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少女と年の差、ふたまわり。 感想

こんにちは。

最近PCがブルースクリーンを連発するので起動しなくなったらいよいよ美少女ゲーを卒業するかもしれません。

まあこんなこと言ってるうちは卒業しないんでしょうけど。

さて、今回喋り倒す作品はこちら。

あかべぇそふとすりぃの「少女と年の差、ふたまわり。」です。

もののあはれは彩の頃。をセールで買ったタイミングで、この作品も結構人気上位のところに位置していたのが目に付いたのがきっかけで、

でもタイトルからは私の好みには刺さらないタイプのストーリーかなと思っていたのですが、作品評価が軒並み高く、それなら食わず嫌いせずやってみようかということで、勢いで購入したものになります。

結論から言うと想像以上に独特な雰囲気を漂わせる、とても引き込まれる作品だったので、今後もタイトルや絵柄のみで判断せず、まだ見ぬ掘り出し物を探す感覚でいろいろなジャンルをプレイしていこうと思います。

もののあはれは彩の頃。もそうでしたけど、ミドルプライス作品も内容の濃さではフルプライス作品に全く引けを取らないですよね。


全体的な感想(ネタバレなし)

概要としてはおじさん主人公とそのいとこの娘(水香)との物語。

果たしてこの年の差、関係性で恋愛は成り立つのかという結構難しいテーマです。

しかしタイトルとは裏腹に、内容はもはやヒューマンストーリー

最初にタイトルだけ見たときは、いわゆるパパ活的な出会いから・・・的な内容なのかと想像したのですが、蓋を開けてみれば全く違いました。

まあ想像が違っただけで難しいテーマには変わりないんですけど。

その割には妙にリアリティを感じる描写も多く、プレイしながらもどこか不思議な雰囲気が漂っている作品という印象を持ちました。

また、この作品のサイトを覗くと、キャッチコピーとして「離れているのに、こんなに近い」という文言が目に付いたのですが、これがめちゃくちゃ良いなあと思いまして。

恋心が成就していないときに出てきそうなフレーズだと「(物理的な距離は)近いのに、(心の距離は)こんなに離れている」と逆になりそうなものですが、この作品はあくまでも年の差にフォーカスされていること、そしていとこの娘という「こんなに近い」関係性のヒロインであることから、作品をシンプルかつ的確に表現した、おっと思わされるフレーズでした。

それでピアノ調のBGMがまたいい味を出してるんですよね。

扱っているテーマから、何かバッドエンドに向かって行ってるのかと錯覚しそうな、そこはかとなく仄暗い雰囲気が感じられる曲調が何か癖になりそうで、ストーリーへの没入感を高めている要因になっていると思いました。

さて、ストーリーとしては一本道、選択肢もなくヒロインも一人のため本当に読み物に近い作品になりますが、一応ネタバレありで以下に感想を少々。

今回はかなり短めです。

二人が恋人となるまで

このあたりからはプレイした人が読んでくれているであろうという都合の良い解釈の下、内容のおさらいはせずにピンポイントで気になった箇所を何点か。

まず、日常の描写について。

いとこである臨は職業柄夜勤が多く、泊りも多いことからその娘の水香は主人公と一緒に過ごす時間が増えてくるわけなのですが、結構このあたりの描写って同じことの繰り返しになってるんですよね。

出かけて、買い物して、ご飯の当番は、寝る場所は、などなど。

要はストーリーとしては前に進んでいるんでしょうけど、水香と主人公の二人の関係性は一見すると全く進んでないように見えるんですよ。

でも実際水香と主人公の関係を見ると、この時点ではあくまでもいとこの娘なわけですから、彼女と過ごす時間なんてこんなものでしょうという納得感があり。

この手の美少女ゲーは何か一つの大きな出来事がきっかけでヒロインが主人公を好きになるという描写も多いですが、本当にその対極を行く、些細な日常生活の描写からじっくりと、本当にじっくりと感情の変化が出てくる緻密な描写がとても良かったと思います。

