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「恋二夜」&「妬いてるの」#青ブラ文学部



「お社の一番大きな銀杏の樹の陰で待ってるよ」
貴方が言った。
「でも、お祭りの花火が怖いから」
人混みや花火の音が苦手な私は尻込みをした。

「じゃあ、お散歩しよう」
「お散歩?」
「うん」
「手を繋いでくれる?」
「いいよ」
「待ってて、必ず行くから、待っててね」
「大丈夫、待ってるから」

私は急いで和箪笥の中から、藍の浴衣を取り出した。ろうけつ染めの黄色い蝶が銀河の中で穏やかに微笑んでいる。
「蝶が笑うの?」
私の頬も思わず緩んだ。
『いってらっしゃい、楽しんで』
黄色の蝶は、私の逢瀬を後押ししてくれるかのように銀河の中をひらひらと舞い続ける。
帯は燃える心の紅の色、桐の下駄の鼻緒とお揃い。
でも、こんな時に限って着付けが上手に決まらない。

「あ〜、時間がないわ。急がなくちゃ、あの人が待っててくれる」

髪を結っている暇はなかった。長い髪をポニーテールに縛っただけで玄関から飛び出した。
表通りはお祭りに向かう人の群れ。その隙間をぬうように私は足早に歩いてる。

カラコロカラと下駄が鳴る。
カラコロカラと貴方の元へ私を近づけてくれる。

神社の境内へ上るには古い石畳の長い階段を上らなければならなかった。

「待ってて」

カラ、コロ…カラ…

必死に上ろうとするのだけれど、慣れない下駄の鼻緒が足に食い込んで、ちっとも前に進めない。

「ねぇ、待っててね」

焦る私の足の下で、ぐにゃりと階段が歪んで曲がった。

「えっ?!お散歩するのにっ!ねぇ、あと少し、あと少しで逢え…」

柔らかく大きく弧を描くようにぐにゃぐにゃと曲がっていく階段に私は闇の中へ突き落とされた。



目覚めると枕が涙で濡れていた。

おはようございます。
夢見が悪いsanngoです。
「ちっ(泣)」


#挨拶文を楽しもう
#なんのはなしですか



【妬いてるの】「超掌編小説」


ガサゴソとした物音で、浅い眠りから目を覚ますとまだ深夜だった。音がする先を眠い目を凝らして見つめると、常夜灯の微かな灯の下で、私のスマホを必死に弄る男が居た。
その曲がった背中が無性に醜くく感じられた。

「何してるの!?」


自分でも驚くような悲鳴に近い声が出た。
醜い背中がビクリと動いて、薄ら笑いを浮かべた顔が此方を向いた。

それと同時に二人一緒に叫んでいた。


男「疑ってるの!!」

私「妬いてるの?!」


一瞬にして男の顔が薄ら笑いから、悲しみを称えた表情へと変化した。

男「やっぱり…」







ダメじゃん、私。
自分から白状しちゃ。

薄暗がりに大きな両の手が、私の首元へ近付いてくるのが見えたような気がした。

って、あなたって、いったい誰?



山根あきらさんの企画に参加させて頂きます。
よろしくお願いします。


夢見が悪くても、どんとこい!
米が無くても、どんとこい!
野菜が高くも、どんとこい!
玉子も上がるぞ、どんとこい!


書いてる文章の割りには、とってもご機嫌な朝(笑) 
さてさて、さてっと!
ご飯炊こっ♪(希少価値だぞ!コンセント、コンセント 笑)

じゃぬん♪








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