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連載:プロジェクトのリーダー&サブリーダーに聞く 02
〜松本国宝の架け橋プロジェクト編〜
『◯◯◯ Magazine』では前回から、
三の丸エリアプラットフォーム(以下、◯◯◯AP)の支援のもと
2023年度の各プロジェクトを牽引してきた、
リーダー&サブリーダーのインタビュー記事連載をスタートした。
今回お話をうかがったのは、プロジェクトのなかで唯一、
2年間常設の拠点場を施工・設置するという思い切った展開をしたこちらのエリアだ。
松本国宝の架け橋プロジェクト
<主な活動場所:鷹匠町・北馬場界隈
松本市が誇る2つの国宝「松本城天守」と「旧開智学校」の間に位置する界隈
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<2023年度の主な取組
常設の施設「タカノバ」の設置および企画運営(詳細はこちら)
![](https://assets.st-note.com/img/1712658294662-jcmRLEyTDj.jpg?width=1200)
Q)2023年度のふりかえり
荒井さんはプロジェクトリーダーとして企画などのソフト面も担いつつ、建築家としてハードの設計・施工に携わるなど八面六臂のご活躍ですが、これまで◯◯◯APと行ってきた社会実験を振り返り、いかがでしたか?
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一級建築士。1987年より「HAL設計室」を主宰
何か新しいことをスタートさせることは、とんでもなく大変だと実感した1年でした。我々の場合は特に、建物を新設し、そこを拠点に地域活動と新たなビジネスを起こすという、まったく未知の世界に漕ぎ出したのでなおさらです(苦笑)。
2023年度は”施設を成立させる”ということ自体に終始してしまった印象もあり、運営に関してはまだまだ実験段階を脱し切れてません。
ですが、タカノバの存在が徐々に一般に浸透してきたこともあり、人気店も出始めてちょっとだけホッとしています。
学生とのつながりも少しずつできてきたので、次年度は新しい取組も展開できそうです。
古田さんは町会長というお立場でしたから、これまで界隈での生活にまつわるあらゆることを主体的に行われてきたと思いますが、今回◯◯◯APと行ってきた社会実験には、また違ったご苦労があったのではないでしょうか?
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松本市・沢村町会の前町会長
そうですね。わたしたちの界隈はほとんど住宅街なので、昼は働きに出ている人が多く、この地でご商売をしている人はほとんどいません。「タカノバ」の運営メンバーも、会社員だったり公務員だったりして、販売や店舗運営に関わった経験のある人がまずいない。ノウハウが極端に少ないなかで、四苦八苦してきたという感じです。
とはいえ手探りでもいろいろなことが実際に進んでいくなかで、何となく道筋が見えきたところでもあります。
例えば商業的なことでいうと、秋に行ったブドウの販売なんかはよかったなと。界隈にお店が少ないなかで、ご近所の人からも「近くで新鮮な果物が買えるのがうれしい」と言ってもらえた。
そんなふうにやっとはずみがついてきて、「タカノバ」」がおもしろくなってきています。これから観光客が増える季節になるので、また新たな展開もあるかなと期待してますね。
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Q)「タカノバ」には日替わり・週替わりの飲食店もあって、いつ行っても違う楽しみがあります。ところで、お2人とも食にまつわる趣味がおありだとか。
荒)こう言うとなんだか高尚ぶってるみたいでイヤなんですが(苦笑)、僕はワインとクラシック音楽がもっぱらの楽しみ。ワインは特にフランスのものが好きで、20年以上大切に寝かせてあるボトルも何本かあります。
クラシックに関しては、学生の頃はコーラス部でしたので、第九も歌いましたし、今でも暗譜していますが、今は”聴く”が専門。特にコンサートに行くのが幸せです。
古)僕にとっても食は興味の中心ですが、もっぱら作る方です。育った家があまり外食をしないところだったので、自分で工夫してつくり始めたのがスタートですが、ずっと野菜も育てているので、本当に1から全部つくる。収穫したミニトマトを干し、オレガノとかバジルを摘んできてソースにしたり。
荒)僕も瓶詰めをいただきましたが、これが本当に美味い。
古)自然農法で育ててますからね。ルッコラを添えてパスタにしたりピザにしたり。自分で燻製にしたソーセージとかも添えて。蕎麦打ちもやります。
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荒)こうなったら、「タカノバ」に演奏家を呼んできて、クラシック音楽とワインと古田さんの料理を楽しむ会をやりたいですねえ。
古)じゃあその時は荒井さんに歌ってもらいますか。
荒)いやいや……一人で歌うのは絶対無理。カラオケとかもダメなんですよね。音楽は聴くのが一番(笑)。
「タカノバ」は常設なだけに、季節ごとの楽しい催しやみなさんの交流の場としての活かし方も広がりそうですね。ワインと手料理の夕べ、ぜひ参加させてくださ~い。
社会実験写真撮影:古厩 志帆、平林岳志 その他の写真/文責:◯◯◯ap Magazine編集部