司法試験過去問対策の勘所
過去問は司法試験と予備試験で重要度に差があるでしょうか?
答えは「あります」。
実は、司法試験の方が過去問の重要度が高いです。
なぜなら予備試験は、網羅性に重点が置かれているので、過去問演習よりも予備校の出している問題集や論証集に書いてあることの精度を上げる方が重要なのです。
ただし、司法試験は重要概念や重要判例の理解を重点的に聞いてきます。予備試験のように枝葉の問題を正面ら聞かれることはありません。
(つまり、それぞれ問われているものは、
・予備試験は知識の網羅性+簡潔に分かりやすくまとめる能力
・司法試験は重要概念・重要判例の理解+当てはめの能力
と言えます。)
それでは司法試験ではどのように過去問と向き合えばいいのでしょうか。
本来は有料相談などでお話しする内容ですが、今回は特別に過去問演習で最も重要なことをここでお伝えいたします。
まず司法試験は直近の5年分を複数回やることが超重要です。
「全年度フル起案が当然だ」とおっしゃる指導者の方もおられますが、はっきり言って、非合理的だし実現可能性が薄いです。
なぜなら過去問に取り組むことの最も重要な目的は、今後の勉強方針を定めるためです。過去問をやるとインプットの効率や合理性がかなり上がります。逆に言えば過去問をやっていない状況では、効率の悪い勉強、いつまで経っても受からないインプットの仕方をしてしまう可能性が上がってしまいます。
司法試験の傾向は毎年少しずつ変わっていきます。少しずつですが、10年経つとかなり変わっています。そうすると、過去問の傾向を掴んで今後の勉強方針を定める上では、10年前の過去問の重要性は下がるということです。
したがって、目安としては5年分をやればいいということです。
また、5年分を一回だけやることは不十分です。
傾向を掴むという目的では、直近5年についてはある程度深く理解していた方がいいです。
したがって、直近5年は複数回取り組む必要があります。
複数回取り組むにあたっては、必ずしもフル起案する必要はありません。
初学者でなければ、問題文を読んでいるだけでその問題文の論点や傾向はある程度掴めます。また、エビングハウスや忘却曲線を考えると、半年後の記憶は1回のフル起案よりも2回問題文を読んだ方が記憶に残って良いでしょう。
おわり
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