紅月ゆれる恋あかり 感想
こんにちは。
2024年の目標は美少女ゲーを卒業することです。
記事の更新が途絶えたらお察しください。
なお、記事の更新が続いている場合もお察しください。
実際やるペース自体は少しだけ落とそうと思ってまして、せっかく美少女ゲーという面白いジャンルにハマったのに、一気にやり切って一気に飽きてしまうのもちょっともったいないかなと。
・・・なんか偉そうなことを言いましたが、2024年は隔月ペースでプレイしても追加で作品を買う必要がない程度には積みゲーがあるので、そんな状況で別の作品を買ってしまわないようにだけ頑張ります。
さて、そんな感じで今回喋り倒したい作品はこちら。
CRYSTALiAの「紅月ゆれる恋あかり」です。
椿恋歌の感想記事から引き続きとなりますが、これはCRYSTALiAの「KATANAシリーズ」と呼ばれる作品群の一つで、記事更新時点ではシリーズ最新作になります(すぐに新作が出るタイミングですが)。
で、その割に作品内の時系列で見ると一番古いんです。
それもそのはずで、めくいろや椿恋歌では末っ子の椿お姉ちゃんが高校3年生という時間軸ですが、ゆれあかは長女の紅葉が高校1年生という話になるのでおそらく10年ちょっとくらい昔なんですよね。
公式がXでめちゃくちゃきれいな時系列の絵をアップしてくれていたのでこれが一番分かりやすいかと思います。
不思議と、というのはあれなのですが、Xなどで調べてみても意外とKATANAシリーズに傾倒している方って見かけないんですよね。
例えば「過去こんな作品をプレイしました!」みたいなポストとかにあんまり登場してこなかったり。
そういうわけで、私はKATANAシリーズのファンなのでこの感想記事も相応のバイアスがかかっていると思うのですが、見かけた方に少しでも興味を持ってもらえればと。
まあ「ゆれあかの感想を探すぞ!」と検索でこんな辺鄙な記事まで読んでくださっている方はすでにファンだと思うのですが。
というわけで今回も駄文に少々お付き合いいただければ。
全体的な感想(ネタバレ無し)
まず、公式ページにも記載があるように結構珍しいストーリー構成をしています。
そういえば引用機能を使ったことがなかったので練習がてら2つ引用してみます。
そう、√の概念がないんですよこの作品。
実際にプレイした感覚では、公式にも記載されているキャラクターエピソードというのが少しだけ長めの個別アフターストーリーという感じでしょうか。
つまりシナリオ道中で選択肢もない、かなり珍しいタイプの作品になります。
ADVゲーというよりノベルゲーに近いかもしれません。
ただそのようなことを考える暇がないくらい面白いのがこの作品の凄いところ。
今回の主人公は先生になるのですが、その上ヒロインは主人公が受け持つクラスの同級生4人という構成になるので、一本道にしたのはある意味先生としての究極的な平等を表現した結果かなと思っています。
シナリオ中でも自分は先生なので各ヒロイン様々な事情はあれども全員平等に接するということをかなり強調していましたし。
さて、そんな構成の作品ですがシナリオがこれまためちゃくちゃ面白い。
一言で表すなら王道スポ根モノ、友情!努力!勝利!みたいな感じでしょうか。
どこかで聞いたようなフレーズですが実はこれ比喩でもなんでもなく、本当にそういう某ジャンプ的な熱さ、面白さがふんだんに詰まっていました。
もっと言うならこれこそがKATANAシリーズの究極系だと私は断言してもいいと思います。
KATANAシリーズってどんな作品?って聞かれた場合はとりあえずゆれあかと言っとけば間違いないと。
過去作品では刃道だけではなく少なからず化妖的な要素がシナリオ中に含まれていましたが、今作品はほぼないと言って差し支えなく、本当に刃道にのみフォーカス、というより最初から「演武祭で優勝して刀仕襧宜になる」が全員の共通した最終目的として進んでいきます(詳細は後述)。
ほら、なんかジャンプっぽくないですか?
