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刹那にかける恋はなび 感想

こんにちは。

日常生活において意志の弱さが出てしまうことはよくあるものです。

積みゲーがあるうちは新たにゲームを買わないぞと意気込んでいても、Xなどでこの作品は面白いとかとりあえずやっとけ的な感想を見かけて思わずポチってしまうこともあると思います。

今の私の話なのですが。

この記事を書いている時点でプレイしているのはそんな積みゲーをスルーしてまで買ったものになります(=次の感想記事のネタになる予定)。

まあいいよね!ようがす!

そんな感じで今回喋り倒したい作品はこちら。

CRYSTALiAの「刹那にかける恋はなび」です。

待っておりました、KATANAシリーズ最新作。
事前にちゃんと予約してこの手のゲームを買ったのは実は今回が初めてだったりします。

つまりそれほど楽しみにしておりました。

さて、今回はこれまで名前しか登場していなかった朱雀院家次女の撫子がメインヒロインの作品になっています。

名前自体は椿恋歌やゆれあかでも登場していたのですが(めくいろでも登場していたかは記憶が怪しい)、ようやくビジュアルも含め出てきてくれましたね。

次女が高校生の時間軸となるのでKATANAシリーズ全体の時系列で見ると結構古めなのですが、とりあえず例によって公式の時系列説明画像を貼っておきます。

CRYSTALiA公式Xより拝借

相変わらず朱雀院家四姉妹はキャラデザが良いですねえ。

なんとなく、長女の紅葉は猫、次女の撫子は犬、三女の都子は狼、四女の椿は兎のようなイメージを持っていますがどうでしょう。

まあそんなことはさておき、今回もちょっと長めになってしまうのですが駄文に少々お付き合いいただければ。


全体的な感想(ネタバレ無し)

KATANAシリーズの過去作品をプレイしている人でこれを面白くないという人はいないだろうというレベルで面白い作品でした。

やっぱ剣士はオリガミ振ってなんぼでしょ、とどこかで聞き覚えのあるセリフですが本当にこれなんですよ、私の身体が欲しているKATANAシリーズというのは。 

刃道で高みを目指す、そのために修行をする、魂をぶつけ合う、こういった少し厨二感のあるストーリーに美少女ゲーのテイストが絶妙なバランスで含まれ、可愛いヒロインたちがそれを展開していく。

とてもKATANAシリーズらしい作品だったと思います。

あ、念のため聞き覚えがあったリンクを置いておきますね。

過去作品は基本的に舞台が学園で、刃道にしろ化妖退治にしろ学園周りで物事が完結していましたが、今回はプロ刃道がテーマになっているため学園外の描写が多めだったのが新鮮でした。

そしてヒロインが相変わらず可愛い!という感想の前に、今作品は主人公がとにかくかっこいい。

私は製品版を初見で一からプレイしたかったので体験版はプレイしなかったのですが、主人公に一部ボイスがありますということで、どちらかと言えば不安のほうが勝っていました。

安直な考えですけど、そりゃこの手のゲームをプレイするのに男の声って必要か?って思うわけじゃないですか。

しかし蓋を開けてみれば全く気にならない、それどころかボイスがあることでストーリーへの没入感が増したとさえ感じました。

いつも心の声で読んでいるわけでもないですが、やはりちゃんと声があるだけでそのキャラがしっかりとそのシナリオ内で動くイメージが湧きますし、そのキャラの心情などが音からも伝わってくるので、今回の主人公ボイスありというのはかなり良かったと思いました。

また性格も良いんですよね一馬。
奥手というわけでもなければ距離が近すぎるわけでもなく、不快感が全くないのも非常に好印象。

さて、肝心のヒロインですが今回はまず数が多いのが驚きましたね。

メインヒロインは3人なのですが、KATANAシリーズ特有の個別√はないがスペシャルシーンは用意されているというヒロインも多く、またスペシャルシーンがないにしても魅力的なヒロインが数名いるなど、本当に飽きる暇がなく。

これはつまりヒロイン同士の掛け合いが多いことと同義・・・とまではいかずとも相関があると思ってまして、ヒロイン同士の絡みが好きな私に取ってはその観点でも大変満足でした。

そして戦闘描写は言わずもがな。
公式がかなり演出強化されていると言っていた通りで、今回はそれもあってかパワータイプ、スピードタイプ、トリッキータイプ、超常タイプなど様々な戦闘スタイルのヒロインがいましたし、それに合わせた演出は本当に迫力がありました。

