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ハーバードの美意識を磨く授業オンライン版 A.I. Labsで最優秀賞を取りました

こんにちは。以前このnoteでもお知らせしましたが、私はハーバードビジネススクールで教えられていたAesthetic Intelligenceという授業のオンライン版、Aesthetic Intelligence Labs (略してA.I. Labs)に2022年1月から参加しています。

このコースは3ヶ月で1期が終わるので、先月が最終課題提出でした。

そして、なんと、私、
最優秀賞を取ってしまいました…!!

A.I. Labsのメールマガジンで世界中に知れ渡ってしまった私の顔笑 一応Fashion Consultantとして紹介されています。A.I. Labsのメルマガ登録はこちらから(英語)

このことはInstagramで先にお伝えしていましたが、noteできちんと書いていなかったので、今回改めて書いています。Instagramよりもより詳細を書ければと思います。

このコースの最終的な目標は、自分で見出した自分自身の美的感覚を、既存のブランドや自身のビジネスに適用し、プレゼンする、というものでした。

上に記載したメールマガジンの画像内の文章にも書いてあるのですが、私はフィンランドの食器ブランド Iittalaを選び、彼らのブランディングメッセージを「私らしく」表現するならば、という形で最終課題を提出しました。著作権の問題が色々あるのでここで公開はできないのですが、ムードボードやブランドメッセージの説明を4分のビデオになんとか納めました。

Iittalaを選んだのは、数ある食器ブランドの中でも確固たる地位を長年に渡って維持している強いブランドであり、学び甲斐があると思ったことと、私自身が彼らの表現する自然の形、食卓に溶け込むのに存在感があるプロダクトに、前々から感銘を受けていたからです。そんなブランドに私自身の美意識を投影するなんて恐れ多いにもほどがあるのですが、私自身が感じる自然の美しさ、「人も食べ物もすべては自然と繋がっている」というメッセージを伝えることにフォーカスし、どうやら見事それが評価されたようです。嬉しい!

美術館に行かなくても美意識は磨ける

さて、このAesthetic Intelligenceという授業の教鞭を執っていたのはPauline Brown氏。彼女は授業を本にまとめ、その日本語版は「ハーバードの美意識を磨く授業」として出版されました。

Aesthetic Intelligenceがそのまま「美意識」という言葉にあてはまるかどうかは置いておいて、たしかに自分自身の美意識と向き合う内容でした。

さて、日本において「美意識を磨く」と言うと、美容か美術の文脈で語られることが多いように感じます。ツイッターなどのソーシャルメディアで「美意識」と検索すると、美容に気を使っている(というかそれが命!みたいな)方々のアカウントが多数出てきますし、美術館に行って美しいものに触れ、自分の「思考」に活かそう、みたいな講座や本も目に付きます。

もちろんそういった文脈で個人の美意識を探究することも可能です。しかし、A.I.Labsでは美術やアート、美容に関するワークは皆無です(私が用意している美的感性トレーニングでもそういったワークはありません。)

意図的に排除しているわけでもないと思うのですが、美意識というのは個人の内側に存在するものであるからこそ、徹底的に自分の「感覚」に向き合い、それをアートのような他者が作ったものではなく、自分のアウトプットとして表現することに重きが置かれていました。この点が、私が個人的にこのプログラムに強く共感した部分でもあります。

(A.I. Labsの最初の課題について書いた記事↓)

美術館に行くこと、アートに触れることが美意識を伸ばすことにおいて間違っているわけではありません。むしろ、行けるなら行った方がいいです。ただ、美術館にあるものはすべて美しいもの、あるいは美術館にしか美しいものはない、と考えてしまうのは大きな間違いです

何かを美しいと感じる感性があるところに、美はいつでも現れます。この表現は少し分かりづらいかもしれませんが、要するに、あなたが美しいと思ったら、それは美しい何かなのです。逆に、あなたが何かを感じようとしなければ、美はその姿を現してはくれません。

たとえば美術館に行ったとして、もしあなたの感性が閉じたままだったら?誰かが美しいと言っていたから、なんとか賞を取ったから、といった理由で「おお、すごい」とは思うかもしれません。けれど、それは「他人軸」の美の基準でしかものを見れていないということです。

もしあなたの感性が存分に開花していたら、美術館に行かなくたって、朝起きて一番に触れたシーツの肌触り、目に入った窓の外の景色、鳥の鳴き声、お茶やコーヒーの香り、朝ごはんの盛り付け、家族の笑顔、あらゆるものに得も言われぬ美しさを感じ取ることができるはずなのです。それが、私が語っている「美的感性」というものです。

感性、美意識は思考ではない

美意識を磨く授業は「思考力」を高めるものではありません。◯◯シンキング・思考というものが流行っては消えを繰り返していますが、思考の前には必ず感覚が存在します。だからこそ、まずは自分についての理解を深め、感性を研ぎ澄ますことが大切です。Paulineの授業構成は、その点がさすがです。

思考と感性について、以前の記事でも書いたのですが、

なんでもかんでも思考の強化に結びつけるのも、個人的にはなんだか貧しいな、と感じています。

考えることは必要です。行動を起こす前に、段取りを取るためにも思考が不可欠です。そして、考えを止めるというのは結構難しいことだったりします。でも、考えてばっかりで、自分の思い通りに何かを動かそうとして、果たしてその結果には、なにがあるのでしょう?

本当に成し遂げたい何かがあれば、思考も行動も追いついてくるでしょう。けれど、起点は感情だと信じています。なぜそれを成し遂げたいと思うのか?それは、あれこれ考えたから生まれた理由ですか?本当は、言葉で説明できないような、心が動かされた体験があったからなのではないでしょうか。

感情の前には、五感に入ってくる刺激があります。客観的な事物があります。なにかが起きたから、感情が生まれるのです。この段階をすっ飛ばしたら、感覚も思考もなにもありません。

上手くまとめられていないかもしれませんが、私は今のビジネス界が「思考法至上主義」のように思え、めちゃくちゃ生意気なことを言えば、「だから上手く行ってないんだよ」と思えるのです。思考法ばっかり上塗りしても、あなたの感性が追いつかない限り、いつか剥がれ落ちます。

それに、ビジネスで上手くいくことが正解でもありません。生き方に、正解も不正解もありません。

ただ、どんな生き方であっても、目指す姿はあなたにとって美しい在り方だと思うのです。あなたが自信を持って、「私は美しい」と言えるようになる。そのためには、思考の前に、感性を磨いてほしい。私はそう願っています。きっと、Paulineも同じ想いでこの授業を開講し、わざわざオンラインコースまで作って世界に広めようと願ったのでしょう。

英語が得意な方は、ぜひAesthetic Intelligence Labsを訪れてみてください(今回最優秀賞を取ったので、私はこのコミュニティの生涯メンバーシップをいただきました!)

そして、このプログラムからのインスピレーションと、私個人が美術学校で学んだ感性の磨き方、会話デザイン方法を駆使し、ビジネスではなく個人の生き方・在り方に効く3ヶ月トレーニングを開発しました。お申し込み受付中です。

東京近郊の方でしたら、表参道のウェルビーイングスタジオNative Stellar Alchemyさんでの現地開催イベントにも、ぜひご参加ください。

今日も明日も、あなたの一日が美しさに満ちていますように。

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