さて、少したらたらと書いてしまったのですが、では肝心のヒロインたちはどうかというと、さすがのCRYSTALiAクオリティと言わざるを得ません。
相変わらずキャラデザがめちゃくちゃ良いんですよね。
こう、私の趣味嗜好を的確に突いてくるといいますか。
但し椿恋歌の感想でも書いたのですが、この手の作品をプレイする際にシーンの期待値が一番高い紳士諸君はおそらく物足りなく感じるかなと。
あくまでも可愛いヒロインたちによるスポ根モノ、シーンは物語の結果的に生じるものというスタンスが一番楽しめるかなと思います。
というわけでちょっと前段が長くなってしまったのですが以下、本編と各キャラの感想になります。
ここからはネタバレがありますのでご注意。
シナリオ本編
いつも通りヒロインごとに感想を書こうとしたのですが書き方が難しかったのでとりあえず本編の感想を書きます。
というか個別√の概念が存在しないのでキャラごとに深堀するのも難しいんですけど。
まずは本編の最初から演武祭に至るまでですが、本当に学園の部活モノとして真っ当なストーリーだったと思います。
こういうのでいいんですよ、こういうので。
一言で美少女ゲーといっても様々な内容がありますし、その中でSFに近いような超常的な設定をした作品もあれば、日常にフォーカスしたまったり王道の作品もあるわけです。
そういった様々なジャンルがある中でこの作品は紛れもなく「近未来カタナ学園活劇ADV」でして、このジャンルからしか摂取できない栄養が間違いなく存在するわけで、そういう意味でこのゆれあかは本当に王道を外さない熱いシナリオであったと思います。
また、個人的には「作品内の時間軸が他のKATANAシリーズ作品と比べて一番古い」という点が本作品への没入感を後押ししていて、KATANAシリーズのファンとしてはなんというか「ここから全て始まったんだな」というような見方できるわけなんですよ。
チラッと登場した幼女椿お姉ちゃんの大きさから察するにめくいろの時間軸とは13年前後離れてると思うんですけど、めくいろで熱い戦いを繰り広げたその遥か昔にはこのゆれあかのストーリーがあったんだなと思い馳せられるいうか。
どこかで聞いたようなフレーズですが本当に原点にして頂点だと思います。
さて、先ほどもチラッと書いた通り、この作品の大テーマは各ヒロインが演武祭で優勝して刀仕襧宜を目指すという話になるのですが、実は演武祭までのストーリーは以下の流れになっており、作品全体の9割方説明終了です。ちなみに残りの1割が演武祭の決勝トーナメントです。
ヒロインは全員が癖強で言うこと聞かない・授業に出ない
→赴任した先生(主人公)が刃道の稽古で全員をボコボコにする
→言うことを聞くようになる
→ヒロインそれぞれが演武祭の優勝を目指し、課題の克服や必殺技の習得を先生と頑張る
良い流れですよね。
なんというか、心の中の中二病が騒ぎ始めるといいますか。
リアル中二病のときに中二感溢れる漫画を読んで育ってきた世代なので、激つよ先生とか修行パートとか必殺技とか奥の手とかめちゃくちゃ刺さるんですよ、この年齢になっても。
以下、内容に係る細かな話はキリがないので特に印象に残った部分を何点か。
まずは先生がヒロインたちを従わせるためにボコボコにする回こと相がかり稽古を行った際に初めて見せた「天元齋明流」、つまり紅葉と先生の相がかり稽古。
メタ的な見方をすればその時点でイキりまくってた紅葉(かわいい)をボコボコにするんだろうなとは思ってましたが、その天元齋明流の演出がめちゃくちゃかっこいい。
・・・卍解みたいで(直球)
美少女ゲーの感想なのに早速男主人公側のかっこいい話とかして申し訳ないのですが。
ただ何と言いますか、どうしてもここは私の心の中二病が疼き始めまして。そういう意味だと紅葉の「心眼極手」も割といい線いってます。
続いての印象に残ったのは演武祭トーナメントでの準決勝、紅葉vs旭の対戦カード。
このゆれあかという作品は風嶺vs朱雀院がメインテーマになっており、すなわち雪月花と紅葉の戦い、関係性の発展などがフォーカスされているのですが、個人的にはそことは直接関係がないこの旭周りの動きがかなり面白いなと印象的でした。
