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【702球目】派遣と請負

正確には労働者派遣と構内請負です。
全くの別物ではありますが、お客様の工場内で自社社員が仕事をするという共通点もあり、混同される場合もあります。今日は何が違うのか、それぞれにどんなメリット・デメリットがあるのかを書いていきます。


製造派遣と製造業の構内請負

一言に労働者派遣と構内請負と言ってもその領域はとても広範囲に
渡ります。事務の仕事もあればIT系の仕事もあります。先日Xでの投稿で、大阪の区役所で住民票取ったら領収書にパソナの名前が入っていた、そんな投稿がありました。これも構内請負の1つです。

ここでは製造派遣と製造業における構内請負についてお話をしていきます。

どちらが良いの?

どちらが良いのか?一概には言えません。その生産工程においての業務量の繁閑や必要な技能、習熟において、どちらが良いとは一概には言えないところがあります。

お客様の立場に立って考えた時のメリット・デメリットを考えてみます。

【お客様から見た時の製造派遣の場合】
作業をする人に直接の指揮命令を行うことが出来ます。構内請負との大きな違いはココです。派遣会社から来てくれた人を自社の社員と全く同じ様に指揮命令を行うことが出来ます。しかしながら、その為の労務管理や時間管理、その他付随する諸々の管理業務が発生をします。自社の社員と比べると管理業務は軽減されますが、それでもそれなりの管理業務が必要になって来ます。自社社員と同等に指揮命令はできるけれども、管理業務の量が構内請負と比較をすると大きな違いになります。

【お客様から見た構内請負の場合】
1つの工程を1つの会社に対して発注をかけます。ですので、その工程を10人でやろうが、15人でやろうが関与しません。あくまでも出来上がった商品に対して対価を払いますので、その管理業務は格段に軽減できます。軽減と言うより、製造派遣の際に発生していた管理業務は0になると言っても過言ではありません。

品質管理や納期管理と言った新たな管理が必要になります。
もし、発注先の会社が納期を守らなければ、次工程以降に大きな影響を及ぼします。とても大きなダメージを受ける可能性があります。ですので、発注先の会社がその業務を全うできるのかどうかの見極めも管理項目の1つになってきます。会社の状況は日々変化していきますからね。

受ける側からすると

受ける側から見た時のメリット・デメリットを纏めてみます。

【受ける側見た時の製造派遣の場合】
人単位で派遣を行いますので、管理業務が煩雑になります。また、お客様の指揮命令下にありますので、有給等の取得についてもお客様の承認が必要になります。派遣されている状況においては、その人が所属している企業に対しての帰属意識が希薄になることもあります。その結果、退社率が高まってしまうこともあります。

【受ける側から見た時の構内請負の場合】
お客様の構内ではありますが、自社の職場になります。
指揮命令は自社の上長から行いますし、全てが自社で管理できるので管理業務が簡素化されます。派遣と比較すると、定着は良くなります。ある派遣先で、定着率がとても悪かった時がありましたが、構内請負に変更になった途端に定着が上がった事例もあります。その反面、品質と納期に対しての責任が発生をします。言い訳無しでここを守らないといけなくなる、それが受け側としての構内請負の最大の課題になります。

私達の考え方

構内請負の場合は、お客様の工場の中ですので製造派遣からの切り替えが主流です。製造派遣で技能レベルが上がった社員が多数在籍している状態から構内請負に切り替えていく、そんな流れがよくあります。この場合、主体者は派遣会社になります。派遣だけやっている企業が構内請負をやっている場合もあります。

私達は製造業と製造派遣業が本業です。製造業においては、まずは工場が必要です。賃貸であろうと購入であろうとまずは土地が必要で、その上に建物が必要です。建物が建つと次は設備です。生産設備、その為の電気系の設備、冷暖房の設備やその他必要な設備の整備が必要になります。

生産をする為には材料が必要です。材料の仕入れを行う必要がありますが、近年様々な材料が値上がりしています。それを単価反映させていく必要もあります。また、お客様からの見積依頼に対しての回答が必要です。
全ての見積が受注に繋がる訳ではありませんので、そこにはロスも発生しますが、それは当然のことです。

無事、製品が完成すると、お客様にそれを届ける必要がありますので、トラックも必要になります。トラック1台でも管理項目は多岐に渡ります。
車両管理という項目も出てきますね。自社工場での労務管理、品質管理、納期管理、コスト管理、安全への活動等、その業務は多岐に渡ります。

自社工場においては、構内請負とは比にならない項目の管理や準備が必要になります。日常的にそれを行っている製造業の私達からすると構内請負は少し軽く感じます。材料の調達や場所や設備関係の準備が必要ありませんからね。その中で最も大切なことは、ヒトです。特にリーダーです。構内請負を含めた生産活動は全てリーダーで決まります。そういっても過言ではありません。

製造派遣と構内請負
お客様や働く人にとってはどちらも良い部分とそうでない部分もあります。
そのお客様や人にとって、最適な形を提案していかなければなりませんね。

本日もありがとうございました。
明日もよろしくお願いします。


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