ざっとこんな感じで、以下共通√と個別√の感想です。

※ここからネタバレありの感想なので未プレイの方はご注意を。

※他のKATANAシリーズをプレイ済という前提で書いていますのでいろいろ言及しています。



共通ルート

シナリオが面白いという大前提にはなるのですが、その上で共通√の大半は撫子の天真爛漫な感じが可愛いなあというのと、お世話係の初乃もお茶目なところがあって可愛いなあという感想に終始してしまいそうになります。

それくらいビジュアルがお強い組み合わせでした。
なんですかねこの美少女二人組は。

またゆれあかをプレイした身としては朱雀院家のご令嬢の面倒を風嶺家のご令嬢に任せるという関係性にまず驚きまして。

初乃の口から蛍雪が当主になっていることが早々に明かされましたが、ゆれあかの最後で紅葉と蛍雪が話していた通り良い協力関係になったのでしょう。

さて、今回はプロ刃道がテーマというのが事前に分かっていたのですが、こうやって叢雲学園に至ってこうやって大奉演に至るのかと非常にきれいな流れのシナリオだったと思います。

九曜さんとかいう実質ヤクザが運営するアルティブレード(地下闘技大会みたいなもの)から大奉演(プロ刃道の権威的な興行)を目指している主人公だが、アルティブレードにいる限り九曜さんの奴隷扱いで実現不可能なので、撫子と初乃の協力を経て夜逃げし彼女たちのチームに所属すると。

まさにこの点が以降の九曜さんの邪悪な、もとい元カノ行動に繋がってくるのがまた良くて。

またチーム白狼に所属してからも、大奉演で撫子と戦うという目標達成のためにあれこれ画策するわけなのですが、ここが実にKATANAシリーズらしいといいますか。

共通√のゴールは撫子と一馬が大奉演の舞台で戦うことになっていますが、KATANAシリーズの「戦いに至るまでの準備期間」が私は結構好きだったりします。

そして共通√はまさにそのような「準備期間」がかなり長いスパンでフォーカスされていたような内容で、それはすなわち初乃√とも言えるのではとニコニコしながら読み進めていました。

また、プロテストのところでは旭が出てきましたね!
いつ出てくるかなとずっとワクワクしていたのですが、相変わらずのブラック旭さんで安心しました。

そんなこんなで大奉演での舞台で撫子と一馬が戦うという作品中の中目標は達成され、気付けば「なるほど共通√はここまでなのね」とあっという間でした。

他にもいろいろ書きたいことはあるんですけど、細かな話は個別√の段に任せるとして、共通√で気になったところを何点か。

まず朱雀院家四姉妹のママの名前がたぶん初めて出ましたよね。

やはり激強ママでしたか。
しかも今は世界中を飛び回ってる自由人と・・・あれ、もしかして都子の性格はママ譲りでしょうか。

残念ながらビジュアルまでは明かされていないのですが、ここで名前が出てきたので今後何かしらの形で本編に登場してくれないかなと思っています。

続いてはこちら。

二次元作品において「男主人公が不快」という感想はつきものですが、今作の一馬に関しては本当に好感度が高い良い主人公だなと思っています。

先にも書いた通り、普通にかっこいいんですよ。
それでいて考え方やヒロインへの接し方も真っ当で本当に良いキャラだと思いました。

それで画像に戻ると、個人的には一馬が撫子ヲタクという設定が一番良いなと思った次第で。

結果的に推しと恋仲になるとかいう爆発案件ではあるのですが、好きと推しを分けて考えて一線を引こうとしているスタンスが、それも嫌味なくそうしようとしているのがかなり好印象。

スキャンダルであれこれなる展開はむしろ今風のストーリーとも言えるでしょう。

特殊な生い立ちをしているので一歩間違えればグレていそうなものですが、実は九曜さんの教育がしっかりしていた説が私の中では有力です。

もう一点だけ。

・・・九曜さん、あなたやっぱり面倒見良いタイプですよね?

いやまあやってることは相当アレなんですけど、ここまでくるとヒールを演じ切ってるだけではと思ったり思わなかったり。

面白いストーリーにヒール役は必須ですからね!

