
【特集】 オヤジの科学 ”レコードプレーヤーを作ろう”01 ~予習~
学研さんから発売されている「大人の科学 トイ・レコードメーカー」にはまりまくっている左大文字です。
これまで一連のnote連載で、今「レコード」が再び面白いことになっているお話を続けて書いていますが、今回からは40過ぎのオヤジだからこそできる、「実際にレコードプレーヤーを作ってしまおう!」という実験・実体験をやっていこうと思います。
いやまあ、トイ・レコードプレーヤーを組み立てた方は、一度は実際にプレーヤー(レコーダーでもあるのだが)を作ったことになるわけですが、その裏にはいろんな面白いことが隠れているので、そのあたりも解き明かしながら進めていきたいと思います。
さて、学研さんがスズキ・ユウリさんの「トイ・レコードメーカー」の案を具体化して付録キットとして作り上げるには、その前段階というものがありました。
それは「中国製の安価な部材がすでにたくさん出ている」ということです。これがないと7980円という値段ではキットが製作できず、もしかするとアイデアそのものがお蔵入りになっていたかもしれません。
実は、現在レコードプレーヤーとして出回っている製品のうち、1万円以下のものはその大半が中国製で、おなじエンジン、おなじユニットが使われています。
そのあたりの謎は、すでに
で解き明かしましたが、「CZ-800型カートリッジ+EG530モーター」で作られている中国製ユニットが大量に出回っていて、それらがそれぞれ異なるブランドで発売されているということが起きているのでした。
学研さんの「トイ・レコードメーカー」もユニットこそ独自ですが、実はまったく同じ構成の「CZ-800型カートリッジ+EG530モーター」の派生型と言えるマシンです。これらの部材が安価で出回っていることで、最低限の新設計で付録を作ることができたのだと言えるでしょう。
さて、では自作レコードプレーヤーを簡単に作ることができる、そのユニットさんを紹介しましょう。
今回入手したのは型番などありませんが、中国製レコードプレーヤーユニット、仮にA型としておきます。
私が把握しているだけで、5~7種類くらいは中国製ユニットがあるのですが、このA型は今はあまり組み込み製品になっておらず、改良型(簡易型?)が出回っています。
◆ A型 ターンテーブル20cm 78/45/33切り替えSW アーム固定具根元 自動リターン
A型の特徴は、20cmのターンテーブル、3段階回転数切り替えスイッチがついていて、トーンアームの固定具がアームの根元にあるタイプです。自動でアームが戻る機構がついています。
次に同じような型式ですが、バージョンが新しい違うユニットを紹介しましょう。
こちらをC型とします。おそらく一番新しいです。
◆C型 ターンテーブル20cm 78/45/33切り替えSW 自動OFF・SW アーム固定具先端
IONやクロスレイのユニットのほとんどはこれです。A型とよく似ていますが、違いは「速度切り替えスイッチが、↑写真の置き方で見た場合上側にあり、その下にレコードが終端に来た時に自動でオフになるスイッチがある」のと、アームレストの固定具が、根元ではなく針側にあることです。また、SWの文字が白で書かれています。
このほか、おそらく途中のデザインだと思うB型というのがあります。
◆B型 ターンテーブル20cm 自動OFF・SW 78/45/33切り替えSW アーム固定具先端
B型は、自動オフのスイッチが上側にあり、C型とは速度スイッチと場所が逆になっています。また、文字が全て黒色の刻印です。
========
実際にA/B/Cの主要な機能に違いがあるわけではないです。A型だけがレコード終端でアームを自動で戻す機構がついているようです。
3つの形のどれもが、「CZ-800型カートリッジ+EG530モーター」を採用しており、おなじ業者が作っているか、ほぼ兄弟機種だと思われます。
このほか、ターンテーブルのサイズが大きい、28センチ版というのがあります。、こちらも「CZ-800型カートリッジ+EG530モーター」はおなじで、基盤なども共通のため、同一の製造元かと思われます。
まあ、このユニットさえあれば、自作のレコードプレーヤーを作るのは簡単です。木材かなんかで台を作って、上にポンと置いてやれば、それだけでプレーヤーになるからです。この構成のいいところは、セラミックカートリッジなので、ややこしい多段アンプや、フォノイコライザーをつけなくても、ただのアンプですぐ鳴らせるところでしょう。
ユニットにはゴム足がついていて、浮かせてとりつけできるようにもなっています。ユニットによっては金属のバネ足もあるようです。
IONさんのCompactLPという旧機種では、スピーカーが載っておらず共振しないため、直付けでしたが、それ以降の機種ではスピーカーの振動をさえぎるように、浮かせた状態で取り付けされています。
一番安いものだと、価格は中国からの直送で2000円弱です。
今後の連載では、このユニットを使ったプレーヤーも作りますが、同時に「ユニットを使わずにレコードプレーヤーを作る」という試みもやる予定です。
こうご期待!