また同時にこの作品の悩ましい点として、上述の通り公式が風嶺vs朱雀院を謳っているため演武祭の決勝カードが最初からほぼ決まってるんですよね。
なので各ヒロインが修行をどれだけ頑張ろうとも、そういった作品外のメタ的な事情によって優勝ができないんですよ。
まあこれはバトルモノあるあるといえばそれまでなのですが、そういった事情を理解した上でも、この準決勝の試合は旭が紅葉に勝つのではないかというハラハラ感、迫力のある展開で、個人的には悩む余地なく今作品を通してのベストバウトだったと思います。
天元齋明流を使うに至る旭の鬼気迫るセリフ、突如BGMが消える演出、紅葉が珍しく取り乱す様子などなど。
特にあのBGMが突如消える演出は痺れましたね。
旭のCVである上原あおいさんの少しドスをきかせた、旭の闇の部分をここまで醸し出すかといったあの演技もピリピリした雰囲気を更に演出していましたし。
すでに数回見返してますがまた見たいなと思う、そんな良い試合でした。
さて、最後に印象的だったのはやはり演武祭後の雪月花と紅葉の決闘。
結局演武祭は紅葉が優勝したのですが、試合に勝って勝負に負けてるんですよね、あれ。
それは寂しがりやの紅葉が実は大好きな雪月花を負かしたことで学園を去ることになるから。
これはその取り消しをかけたような決闘になるのですが、まさか演武祭が終わった後にまでこんな熱いシーンを見せられるとは、という感じでした。
そしてですね、まあここまでだらだらとこの作品の感想を書いてきたんですけど、結局このゆれあかという作品の大部分は紅葉から雪月花への以下のセリフを聞くための盛大な前振りだったのだと個人的には思っています。
いやもう本当に私はこういう流れに弱いんですよ、勘弁してください。
この決闘が雪月花と紅葉双方の思いの丈をぶつけ合うような感じになっており、紅葉が最後に上記の思いを吐き出すまでも戦いながらいろいろと吐露してましたが、結局最初から伝えたいのはこの一言だけだったんですよ。
このたった一言を伝えたいだけなのに紅葉のこれまでの経験から、特に刃道が強すぎたことで友達が離れていったこと、朱雀院家の独立独行の理念、そして自分が演武祭で相手負かしたことでまた友達が離れていってしまいそうという過去の繰り返しなどなど、簡単には言えない事情があったわけです。
それを雪月花と刃を交えながらようやく言えたと。
これまで紅葉の枷となっていたこういう部分は大体が朱雀院家であることに帰着すると思うのですが(実際紅葉もそのようなことを言ってましたし)、雪月花が無意識にそこから救っていたんですね。
で、この決闘はその救いの仕上げだったと。
そう、KATANAシリーズはシーンがあるタイプの美少女ゲーでつまりは恋愛SLGと言っていいのかもしれないのですが、こういった悩みを救うのはいつも男主人公でなくてもいいんですよ。
いや実際は先生(主人公)と過ごしたことで紅葉の心情の変化が生まれたことも一因ではあるんですけども。
テンプレだと男主人公がこういった悩みを救うことで距離が縮まって、というのをよく見かけますし、めくいろもそのパターンだと思うのですが、そういったテンプレとは少し異なる、同じ横並びのヒロインが悩みの底から救ってあげるというとても良い展開が見れたと思いました。
あ、タイトルの紅月要素はこの決闘のとこでしたね(今更)
以下、各ヒロインごとの感想です。
攻略順もくそもないので、私がキャラクターエピソードを見た順でいきます。
十部 梨々夢
ギャルですねえ、はい。
自分の世界観が第一のギャルです。
あ、これだと頭痛が痛いみたいな表現になってますかね(失礼)
この作品で珍しいなとまず思ったのがヒロインたちが全員同じ学年なんですよね、しかも1年生で。
するとまあ同級生ヒロイン同士ならではの掛け合いが見られたりするんじゃないかという期待が生まれるわけなのですが、まさにこの梨々夢がその辺りのニーズをしっかりと引っ張っていってくれていました。
主に旭と揉めまくるところですが。
ただ、全体を終えてみれば旭を覚醒させるための犠牲となった感が拭えないという印象。