ちなみにここで退魔師に捕まりそうになっていたのは白銀メイという大奉演4位のお狐さん。

のじゃロリ・・・というのであってますかね?
本当にいろいろなタイプのキャラが出てくるのもあって、ヒロイン勢同士の絡みを見ているだけでも面白い作品だと思います。

さて、ここからは個別√のネタバレあり感想になるので攻略していない方はご注意ください。

いつも通り私が攻略した順でいきます。

滝川 小鞠

可愛いですねえ、小鞠ちゃん。
そういえばKATANAシリーズで黒髪っぽいヒロインは結構少数派だなと気付きました。

パルヴィとどちらを先に攻略するか迷ったんですけど、あちらのほうがいぶき関係でストーリーの本筋に絡みそうなのでとりあえずこちらからということで。

さて・・・実妹です。

実妹なのです。

まあ私は別に義妹派とか実妹派とか全くないんですけど、ストーリー的にどうなるのかは正直気になるところでありました。

そして結果的に実妹であることが足を引っ張るような展開にならなかったのはさすがCRYSTALiA様と言わざるを得ません。

個人的にはこれが結構興味深いと思ってまして、実妹であることを嫌がる人って徹底的に嫌がるじゃないですか。

それは実際に妹がいるからだったり、実妹であることでストーリーがめちゃくちゃ重くなったり、シーン周りが少し限定的になってしまったり、嫌がる理由はいろいろあると思うんですけど。

で、小鞠についてはそれはもう正真正銘の実妹なんですが、それがストーリー上重くなる要素に全くなってないんですよ。

よく見かけるパターンとして、兄妹で付き合う場合はこそこそデートをしたり、仲間に打ち明けるのに大きな決意がいたり、それこそ致すこと自体も結構ハードルがあったり。

言うなれば禁忌的であることを本人たちも自覚した上で恋人という関係になるわけじゃないですか、だから隠れてあれこれするわけで。

KATANAシリーズにその要素が合うかと言われたらそれは絶対にNoだと思ってまして、もしあったらかなりノイズになるだろうなあとドキドキしていたのですが、実妹であることの設定が全く邪魔に感じられない展開のストーリーになっていて、それがとても良かったと思った次第です。

さて、個別√のストーリーもめちゃくちゃ面白かったですね。

共通√の終わり方を見るにパルヴィ√はいぶきとの因縁、撫子√は刀仕権宮司を目指す過程が主題になりそうと予想できたので、じゃあ小鞠√はというと九曜さん絡みの因縁かなあということで大正解でした。

夜逃げをし、叢雲学園に来たことで小鞠自身も前向きに未来のことを考え、そして好きな兄とも恋仲になり、そうなってくると障壁は九曜さんとかいうヒール兼妹キャラくらいになりますから。

ただ小鞠は介添人ということで戦いそのものはしないことから、個別√であるにもかかわらず一馬を焚き付けるための犠牲になった感は否めないのですが。

共通√から、もうわかりやすいほどのヒール役を担っていた九曜さんですが、小鞠がクロメに作った霊式具装を破いた演出とかはさすがでしたね。

これはお兄ちゃんも黙ってられないですよ。

結果的に、そのおかげで小鞠は梨々夢の目に留まり、憧れの梨々夢のお店でバイトすることになったわけですけど、実はとても面倒見が良い九曜さんのことなので、そこまで予見しての行動だったと私は信じています。

また、この√での最終バトルは九曜さんvs一馬の私闘というのも良い演出ですよねえ。

これは各個別√でのオチにも繋がる話ですが、大奉演の舞台に立つという一馬の目標は共通√時点で既に達成されてるわけなんですよ。

なので大奉演が作品の主題になっているものの、最終的な一馬の夢の形は各ヒロインとの関係性に委ねられている格好で、この点が各個別√においてかなり色が出る要因になっているんですよね。

小鞠√での九曜さんvs一馬もまさにそうかなと。
普通は大奉演でのラストバトルみたいなのをイメージしますし。

格ゲーの立ち回りみたいなアドバイスを送る小鞠ちゃん
真っ当な理由があるけどなんか可愛い響きをしている九曜さんのオリガミ

結果的に九曜さんを”わからせる”ことに成功したのでめでたしめでたしですが、これをもって一馬は演武士を辞めて道場経営、つまり家業を継ぐというオチに至ったのは意外であるとともに、このような夢の形もあるんだなと妙に納得した次第です。

