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魂に響く本 「美についての五つの瞑想」

以前も投稿の中で紹介したことがありますが、改めてのご紹介です。

気づきが多すぎて付箋がたくさん!


美についての五つの瞑想
フランソワ・チェン著 内山憲一訳

美的感性トレーナーとして活動を始めた頃に出会い、以来バイブルのように大切にしているのがこの本。

瞑想とは書いてありますが、瞑想方法の本ではなく、哲学書といった方が正しいでしょう。

「美」にまつわる過去の哲学者たちの思索や、芸術に対する考察を通して、「美の謎」に迫ります。


中国の大自然の荘厳な美しさとともに育ち、青年期には凄惨な戦場を目の当たりにしてきた著者。

まさに「美」と「醜」の両極を体験した後、フランスへ亡命。

フランスでは芸術の力に救われ、詩人、哲学者として活躍します。

この本で彼が問いかけるものの本質は、次の文章に凝縮されているように思います。

『宇宙は美しくある必要はありません。
けれども美しいのです。

このことを確認した上で考えてみると、
この世界の美は、
あらゆる災禍にもかかわらず、
同様の一つの謎であるように
思われるのです。

私たち自身の存在に対して、
美が存在するということは、
何を意味するのでしょうか?』

箱根芦ノ湖の近くにて


哲学的な問いに身を委ねると、心の内側の風景がどんどん広がっていきます。 

そしてこの文章はまた、美には対極も存在するということを忘れずにいさせてくれる、大切な内容です。

フランス語の哲学書の翻訳なので、読みやすいとは言えませんが、これからもたくさん読み返すことになるだろうと思います。

宇宙に美を見出す感性、それは普遍的な、大切な人間性のひとつ。

あなたが何かに美を感じるということは、あなた自身も美しい存在であるということ。


今日も明日も、あなたの毎日が美への気づきに満ちあふれていますように。

(以前この本を紹介した投稿はこちら)


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