演武祭の決勝トーナメントの組み合わせがどうなるのかなと考えたときに、私は自然とこの梨々夢も出る前提で予想してたんですけど、本編の一番見どころとなる部分にメインヒロイン格が出ないとかあるんやと驚きました。
まあそのために旭と決闘したり予選でネームドキャラの荒川先輩と戦ったりという戦闘シーンがあったのかもしれないですが。
キャラクターエピソードも特筆すべきことはない、というとあれですがギャルキャラならではの学生感溢れる感じでしたし、賛否が割れない安定した内容だったと思います。
一点、これは本当に上手いなあと思ったのはファッション好きという設定から将来はお洒落なオリガミや霊式具装を・・・という話からの、学園の制服もデザインしたいという展開。
梨々夢の頭の中で思い描いている制服デザインがめくいろ時間軸の制服、つまり椿お姉ちゃんや桜夜が着ている制服のデザインということに気付いて面白いなあと。
あの制服は梨々夢がデザインしたもので、つまりは夢を叶えた貌に近いのかなとか、こう作品の世界観が繋がっている部分のチラ見せ具合が本当に絶妙ですよね。
最初のほうにも書きましたが、この作品のこういうところがまさに「ここから全て始まったんだな」と思わされる部分でした。
朱雀院 紅葉
はい、噂の朱雀院家長女の紅葉さんです。
霊式具装の下半身部分はあれどうなってるんですか。
紅葉だけじゃないですが、過去作品に比べて霊式具装の露出度が死ぬほど増えてるのはたぶん気のせいじゃないですよね。
そして本当にここの4姉妹はみんな可愛い。
かけはながもうすぐ発売されそうな時期にこれを書いてますが、次女の撫子もめちゃくちゃ可愛いキャラデザでしたし。
いつかは彼女たちの母親のキャラデザも見てみたいところです。
そして案の定と言いますか、紅葉もそれ相応に暗いバックグラウンドを持ってましたと。
飄々としているように見せかけて、というより自分の脆さを隠すためにそうせざるを得なかったのですが、刃道が強すぎて友達が離れていった経験からもう本当に寂しがり屋さんだったわけですね。
演武祭で負かした雪月花もそうなるんじゃないかと内心心配しまくっている紅葉もそれはそれでめちゃくちゃ可愛かったんですけど。
そんな紅葉さんですが、主人公と付き合った後のデレ具合がこれまた!
元々あらぬ妄想をするシーンもありましたが、なんというか、恋に慣れていない青さとでもいいますか。
ただですね、朱雀院家の長女として立ち居振る舞いを求められる環境で育ってきた紅葉ですので、こういった年相応の部分もしっかり描写してくれたのがとてもよかったです。
そしてやはり本編を通じて心情が変わったのか、この恋についての相談を真っ先に雪月花へしてるというのもパーフェクト。
また、主人公と横に並ぶために自身も自衛隊を目指すと宣言していて、そういうタイプやっけ?というギャップもあり。
ただやはり、キャラエピソードだけではイチャイチャ要素を堪能するには少し物足りず、私はこのエピソード後にすぐ紅葉とワンルームを買いました。
ワンルーム系も短いのですが、椿のも含め未プレイなのでまとめてどこかで感想は書こうと思っています。
かけはなでは少し大人びた紅葉が見れたらいいなあ。
九鬼 旭
年下幼馴染でしかも友人の妹という美少女ゲー御用達属性を持っている旭さん。
あ、あと実はお兄ちゃんが大好きというのも。
霊式具装が騎士っぽくてかわいいのに、戦闘スタイルが居合というのがまたかっこよくていいですよね。
そんな旭は美少女ゲーという観点では最初から好感度MAXで主人公に好き好きアピールをしまくる負けヒロインムーブをかますタイプですと。
美少女ゲーに一人は必要なキャラです、大事。
漫画とかだと大体はそのまま報われず終わるのですが、美少女ゲーだとしっかりそのキャラの個別√もあるので、本当にありがたいですねえ。
ただそういうタイプというだけあって、本編とキャラエピソードでのギャップが大きくなかったのが少しだけ残念でした、まあ本編で暴れすぎただけかもですが。
ギャップはなかったといいましたが、シーン周りはギャップというか良い意味で唐突に梯子を外されたような、そんな不意打ちが結構ありました・・・ありましたよね?