まあそこはやはり家族である小鞠√なので、家族としてのハッピーエンドを意識した結末になりましたと。

実妹であることにヒヤヒヤしていましたが、終わってみれば割と真っ当に家族愛に重きを置いたシナリオだったかなと思います。

真っ当なら行為に至らないのでは?という疑問はなしで。

さて話は少し変わりまして・・・小鞠ちゃん、えっっっっっっという感じでしたね。

介添人なのになんか凄いオープンな霊式具装ですし。

今回のヒロインズの中でのシーン回りは小鞠ちゃんが一番良かったかなと思います。

シーンじゃないですけど、霊式具装の研究をする際に一馬の部屋でタオルを使って練習してたとことかもいいですよね。

一応、念のため申し添えておくとスタイルだけじゃないです、シチュエーションも込みです。

過去作品でヒロイン一番手のFD(ワンルーム)は出ていないと思うので、今回はとりあえず小鞠ちゃんのワンルームを大変期待しているところです、はい。

私はてっきり父親が生きていて、「お前らの血は繋がっておらん!」的な展開で義妹パターンになるのではと思っていたので、実妹でありながらもその点が気にならないとても良い個別√だったと思います。

パルヴィ

パルヴィ√と見せかけた英家√。

異国の血が入ってると天呪を纏えないみたいな設定があった気がするんですけど(めくいろのシアとかめくらべのみくるとか)、パルヴィは母親が外国人なのになんで纏えるんでしたっけ。

この√では一馬が謹慎を喰らってパルヴィの介添人として過ごす展開になるのですが、これは本当に自然で良い設定だと思いました。

小鞠√でのオチもそうですけど、一馬が各ヒロイン√で別々の道を歩んでるのがなんか良いよなあと。

そんな中、パルヴィは共通√でニーナに敗れて番外から頑張るぞと言ったところで、個別√でリベンジマッチがあるのかと思いきや番付演武士との対戦相手としてメイが選ばれたのは意外でした。

まあ蓋を開けてみればパルヴィの能力お披露目にはこれ以上ない適任だったのですが。

そして、KATANAシリーズといえば皆さん大好きな厨二感溢れる技名やオリガミ名が特徴だと思うんですけど、今回の一番の厨二枠はパルヴィが戦闘中に唱える祝詞だったと思います。

こう、普段はちんたらボソッと喋っているのに(失礼)、戦闘中急にドスの利いた声でペラペラと祝詞を挙げて必殺技を繰り出すって、それもう完全にジャンプ漫画の展開なんですよ。

これが嫌いな男子はいないでしょう。

さて、パルヴィ√の後半はお待ちかねのいぶき関連。

発売前の告知PVを見た感じだと真面目で堅物タイプの強者かと思ってたんですけどなんとびっくり、煽り厨も煽り厨で笑いました。

辞世の句でも考えとけよってそれもうフラグじゃないですか。

ただ、九曜さんもそうでしたが、徹底的にヒールムーブをさせておきつつも「ただの嫌なキャラ」で終わらせないのがKATANAシリーズの良いところ。安心感がありますね。

いぶきについても例外ではなく、結局は武家という家柄の性質、異母姉妹や本家との関係性、刀仕権宮司であることが唯一武家の自分であることの証明、つまり自分の尊厳を守ることになっていると。

そしていぶき自身は、自分が刀仕権宮司に固執しているこれらの明確な理由に蓋をしてしまっているのがことをややこしくしていたわけですね。

刀仕権宮司であること自体が目的になっていたというか。

そしてこの感じ、そこはかとなく椿お姉ちゃんとそっくりに思えたのは私だけでしょうか。

椿についても実はめくいろで同じような状態に陥ってましたよね、朱雀院家なので刀仕襧宜でなくてはならないとか。

家柄に捕らわれ、その家に認めてもらうための手段としての称号であるはずが、その称号自体が目的となっていてもはや自分で自分をコントロールできていないところとか。

いぶきも試合前には嗚咽するなど、プレッシャーに押し潰されそうな描写がありましたし。

つまり・・・いぶきはいぶきお姉ちゃんで、メンタルよわよわお姉ちゃんだったというところに帰着するのかなと。

この辺りの事情を適当に開示するのではなく、ちゃんとパルヴィの能力に絡めて明かしていたのがとても良いですよね、設定をちゃんと活かしてますし、いくら罵られてもパルヴィは姉を姉として見ていたのもわかり。

そして、パルヴィの刹那要素はまさにここだったと思っています。

メイとの戦いで見せた終義・如律審神は「(好きな)こと」を供物として守護神に捧げることで大幅に能力が上がるという、いわゆる「誓約と制約」的な必殺技でしたが、いぶき戦では何を捧げるのかと考えていました。

