草ぼーぼーも時には大事だと知った話
綿を収穫する話をこの間書いたけれども、綿は、草ぼーぼーの中で頑張っている。
実は、綿を植えた土地は、若干、家から離れている。家人が除草剤まくじぇ、というので、「待て待て、ちょっと何か植えてみようよ」と、植えてみたんである。
ただ、問題が一つ。水の供給が難しい。家からえっちらおっちら、バケツに入れて運ぶしかない。目と鼻の先に見えているが、遠回りしないとたどり着けない。何かと難儀な場所なんである。
綿を選んだ理由の一つは、これ。綿なら水もそれほど必要なさそうだったから。毎日朝晩水がいるような植物は、とてもではないが、世話しきれない。
成長途中は、それなりに水がいる、ということなので、途中、何度か水やりはした。もっとも、全部でせいぜい5、6回程度。今年は、春から夏の初めにかけて、雨が多かったから、助かった。
そして盛夏以降、ほぼ放置になった。暑すぎ~る。草も引かず、水もやらず。それに、途中、足の指を少々負傷してしまった。余計に足は、遠のいた。
雨の降らない日が、かなり続いたので、もう枯れてしまったかもしれない、と思った。
ある日、「とはいえ、ちと様子を見ねばいかんか」と出かけて行った。見事に草ぼーぼー。辺り一面草だらけ。そして、綿は・・・綿は、草の間からにょきにょきと顔を出し、特に困ってもいないようだった。若干日照を得るには、背伸びしないと、といった風情はあったにせよ。
綿が枯れていなかったことに、ほっとしながら、草刈り&草引きをしかけて、気がついた。
2週間以上も雨が降っていないはずなのに、地面が、いい具合にしっとりとしている。
そして、1時間余り格闘するうちに、不安になった。
「今草を刈ると、乾燥してしまうのでは・・・?」
不安は、的中した。二、三日後、様子を見に行ったら、草を排除した辺りだけが酷く乾燥が進んでいた。
慌てて水をやった。
綿も雑草たちも、お互いライバル同士ではあるのだが、同時に、支え合ってもいたわけだ。お互い茂っているものだから、地表からの水分蒸発を抑えられる。かてて加えて、この土地は、粘土質。良くも悪くも保水力が高い。
程なくして草は、また元気に生い茂り、時折降る雨で水分を確保しながら、綿は無事花を咲かせ、綿花が実った。
草も時には大事なのだと思った次第。まあ、体裁は悪いけど。それに、多分、品質的な何かを求めるなら、こんなぐ~たらなやり方は、ダメダメだろうとも思う。
さて、来年はどうしようかなあ。
(ちょっと垂れ中。放置するともっともっと垂れる)
(おわり)