なんでしたっけ、急に陥没なんたらみたいな設定をぶち込んできたのとか、自分のあれを使って主人公のあれをあれするとか。
美少女ゲー初心者でまだサンプル数が少ないのですが、この旭のキャラエピソードでこんな新たな出会いがあるとは思わず、少しソワソワしてしまいました。
たださっきもチラッと書いたように、これは旭に限った話ではないのですが、キャラエピソードってやっぱり少しだけ長めのアフターストーリーになるので、ヒロイン個人にフォーカスしてる時間がかなり短いんですよね、シーン数も2つだけですし。
本編のストーリーが進むと途中で各キャラ一つずつシーンが解放されるので、キャラ個人では3つ(雪月花だけ4つ)なんですけども。
私の場合シーン数やその内容はそれほど気にしないのですが、一番見たい「ヒロインの変化」を楽しむという点においてはやはりキャラエピソードだけだと少し物足りない感じになるかなと。
なので私はこのエピソード後にすぐ旭とワンルームを買いました(2回目)。
旭はかけはなでも登場することが判明しているので、撫子やその他ヒロインたちとの掛け合い、そしてこのゆれあかの話がどれだけ登場するのか楽しみです。
風嶺 雪月花
実はこの作品でど真ん中火の玉ストレートのようなヒロインはいなかったんですけど、総合的に勘案すると私は雪月花が一番好きでした。
でも体調によっては紅葉が一番になる日もあると思います。
さて、KATANAシリーズ全体にも言えることですが、特にこのゆれあかは本当に「可愛い×かっこいい」を共存させたヒロインたちだったと思います。
その中でも個人的にはこの雪月花が一番それを体現していたヒロインだったなと。
まず戦闘スタイルがカッコいんですよね、刃道なのにオリガミは逆手持ちで体術を使うって。
技名もなんか格ゲーっぽくて、追い込まれるとパワーアップするのも格ゲーのゲージや死に体から出せる必殺技みたいだったりで。
それでいて普段はあの可愛い声でへらへらしていて、プレイヤーとしてもそのテンションの差に振り回されているような感じでした。
でもやっぱり内心はかなり熱いんですよね。
優秀な双子の片割れがいていつも比べられる中で劣等感を持ち、それでもめげず風嶺の家の発展のために自分が刃道で朱雀院を倒したいと。
境遇だけ見れば椿お姉ちゃんと少し似ているところがあったのかもしれません。
だからこそ、最後の決闘シーンは雪月花の観点で見てもかなり激しく思いの丈を紅葉にぶつけてますし、ただヘラヘラしてるキャラではないというのが良かったと思います。
そんな雪月花は唯一本編から「あの枠」として描写がありましたね。
暴走ごとに描写していただいてもよかったんですけど。
ただ一つだけわがままを言うと、「あの枠」が結構ストーリーの序盤でまだ雪月花のことを詳しく知らない段階だったので、もう少し進んで雪月花の人となりがわかってからのほうが、こう・・・盛り上がった?気がしました。
まあこれと関連する話で、ストーリー中に各キャラ一つずつシーンが解放されると先ほど書いたのですが、これらは全部パラレルワールドなんですよね。
その解放するきっかけとなった本編ストーリーからのIFルートというか。
キャラエピソードまで一切そういうのがないのはなあ、ということに対する救済だとは思うのですが、主人公がみんな平等と謳ってる中での各キャラとのIFシーンということもあって、どういう目線で見ればいいのかとあまり没入できなかったなというのが率直な感想です。
まあこれはシーンに至るまでの過程を結構重視したいというただの私の好みなので、キャラエピソードまで待たずともチラ見せするよという配慮自体は大変ありがたいと思いました。
で、と言うとあれなのですが、そういった背景があったためキャラエピソードでのシーン周りはこの雪月花が一番良かったと思います。
スタイルが良いというのもそうなのですが、なんというか、他のヒロインに比べて打算的なところがあまり感じられなかったんですよね。
まあその時点で雪月花に騙されるのかもしれないのですが・・・
暴走すると欲求が高まる設定をそのまま活かし雪月花のほうからガツガツと言ってるのも好印象。
それで最後にとても大切な話なのですが・・・雪月花のFDはもしかしてなし?え?これで雪月花を楽しめるコンテンツは最後?
