見出し画像

宮崎県都農町〜矢研の滝+都農ワイナリー探訪散走2021年6月レポート

宮崎県児湯郡(こゆぐん)都農町(つのちょう)は 太平洋日向灘と尾鈴山に見守られた小さな町。

今回の散走は、国立大学法人宮崎大学の地域資源創成学部 地域経営学講座(都農寄附講座)出口近士名誉教授と学生さんによる企画に参加。

出口近士名誉教授

まず初めに、都農ワイナリーにて都農町の歴史や、神話、人々の暮らしにまつわるお話を、出口名誉教授と3人の学生さんからお聞きしました。

宮崎大学 地域資源創成学部 3年 足達さん

宮崎県内でも有名な「矢研の滝」を目指す道のりには、多くの住民が利用していたトロッコ道があったそうです。

矢研の滝

尾鈴国有林の本格的な伐採が始まったのは明治42年(1909年)。大正13年には都農駅までのトロッコ道が開通し、尾鈴で働く人や家族はもちろん、沿線の住民も日常の暮らしで利用していたそうです。

尾鈴山

元々は、伐採した木材や木炭の搬出用につくられたが、馬や動力車で引かせるので歩くよりも早く、病人や怪我人の急送、日用品や食料の買出しなどの輸送にも住民に活用されていたのだそうです。

都農町の名貫川上流にある尾鈴山には、白馬に乗ってまちを駆け回る神さまが、都農神社に参ったという伝説があり、首にかけた黄金色の鈴が鳴り響いたことから『お鈴様』と呼び、山を『尾鈴山』と呼ぶようになったと言われています。

都農神社

今回の散走スタート&ゴール地点の「都農ワイナリー」は、戦後直後に県内で初めて巨峰を植付。昭和43年には都農町ぶどう協議会が発足するほど生産量をのばし、地元産にこだわったワインの生産・販売により、産業の振興を図ったことが評価され1999年「潤いと活力のあるまちづくり」優良地方公共団体自治大臣表彰を受賞。地元で愛され続けるワイナリーとして「都農ワイン」は設立されたと言われています。

都農ワイン 代表取締役 小畑さん

森の営みから学ぶ土づくりを大切にして、安心安全な食の生産のために、大地に根ざした未来を醸すワインづくりを行っているという、代表の小畑さんは自転車大好きサイクリスト。ワイナリーの丘から見える日向灘の景色と、情熱あふれる小畑さんに、また会いに行きたいと思いました!

今回の散走は、(株)シマノ主催の「ソーシャル×散走企画コンテスト」に参加エントリーする学生さん初企画の散走。散走を通じて持続可能な地域社会を育むプロジェクトです。さらにソーシャル要素を加えた散走プランにチャレンジする予定なので、地域の皆さんにも学生さんをサポートいただきたいと願っています!

散走の様子は、下記のYouTubeにアップしているので、是非ご覧ください♪

最後に、宮崎県で2店舗の自転車販売店を営みながら「散走」ライフスタイルを提案し続けている奥口さんをご紹介します。

今回の散走ではe-bikeレンタサイクル他、ルールマナーをレクチャーしたり、学生さんたちのサポートや地域をつなぐ役割を担ってくださいました。

サイクランドおくぐち、ジャイアントストア宮崎の奥口店長

奥口さんは宮崎県米良地区(現在、西都市)出身。ご両親も生まれ育った町には今も続いている「銀鏡神楽(しろみかぐら)」という伝統的な神事があり、宮崎県内の神楽で最初に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

昨年、息子さん(中学生)が神楽を舞うようになり、天和(1681~1684)年間のころから続いている伝統文化は、代々受け継がれるようになりました。

奥口さんが大切にしている伝統文化、「散走」をきっかけに地域で育みたいことは何か?質問したところ、今回関わった学生さんから聞いた「ネガティブな体験も思い出のひとつ」だと言った言葉にあると言います。

ジャイアントストア宮崎でアルバイトしている学生の寺原さん(左)と、奥口店長(右)

これまでの「散走」では、地域にあるマンゴーやズッキーニなど美味しいもの資源巡り体験する機会を提供してきたそうですが、規格外のモノでも大切にする…なんてことが、生産者との交流する散走で企画ができそうな気がしてきたそうです。

社会課題=ネガティブなことも思い出に残る、自転車を活用した「散走」で地域の価値が広がる…その可能性に改めて気づいた、と言われます。

自転車は健康と、喜び、人々を幸せにするツールだと、これからも奥口さんのチャレンジは続きます。宮崎の学生さんたちと一緒に、持続可能なまちづくりを育んでいただければと願っています。