シュレデンガーの膝
膝の靭帯を切ったと診断された私だけど
もしかしたら、本当は、
靭帯なんて切れていないんじゃないかと、思ってしまう自分がいる。
果たしてこれはポジティブシンキングなのか。
それとも、単なる現実逃避に過ぎないのか。
無理やりポジティブに捉えようとしてるわけでも、病院生活が嫌すぎるから現実逃避をしているというわけでもなく、
ただ事実として、実際に切れているところを見てないんだから確認するまでわからないじゃない。
と、本気で思っている。
なんなら、一回切れたけど驚異的な回復力の持ち主でもうくっついている可能性だってあると考えている。
それか、靭帯が切れたと思っていたけど実はそれだけじゃなくてもっと重大な何かが切れているかもしれないとも思っている。
私の膝は今、
怪我をしているいう状態と
怪我をしていない状態とが、
重なり合っている。
まさに私の膝はシュレディンガーの膝なのだ。
元ネタ「シュレディンガーの猫」がどういう経緯でどうなったのか詳しいことは全くわからない。量子力学が何なのかすらもわからない。
だから捉え方が合っているかなんて皆目見当もつかない。
けどまぁ、自分の体で起こってるかもしれないいろんな可能性をちょっとインテリを気取って面白がったって良いでしょう。
今私は量子力学を体感している。
どんだけ考えてもその後悔の念で靭帯をつなげることはできないことは私にもわかる。時を戻せないタイプだっていうのもこの前知った。
私靭帯繋がってる可能性はないですか?
って試しにリハビリの先生に言ったら、膝こねくり回してうん、ちゃんと靱帯損傷してるねって言われたけど
それでも開けてみるまでわからないと思う私の楽観主義をどうか優しく温かい目で見守ってください。
そんなわけで今、
iPhoneの充電器みたいに点滴を指して手術の時間を待っています。
充電中のiPhoneってこんなに不自由で違和感あったんか。
そう言えば私はスマホをよく落とし、よく画面を割っていた。
もしかしてこれはずっとスマホを落とし、割ってきた私への報復なのかもしれないなぁ。
これからはもっとものと自分を大事にしよう。
さぁもうすぐ手術です。
私の膝が開かれ、事実がやっとわかる。
私はまだ自分の膝がなんともないことを信じています。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?