一馬関連が一番分かりやすいと思っていたのですが、「オリガミを手にすること」というのは予想外で。

剣士としての刹那を楽しむとは異なりますが、大好きな姉を救うために剣士であることを捨てるという刹那的な生き方はかけはなの主題に大変沿っていると思いました。

さて、試合としてはパルヴィが勝利し刀仕権宮司になったものの、オリガミを握れないパルヴィは演武士を即引退。

そんな仕打ちを受けてしまったいぶきお姉ちゃんはというと・・・

チーム白狼のBBQに参加して点呼を取られているのでした。

私はこれを見てそれまでのいぶきの言動を許すことにしました。
しかもですね、何か大きくないですかいぶきお姉ちゃん。

当然ながらここまでは堅物のイメージしかなかったので、しがらみから解放されるとここまで良いお姉さんになるのであれば、もうちょっと尺を長くして見たかった感はあります。

スペシャルシーンを用意しろなんて厚かましいことは言いませんが。

言いませんがね!

朱雀院撫子

朱雀院家らしかぬ雰囲気の次女。
他の3人とはまた違った天真爛漫な感じが良いですね。

というか、朱雀院家四姉妹はキャラの棲み分けがきっちりとされていて本当に凄いと思います。

ぐーたらな長女。
元気っ娘な次女。
ほぼZ戦士な三女。
お姉ちゃんな四女。

都子は彼女自身にフォーカスした作品がないのでさておき、紅葉、撫子、椿については良い感じに人気票が分かれそうですよね。

ちなみに私は椿お姉ちゃん派から揺らいでおりません(自明)

さて、撫子√はイチャイチャもさることながらKATANAシリーズの醍醐味が詰まりまくっていた、そんな感じでしたね。

本当に切磋琢磨というか、スポーツと恋愛の二兎を追うというか。
あえて書く必要がないくらいには真っ当に恋仲まで至ったと思っています。

というわけで特に印象に残った場面を何点か。

まずは今カノvs元カノ・・・失礼、撫子vs九曜さんですね。

いや、まあ気になった理由はまさに今カノvs元カノという構図なんですけども・・・そもそも元カノじゃないか、すみません九曜さん。

私は小鞠√を最初にプレイしたので九曜さんが負ける姿というのは既に想像できていたのですが、まさかここでも一馬絡みでこんな直接的に突っかかるとは思っておりませんでした。

なんでしょう、「愛憎」という言葉が一番適切でしょうか。

以下の流れとかめちゃくちゃ笑いました。

真面目なシーンなんですけど正直笑ってしまいました。

九曜さん、撫子に負けた後も後方彼女面みたいなこと言ってましたし、おもっくそ引きずるタイプなのがむしろ人間味を持たせる良いキャラ付けだと思いました。

いぶきもそうですけど、単なるヒールキャラで終わらずどこか親しみ?チョロい?瞬間を見せる匙加減が本当に絶妙です。

まあそれで許してしまう私が一番チョロいんですけども。

さて、続いては私が作品を通して一番印象深かった場面になりますが、対いぶき戦における撫子の以下の発言。

CG絵の美しさもさることながら、言っていることに私はかなり驚きました。

これまでの作品では四姉妹側から見ると朱雀院家ってのは煩わしさの象徴だったわけですよ。

紅葉なんて「朱雀院家に生まれなければよかった」って真逆のことを言って涙まで流してるわけですし。

撫子も政治的なややこしい部分はどうでもいいと思っていて、彼女自身朱雀院家の名を背負うつもりはないと思っているので、それはそれで煩わしさを抱えているのだとは思います。

でも撫子はそれ以上に「自分が好きな刃道でもっと強くなること」を優先させてるわけですよね、この発言を見るに。

紅葉は自分が強すぎて独りぼっちになるのが辛いという感情から、刃道が決して第一ではなく(それを気付かせてくれたのは雪月花ですが)、椿についても家柄や優秀な姉たちに追いすがるための刃道をしていましたし、そこまで刃道が第一という感じではない印象。

そういった意味でも撫子は変わっているというか、こんなところまでキャラの棲み分けがされているのかと驚いた次第です。

都子も朱雀院家は嫌いであるものの、たぶん撫子と似た考えを持っている側じゃないかと勝手に思っています。

そしてまさにその対比で描写されているいぶきという構図がこれまた。

ただいぶきに関しては長女であることも結構関係ありそうなんですよね。
令和でありながら武家とか出てくる世界観なわけですから、次女とかであればここまで闇落ちしてなかったような気がします。