2点目は主人公のバックグラウンドについて。

この作品をプレイしていて一番良い設定だと思ったのは、主人公は決してモテないくたびれたおじさんではないという点。

過去に彼女と半同棲をしていたような描写があったと思うのですが、普通にお付き合いを経験していますし、なんなら学生の頃から臨に対して恋をするという経験もしています。

親の死や臨に対する間接的な失恋など様々な経験を経て今の主人公になっただけであって。

この設定が凄く良いと思っていて、モテない中年のおじさんが急に女子高生から好かれるなんてファンタジーもいいとこじゃないですか。

臨が過去年上の男性に恋していたという前振りもあり、母と娘で同じ道を辿る、年の差はあれども水香が主人公を好きになり得る説得性というか、収まるところに収まるとこうなってもおかしくはないな、とギリギリ思わされる展開がスッと入ってきました。

決して寂しさと恋心を混同しているのではなく、間違いなく感情が移行してるんだろうなという。

総じて、前半は基本的に日常の描写の域は出ないものの、この作品、この二人の関係性においてはそれが逆に説得性を持たせる形になっていて、同じような展開やんけ!というよりはとても丁寧に感情の変化を描写している印象を持ちました。

恋人になった後

さて、なんやかんやで恋人になり、ここからはあれですね、シンプルにエ口ゲっぽく。

怒涛の情事で、一気にCG回収をしてくるなと少しメタ的なことを考えてしまったのですが、一見大人びている水香が年相応な面を拝めたのが良かったと思います。

優等生面を外した感想を言うと水香がとてもエッッッでした。

カチューシャをしているヒロインはしてないヒロインに比べて倍可愛く見えるという持論があるのですが、今回もそのエビデンスになりました。

まあカチューシャだけなく髪回りのオシャレというか。

あとシーン中に限らずですが、↑の紅葉のキャプチャのようにCG絵がめちゃくちゃいいんですよね、この作品。

さて、そうすると気になるのが臨への報告をちゃんとするのか問題

水香と主人公の臨に対する接し方を見るに、臨を蔑ろにして駆け落ちとかはないかなと予想していたのですが、それは予想通りしっかりと報告をする展開で安心しました。

まあテーマ的にも親への報告が分かりやすい山場になりますから。

その上で、ご都合主義ではなく臨がしっかりと拒絶反応を示し、見かけ上は認めたものの最後の最後まで納得いってない態度だったのが良かったですねえ。

ただ決してバッドエンドではなく、水香が笑顔で終わる締め方が最上。

作品を通して、たぶんあの最後の笑顔だけが本気の笑顔なんだろうなと思うとグッとくるものがありました。

全体を通して

最初にも記載の通り、想像以上にヒューマンストーリーという感じでした。

内容は割と現実離れしているはずが、日常描写や最後の展開など、妙にリアリティを感じるのも良く。

過去のトラウマを抱えたおじさんの苦悩、現在の境遇に問題があると言わざるを得ない女子高生の苦悩、このあたりが丁寧に絡み合ったストーリーだったと思います。

一言でいうと、扱っているテーマの割に全く下品じゃないんですよね、この作品。

主人公が自分(水香)の母親に向けているベクトルを自分(水香)のほうに向けたい、つまり母と娘で主人公の取り合いをする構図になり(実際臨は取ろうとしてないので、この作品では水香一人だけが取り合ってる気持ちになっている)、このパターンはなんとなく下のほうに走りがちな偏見があったのですが、その偏見が見事にひっくり返されました。

総じて、評判が良さそうというだけで買った作品でしたが、それに違わず楽しめたのに加え、普段なら選ばない作品をプレイすると常に斬新さを感じられるのが個人的には良かったです。

一趣味ではありますが、その中で大量にジャンルが存在し、そこから好きなものを選べるというのがノベルゲーの醍醐味かもしれないですね。

何よりどのジャンルを選んでも共通して可愛いヒロインたちを拝めますから!!!


最後に内容とは関係ない余談。

感想記事は毎回これくらいの量にしておくほうが健全かもしれないと気付きました・・・


ではまた機会があれば。

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