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部長って何だ!(丹羽宇一郎[著])
今年(2020年)の1月から、所属している法律事務所のパートナー弁護士という立場で仕事をしています。
格好良く言えば、法律事務所の経営者の一員ということなのですが、特に何かの権限が与えられたというわけでもなく、アソシエイトとほとんど変わりありません。
それでも、単に案件を処理するだけではなく、事務所全体のことを考えようと努めてきましたが、「事務所全体のことを考える」とは何をすることなのかと、模索しながら過ごしてきた1年間でした。
果たして今後何をすべきなのだろうと悩んでいる中、本屋で見つけたのが丹羽宇一郎氏の「部長って何だ!」でした。
私の立場は、新人にちょっと毛が生えた程度のものなのですが、非常に参考になりましたのでご紹介します。
1 部長の最大の仕事は事業の推進と人材の育成
まず、この本を読んでいて、一番ハッとした記載は、
部長の最大の仕事は事業の推進と人材の育成です。(56ページ)
実際、私は部長時代にいったい何を考え、何をしてきたのか。
この機会に当時の日記や書類を引っ張り出して目を通してみました。
唖然としました。課長時代はもちろんのこと、部長時代も自分の担当部署以外のことをほとんど何も考えていないじゃないですか。(175ページ)
というものでした。
輝かしい実績をお持ちの丹羽氏ですら、自分の担当以外のことは考えていなかったというのは、まさに目から鱗が落ちる思いでした。
丹羽氏が所属していた伊藤忠と私の事務所とでは、規模が全く異なりますので、事情はやや異なるのかもしれませんが、まずは、私も現在担当している事業の推進と、指導をしている後輩弁護士の指導に集中しようと決意しました。
2 丹羽氏がいう事業の推進
丹羽氏は、社長であったころに、伊藤忠商事の史上最高益(当時)を記録させたほどの人物です。
丹羽氏は、若いころから
・仕事が多忙を極める中、自分の専門のみならず、経済・社会関係を中心に週三冊のペースで読書をする
・重要な情報や専門知識を相手よりも早くたくさん持つよう、若いころから心掛け、取引先のトップからも一目置かれる
・その結果、業界誌への寄稿や連載、講演や会議、ラジオにも呼ばれるようになる
・課長のころに会社を巻き込んで「特別奨励金制度」を創り出す
などの取り組み(私の仕事でつかえそうな内容を引用しました。)をしており、丹羽氏が言う「事業の推進」は、非常に高いレベルで行われています。
丹羽氏と同じことをするのは不可能に思えますが、少しでも近いことが行えるよう、専門知識の深め、現在担当し、あるいは今後担当する事業を力強く推進していきたいと思いました。
また、丹羽氏を見習って、後輩が積極的にやりがいを持って仕事に取り組めるよう、人材の育成にも力を注ぎたいと思いました。
3 まとめ
パートナーとして何をすべきなのか日々思索していますが、今後為すべきことを考えるうえで、大きな手掛かりを得られる一冊でした。
悩んだ折に、また読み返してみようと思います。
興味をお持ちいただいた皆様も、ぜひご一読ください。
今回は以上です。
記事をご覧いただきありがとうございました。