そして最後の戦いは当然撫子vs一馬になるわけですが、これはもう圧巻の一言。

これぞKATANAシリーズという戦いなので、これはぜひプレイした流れのまま見てほしいと思います、本当に。

全てが終わった本編最後のCG絵がこれまた良いんですよ。

なんか尊い気持ちになりますよね。
撫子の幸せそうな笑顔がただただ素敵です。

戦いがメインテーマの一つということから動と静の緩急が本当に大きく、特にこの場面は最終戦直後のエピローグにもなるため、より一層この最後の描写がグッとくるものだと感じました。

以降、撫子√の余談。

マ、ママぁ・・・

まずは、いぶき戦の直後に気持ちばかりの初乃エピソードっぽい展開があったのは大変ありがたかったですねえ。

プレイヤー目線でのサービスシーンというのは皆無だったのですが、本当に良いキャラしていてビジュアルも良いので一瞬でもメインっぽく動く話があればいいなと思っていたところでした。

本編中も暗躍という意味ではメインで動いていたんですけど。

初乃の苦労、それに対する一馬の労いみたいな描写は正直もっと見てみたいので、シーンがないヒロインなのにワンルームが出るみたいなサプライズを期待して止みません。

本当にもっと掘り下げてくれないかなあ。

さてもう一点別の、非常に重要な余談になるのですが・・・椿お姉ちゃんは登場しなかったですね。

四姉妹でおかわりの取り合いに負けて泣いてるって情報くらいでしょうか。
それに対して紅葉が分けてあげているというのがまた微笑ましい。

ゆれあかでは登場したので少しだけ期待していたのですが、今回はストーリー上登場せずともやむを得ないですかね。

つまり、都子はこの時間軸ですでに家出してアメリカにいるという情報も踏まえると、椿お姉ちゃんが一人で家を抜け出してどこかへ行くなんてお転婆をするわけがないんですよ。

元祖メンタルよわよわお姉ちゃんなので。
いえ、時間軸的にはいぶきのほうが元祖か。

ゆれあかの家出は都子主導で椿は寂しいからついてきただけですし、基本的にめくいろ後半以降の時間軸まで椿は朱雀院家のいい子ちゃんだったわけですよ、めくいろや椿恋歌の内容を見るに。

つまるところ、今回椿お姉ちゃんが登場しなかったことはしょうがない!ということで。

椿お姉ちゃん関連でもう一つ。

今作品では朱雀院家当主の柾胤パパが撫子の男性関係を心配している素振りが結構目立ってましたよね。

最初は父親らしい微笑ましい面もあるなと思っていたのですが、しばらく経つとめくいろの椿√での発言を思い出しまして、その対応の差はなんやと。

「あのような無様な戦いは、朱雀院のそれではない」

この発言のせいで椿お姉ちゃんは悲しみ、進路が狭められる結果になりましたし、次女に甘く四女に厳しくした点について私は根に持っています。

まあ三女がアメリカに高飛びしたり、長女はのらりくらりで次女はお転婆でコントロールが効いてないことも影響あるんでしょうけどね。

紗雪さん、しっかりとこの父親を叱ってください!

その他①:風嶺 初乃

さて、ここでは個別√がないものの真のメインヒロインである風嶺初乃さん(諸説あり)を取り上げたいと思います。

といっても初乃の話をし出すとそれこそまた本編丸々振り返ることになりますので、お気に入りの初乃さんを何点か置いておきます。

まずはツンデレっぽいことを言う初乃。

自分でも言ってた気がしますが、しっかりしてそうでチョロいところが可愛いんですよね。

憧れの蛍雪もああ見えて口車に乗せられるところがありましたし、しっかりキャラがお茶目な一面を持っているのはメインヒロインとして本当に強いですねえ。

続いてはクールビューティーになりたい初乃。

蛍雪や雪月花とはどういう関係の身内なんでしょうね。

ピンク髪が同じなので結構近い従姉妹くらいかと思っているのですが、そうなるとめくらべの茉莉花が風嶺なのに白髪なのがまた気になってきます。

めくいろでは風嶺が登場していないのでその時間軸で風嶺側がどうなってるのか、特に初乃が蛍雪よろしく当主に近いところまで上り詰めたのかどこかで補完してほしいですね。

次にクールビューティーを目指しているがアレに興味津々な初乃。

初乃とワンルームでその知的欲求を満たしてくれてもいいんですよ!