その他
まずはこちら。
これはいけない。
幼女体椿お姉ちゃんとでも命名しましょうか。
安心してください、もちろんこの場限りです。
次作のかけはなはゆれあかの数年後設定のはずなので、ゆれあかでいう都子くらい歳の椿お姉ちゃんがそこで拝めると思っていいのでしょうかCRYSTALiAさん?
たしかこの作品のどこかで紅葉が「撫子が三城家に刀鍛冶の修行に行っている」みたいなことを言ってた気がするので、この頃はまだ刀輝と出会ってないのでしょう。
だからこそ末っ子に全振りの椿お姉ちゃんを拝めたわけなので、本当にこの椿お姉ちゃんを出そうと決めてくれた方には足を向けて寝られないですね、ありがとうございます。
そして都子にベッタリの椿、満更でもない都子を見ているとやっぱりめくいろや椿恋歌の時間軸まで大きくなってもここの二人はお互いを姉妹として大事に思ってると思うんですよね。
特に都子→椿の向きで。
そのあたりもかけはなでチラッと見られると嬉しいなと思います。
・・・すみません、話が逸れました。
ゆれあかの話に戻してまして、この作品をプレイした人はたぶん100人中500回は同じことを思ったはずなので私もツッコミたいんですけど、
あれ、蛍雪とのシーンは?
サブキャラとしての蛍雪√は?なんて厚かましいことは言いませんが、椿恋歌のスペシャルモードでは椿&都子のシーンが用意されていたので、それはもう私はとんでもなく期待してましたよ、雪月花と蛍雪のそれを。
まあこれは半分冗談なのですが、でもいつもサブキャラまでスペシャルシーンをしっかり用意してくれるCRYSTALiAなので、ネームドの先輩キャラはありそうとして蛍雪はどうかな、あるかな、くらいの期待をしていたのも事実でして。
さすがにちょっとシナリオ上難しかったですかね。
雪月花の恋心は蛍雪も知っていて応援する立場で、そんな状態で奪おうものなら雪月花がガチで暴走から戻らなくなるくらいの精神ダメージがありそうですし。
蛍雪は雪月花のキャラエピソードで主人公に対して割と直接的にデレまくっていたので、それが公式からの最大限のサービスということで。
全体を通して
KATANAシリーズにおける実質一番初めのストーリーということで、紛れもなく傑作だと思いました。
かけはなの前にめくらべもプレイしようと思っているのですが、めくらべのヒロインも風嶺姓で、しかも名前は蛍雪が好きだと言っていた「茉莉花」ということで、この辺りがガンガン関わってそうな気がしていて少し楽しみです。
また構成が一本道で個別√がないという珍しい構成でしたが、このストーリーならたしかに不要だと思えるくらい内容が面白く、映画一本見終えたくらいの読後感がある内容だったと思います。
そう、キャラエピソードだけだとちょっとイチャイチャが少な目と書いたんですけども、そもそも前提が違っていて主人公とイチャイチャするのはあくまでも副次的なものなんですね、この作品は。
もちろん美少女ゲーとしてプレイするからにはその期待もあるわけなんですけども、もはやそれがノイズになる展開というか、それを避けたからこそ満足が行く読後感があったのだと個人的には思っています。
イチャイチャの続きはFDでチェックだ!
というわけで雪月花のFDもタイミングがありましたら何卒・・・
最後に余談。
こういうトーナメント表を見るとなんかワクワクするよな!
ちなみに私は格ゲーが好きなのですが、こういうトーナメント表であったりVS画面で表示される「キャラクターの1枚絵」がめちゃくちゃ好きだったりします。
で、ちょっと細かい話なのですが、公式の作品概要には「刀仕襧宜」と記載があるものの、このトーナメント表には「刀仕禰宜」って書いてるんですよね。
ころもへんのほうは特殊文字扱いっぽくて(旧字体?)、普通に変換すると「禰宜」が出てくるのですがどっちが正しいのでしょう。
設定は公式通り覚えないと気持ち悪いタイプなのでふと気になった次第です。
もう一つだけ余談。
良いお姉ちゃんですね、わかりますその気持ち。
大人になった紅葉と大きくなった椿の絡みもいつか公式で見れないかなあ。
ではまた機会があれば。