺到することもあれば、称賛されてスターになることもある。これらにはどういった違いがあったのか、いくら考えても明確な答えは導きだせずにいます。

シンプルに考えれば、今回アップルが発表した動画は、多くの人を「不快」にさせたのに対して、The Whoのパフォーマンスは多くの人を「快感」にさせたことが原因だと思います。これには時代や価値観が大きく影響しているのは言うまでもありません。

また、人間がパフォーマンスの一環として楽器を壊すのと違って、大型のプレスに機械的に潰されていくというのは、何とも不気味で不快に思ってしまうものです。やはり人間が機械に支配される未来は、本能的に受け入れたくないと思う人が多いのでしょう。

色々なことを考えさせられるきっかけになった今回の騒動ですが、The Whoのギタリストであるピート・タウンゼントはこの動画を観て、どう思ったのか気になるところです。

「壊し方がなってないな」とでも言うんでしょうか。

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