しっかりしてそうでこういうのにも興味を持つところが年相応で大変よろしいと思います。

初乃は撫子の介添人をしているときも霊式具装を纏わずに制服でしたが、小鞠のようなオープンな衣装の立ち絵があれば言うことなしでした。

あと、眼鏡を外したり髪を下ろした立ち絵もあればなお良しでした(強欲)。

たぶんですけど全体的なバランスで見ると初乃が一番スタイルが良いのではと思っています。

最後に、あなたのママじゃない!とキレる割にめちゃくちゃ甘やかしてくれる初乃。

まあ時系列的にはあのぶちギレ初乃はもっと後なのですが、こうやってちゃんと慰めてるところや、ぶちギレ直後にちゃんと謝ってたところを見ても怒ったのは一時的なものだとよくわかります。

こういうのを見ると実は初乃→撫子の方向で依存しているのではと勘繰りたくなるのが私の悪い癖です。

ただ過去にも書いた気がするのですが、KATANAシリーズの作品ってヒロイン→ヒロインの向きでの激重感情が割と出てくるんですよね。

撫子より初乃が一つ年上というのも良い設定。

完全に撫子のママです。初乃ママ。

その他②:九鬼 旭

今作では旭の攻略√やスペシャルシーンは当然ながら存在せず、いぶきと同じボスキャラ的な立ち位置での登場になっていますが、私がKATANAシリーズの中でも特にゆれあか大好きおじさんのため、気付いたら手が勝手にこの段落を書き始めていました。

過去作品のキャラ名だけが登場したり現況などに触れられることはあったものの、ここまでしっかりと過去ヒロインが登場するのは初めてですよね。

なお、かけはなの感想記事にもかかわらずここからは旭とゆれあかついてただ喋ってるだけなので読み飛ばし可。

さて、ゆれあかのときもそうでしたが、ストーリーで面白いなあって感じたところは大体旭が出てきて何かしてるときなんですよ。

まずは共通√での試験回。

いつ出てくるかなとワクワクしてたんですけど、あのタイミングで出てきて驚きました。

ちょっと大人びた旭、いいですよね。
ピアスをしていたり、細かなところで時の経過を感じます。

そして登場するだけではなく、ここで旭のバトルが見られるとは!

早速旭の技である「横溢一閃」を繰り出すわけですが、学生の頃から同じ技を使ってるんやなあとボーっと考えていると・・・

いやいやいやいやいや。
え?紅葉と雪月花の技を旭が使ってる?!

と、本当にこんな感じのリアクションになりました。

特に金剛砲なんて雪月花は「我流」で使っていたのがちゃんと「雪月花流」になってますし。

かつてのライバルたちの技を引っ提げてプロで頑張ってる旭、これはさすがにエモすぎるでしょう

いつ習ったんでしょうかね。
見よう見まねですかね。

紅葉が3年連続で刀仕襧宜になったという情報がしれっと明かされたわけなんですが、旭の性格からその3年間のうちにライバルである紅葉に教えを請うとは思えないんですよね。

雪月花にはしれっと聞いてそうですけど。

するとまあ卒業後も繋がりがあったのかな、とかいろいろ想像力を逞しくできるわけで。

さて、続きましてのエモエモポイントはこちら。

旭の霊式具装は全部梨々夢が立ち上げたブランドのLILIMAS製だと。

ゆれあかでも語っていた通り、梨々夢は自分の刃道ブランドを立ち上げるのが夢だったのですが、それをちゃんと叶えているのが示されました。

しかも旭が全部そのブランドを使ってるって・・・これをエモくないとかいう人は存在するのでしょうか(反語)

学生時代、梨々夢とあれだけ揉めてたわけじゃないですか。
仲直りして最終的にはちゃんと友達になりましたけど。

霊式具装は梨々夢、オリガミで繰り出す技は紅葉と雪月花って・・・おいおい篁組大好きマンか。

また、本編中にはニーナがゆれあか篁組メンバーと同級生だということが示されてますが、旭とニーナが二人で梨々夢社長の会社のイベントに呼ばれているのもいいですよねえ(小鞠√のエピローグ)。

ニーナはゆれあかには登場してませんでしたが(名前だけ出たりしてた?)、篁組とか関係なく呼ぶのが梨々夢らしくてい良いなと思います。

ところで、旭はプロの刃道選手、梨々夢は自分の刃道ブランドの立ち上げとそれぞれ学生の頃からの夢を叶えているわけなんですけど、紅葉と雪月花のこのあたりの情報もとても気になります。

紅葉は伊織先生を追って天呪特科、雪月花は蛍雪のボディガードをしてるんですかね。

紅葉と雪月花は推測の域を出ませんが、梨々夢とは卒業後の今もこうやって繋がっていることがハッキリしたので、ならば当然紅葉や雪月花とも繋がりはあるままだろうと、それだけでエモさが倍増しました。

そして梨々夢関連だと以下も見逃すことができません。

刃道の技術周りは紅葉と雪月花だけかと思いましたが梨々夢のフライング・リリィもしっかり使っていて笑いました。

霊式具装をLILIMASで揃えて、LILIMASのイベントに呼ばれて行って、フライング・リリィも使うとかもしかして・・・梨々夢大好きマンか?

