良い方向に変化することは恥ではない
第二次世界大戦中、多くのユダヤ人がヒトラーのナチス強制収容所に収監され、殺害されました。不完全な統計ですが、世界のユダヤ人の約3分の1がこの恐ろしいホロコーストで殺されたそうです。
しかし、ユダヤ人の歴史を研究するハーバード大学の専門家は、ホロコーストを生き延びた特異なユダヤ人集団がいることを突き止めました。
これらの生存者を、戦前にアメリカに移住したユダヤ人と比較したところ、概して教育水準が低いことが分かりました。
驚くべきは、ナチスから「将来何もできないに違いない」と見られていたこの普通の人々が、人生の試練を経験していないアメリカに住むユダヤ人よりもはるかに多くの功績と収入を得るに至ったことです。
イスラエルでは、ナチスの強制収容所から帰還した人たちが、すぐに国の復興を支え、それぞれの職業でリーダーとして活躍しました。
高等教育を受けていないユダヤ人たちが、なぜ試練の後に爆発するような強さを持ったのか。その成功の秘訣は何だったのでしょうか。
後に研究者たちは、これらの人々がナチスの強制収容所にいた時、ナチスの敵のふりをしたエリートほどには、自分のやり方に固執していないことを発見しました。
とても柔軟で、環境の変化に応じて自分たちのあり方を変化させることが出来たのです。
皆「良い方向に変化することは恥ではない」という考えを強く持っていました。生き残るために、耐えることを選択し、変化しながら目標に近づいていく。
ハーバードの研究者たちは、この事例を重要な信条として学生たちに伝えています。
学生たちが起業の道を歩み出すとき、ナチスの強制収容所で自分のやり方に固執するユダヤ人から学ぶのではなく、この生存者たちから学んで欲しいと願っているのです。
実際、多くの人々がこの問題に直面しています。新しい情報を得たのに、計画を変更したくない、自分の間違いを認めたくない、当初の戦略や方法を考え直したくない、その結果、さらなる失敗やさらなる大失敗を招いてしまうのです。
賢い人なら誰でも、最高の計画は情報が無い時に立てられることが多いし、成功への道は平坦ではないことを知っています。
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