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草刈りの極意

 農家(に限らず田舎に土地を持っている人はみんな)の1年間の仕事は、草刈りに始まり草刈りに終わります。また、移住者が田舎になじめるか否かも草刈りをちゃんとするかどうかで決まる!(と勝手に思ってます)
 今回は草刈りのお話を。

なんで草刈りするの?

 田舎では草刈りをとても大切にしているのですが、都会に住む人は、なぜなのかわからないと思います。
 農家にとっては草刈りをするのは雑草の種を落とさないためとか、作物を食べる害虫を増やさないために必要なのですが、農業をしていない人にとっては、家の周りにマムシやムカデなどを住まわさないために必要な作業です。 
 また、長期的に見ると草を刈らないでいると次はそこに木が生えて、最終的に(割と早く)土地は山になってしまいます。田舎に住む人はみんなで協力して、集落が山に還らないよう頑張っているとも言えます。なので、移住者が草刈りをちゃんとすると喜ばれます。

 最近は草刈りを重視しない集落もあるので、草刈りしたくない移住希望者はそういう地域を選ぶという手もあります。ただ、草刈りを重視する地域は見た目がとてもきれいでなので、集落に入った瞬間に「きれい」と感じることでしょう。(昔から住んでいる方は皆草刈りを重視しているのですが、近年は高齢化や過疎化によりできなくなっていることもあります。)

田んぼのあぜの草刈りはカメムシよけのために

草刈りの準備

 さて、草刈りをはじめます。家の周りの狭い範囲なら鎌や手でする方法もありますが、田舎の家はだいたい広い土地や田畑がついており、手では追いつきません。草刈り機を使うのが一般的です。草刈りの刃は、今はだいたいチップソーとコード(ひも)の2種類を場所に合わせて付け替えて使います。(とはいえ、付け替えずそれぞれ1台ずつ持っている家がほとんどです。近所の人は5台持っている(⁉)と言っていました。刃はハサミ状、ワイヤーブラシ状のものもあります。)
 草刈り機使用は危険を伴いますので、フェイスガードやゴーグル、エプロン、軍手、長靴など、服装を整えましょう。

草刈り機を使う方法

 初めて草刈り機を使う人はコード(ひも)タイプがどちらかというと安全です。慣れている人も、鹿よけネットや柵のそばはコードタイプの草刈り機で刈ります。チップソーではネットや柵にからまったり金網を切ってしまったりするからです。ただ、成長しすぎた草は固いので、チップソーの方がよく切れます。春一番、5月ごろの草刈りは草が柔らかくてやりやすいのですが、だんだんと草刈りが大変になっていきます。収穫後11月ぐらいに最後の草刈りをしておくと、次の春に草刈りがしやすいです。

 草刈りを始める前に、大きな石がないか、刃に絡まるものがないか下見をします。草刈りは基本的に右から左へ機械を振りながら刈ります。法面(のりめん)といって、田畑のふちの斜面を刈るばあいは下から順に刈ります。上段に登って刈る場合は草刈り機を持って落ちると危ないので、なるべく下から上に向かってたくさん刈っておきます。(最近の草刈り機は落っこちるなどして手を離すと刃が止まるようになってはいますが)

 草刈り機使用中は石をはじいたりするので、特に刃の回転方向である左に人や車、車道、壊したくないものがないか確認しながら行います。集落総出の草刈りのときなどは隣の人と十分な距離を取りながら行いましょう。

右の斜面が「法面(のりめん)」。法的には上段の人の土地ですが、草刈りなどの管理はそれぞれで習慣的にされているので、どうしたらよいか聞いてみましょう。

 刈った草は集めて燃やす人もいますが、危険ですので集めるだけにします。ひもの刃で刈ればこまぎれになるので集めなくても大丈夫です。

草刈り機を買う

 草刈り機は農協、農機具屋さん、森林組合、ホームセンター等で買うことができます。お店の人に相談しながら自分に合うものを買いましょう。持ち手の形、女性なら軽いもの、燃料を入れるタイプ、充電式のものなどいろいろあります。

 燃料式ならば燃料を買う必要があります。混合燃料といって、オイルとガソリンを混合したものをガソリンスタンドで買うことができます。農家さんは草刈り機以外に耕うん機なども使いますので、ガソリンとオイルを別々に買って自分で混合する人も多いです。自分で混合してみたかったら、近所の人に聞いたりして安全に混合しましょう。
 充電式の場合はバッテリーが何分もつのかを重視します。15分や30分で切れるようではちょっと不便です。また、替えのバッテリーも必要でしょう。夏でもエンジンが熱くないのは良いところです。
(古民家を買うと、納屋に草刈り機を置いていってくれていることもありますよ。その場合古いタイプかもしれませんが。)


刈払い機講習会に参加できるとより安全です

最後に

 いろいろと難しそうなことを書いてしまいましたが、草刈りはやれば綺麗になるので気持ちがよく、「草刈り、結構好き」という人が多いです。夏場はよく伸びるので、二週に一度は草刈りをすることになりますが、熱中症にくれぐれも気を付けて、早朝か夕方にやる、空調服を着る、こまめに水分補給や休憩をするなどしてください。
 わからないことがでてきたら、近所の人に聞いてください。田舎の人は頼ると親切に教えてくれ、仲良くなれますよ。考えすぎず、まずは「レッツ トライ!!」



 

 

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