しかも試験での手合わせ時は使ってこなかった燕三連も打ってきましたし、完全に篁組が一丸となって旭に協力している感じがします。

さて、ここまでくれば当然「あの技」も披露するのかと期待が膨らみまくるわけなんですけど、しっかりと、100%、必要十分にその期待に応えてくれて私はニヤけが止まりませんでした。

お待ち申し上げておりました、天元齊命流。

撫子√における最後(一馬vs撫子)から二番目の枠での戦い、つまり今作品における実質準決勝的な枠になる一馬vs旭戦でようやく見ることができました。

ゆれあかの紅葉vs旭も準決勝でしたし、大きな壁になるも打ち砕かれる役になりつつあるのでしょうか旭さん。

天元齊命流でボコボコにする展開も興味があったのですが(というか撫子と一馬がいぶきと旭に負ける展開もゼロじゃないかもと思いつつ進めてましたが)、そこはさすがにゆれあかを引きずりすぎになってしまうので今作品の主人公に軍配が上がりました。

というか、紅葉戦もそうでしたが旭は「超感覚≒時間感覚をなんとかする系」にやられてますね。

逆にいえばそれほど天元齊命流が強いということなのでしょうし、格を落とす負け方になっていないのはとても良かったと思います。

描写ありの試合は試験とこれとで一馬としか戦ってないのですが、ゆれあか関連の技のお披露目、試合外での梨々夢との仲が続いていることなど、ゆれあか大好きおじさんとしては描写量以上の満足感を得ることができました。

それでいて、決して「人気の過去キャラにすがる」ような本編の邪魔になっていないのがバランス良く、今後もこの手法で過去キャラをバンバン出してくれないかと思います。

全体を通して

文句なしの傑作です。

ストーリーの熱さや分かりやすさに加えて、演出の派手さ、ヒロインの多さなどボリュームも含めてちょうどいい感じでした。

KATANAシリーズはどの作品から始めてもいいと公式が言っていますが、かけはなはゆれあかネタが多く出てくるので個人的にはゆれあかを先にプレイするほうが楽しめるんじゃないかと思います。

まあ過去との繋がりを先に知っておくか後に知るかの好みの問題ですが。

また、相も変わらず個別√がないキャラのスペシャルシーンまで豪華に用意されており満足度が高かったです。

あとは・・・ワンルーム、出ますよね?

過去作を見てるとメインヒロインのワンルームは出てなさそうなので(それでも私は雪月花とワンルームを待っている)、今回だと筆頭候補は小鞠あたりでしょうか。

ちなみに私はプレイ後の感想フォームにサブキャラをフォーカスした作品を見たいと書きましたので、やっぱり初乃さんの掘り下げをなんとか実現してください、お願いします(懇願)。

最後に余談。

風嶺雪月花と気が合いそうな撫子。

発売カウントダウンムービーで撫子が旭にインタビューする回があるのですが、そこで旭も撫子を見て明らかに雪月花のことを思い出しているのでコンセプトとしてはやっぱり「アホの子」でしょうか。

これを聞かされている初乃も、よもや憧れの蛍雪様の双子である雪月花が同じことを過去に言っているとは露にも思っていないでしょう。

もう一点余談。

これは紛れもなく男子キラー撫子。

推しのおっぱい?良いに決まってるでしょ。

さて、かけはなを完走したことでしばらくKATANAシリーズ本編の先を楽しめないが残念ですが、このシリーズは継続してほしいなと強く思っています。

またこの記事を上げた日はエイプリルフールですが、CRYSTALiAが公式Xで面白いポストをしていますね。

過去作主人公を攻略する乙女ゲーとまでは言わずとも、そんな感じで過去作のキャラが同時に出てくるような作品が見たいなあと。

ちなみに、私は未だに「椿とワンルーム」をプレイできていません。

これを完走すると、それこそ未知の椿お姉ちゃんを知る術がなくなってしまうのでずっと尻込みしています。

実はめくいろはPS移植版でしかプレイしていないのでPC版で再走するのはありかもしれません。

そんな感じで騙し騙しKATANAシリーズロスを解消していきたいと思います。

ではまた機会があれば。

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