「日記」防犯カメラ
昨夜のお客様、建設会社のN会長は御年82歳!
でも現役バリバリで酒も強いし、彼女が二人もいらっしゃる(笑)
(一回り歳下の美人な奥様を数年前に癌で亡くされているから、不倫ではない。どうでもいいけど念のため 笑)
そのN会長が、どうも普段の元気がない。
「もう来られないかもしれないから…」
なんて寂しいことを呟いている。
「どうしたの?」
と訊ねる私達に話し好きの御大、べらべらと喋り始めた。
「ココ!ココに7センチ2ミリの大動脈瘤出来ちゃってさ~、手術するの、今月!あ、とりあえず生ビールね」(心臓を指差して言う)
ちょ、ちょ、ちょっと待て〜い!
そんな死ぬかもしれない人に酒が売れるか!!
私「やめときなよ、トマトジュースでも出そうか?」
N会長「sanngo、最期の酒かもしれないのに、俺に飲ませない気か?」
と怒ったふりをする。
昔は相当ないい男だったんだろうな…と思わせるルックスは未だに若々しい。ファッションもパーカーのついたダウンベストとトレーナーを黒で統一してお洒落だ。
ミユ「あれ?百まで生きるんじゃなかったっけ?大丈夫だよ、会長は死にゃ〜しないよ~、ケラケラ(笑)」
N会長「そうかな?」
ミユ「あっちの世界の人がまだ早い!って嫌がるって(笑)」
私「それもそうだね~、じゃあ一杯だけだよ」
N「お前らも付き合うよな」
私達「当たり前じゃん」
お付きの若者と私達の分も含めて4杯の生ビールをカウンターに置いた。
N会長「大動脈瘤は取っちゃえば治るけどさ、先日、ひでぇ~目に合ってさ。アタマきちゃった」
私「何?何?」
いつも私は小説のネタを私生活から探そうとアンテナを張り巡らしている(仕事中だ!)長い付き合いのこの会長も、お人好しで年中ヤラかしてるから私の格好のネタになっている。お金も遣ってもらう上にネタにして誠に申し訳ない(苦笑)
N会長「スーパーで置き引きにあったの」
私達「うんうん、それで」
sanngo心の声(なんだ…「置き引き」か〜。地味で、小説のネタにはなりそうにないな)
N会長「75万取られた!」
ミユ「はぁ~?、スーパーにそんなに持って行くのが悪いよ」
N「まぁ、聞けよ。家のネコちゃんにあげるシラスがなかったな~って仕事帰りにスーパーに寄ったの」
N会長は大のネコ好きでも知られる。今は脳梗塞を患ったネコを猫可愛がりしている(笑)
N「色々買ってさ、レジで勘定済ませて、袋に詰めてカートのまま車に向かったんだよ」
sanngo心の声(普通じゃん、つまんない)
N「で、途中でバッグ持ってない事に気付いて慌てて引き換えしたの」
ミユ「バッカじゃない!」
私「マジで?」
sanngo心の声(元気には見えるが遂にボケたか?)
N「俺がいつも持ってるセカンドバッグあるだろ?あれが袋詰める所にあったから、良かったな~って」
ミユ「あれ?じゃあ、無事じゃん」
N「中身だけなかった!抜き取られた。1、2分の間に」
ミユ「ひゅ〜、やるねー!」
N「スーパーの防犯カメラを警察と一緒に見せてもらったの」
私「じゃあ、犯人捕まったの?」
N「それがさ、スーパーの防犯カメラって、商品売り場とレジしか向いてないんだよ。買った後の袋詰めする所には一個も向いていないんだな~。」
sanngo心の声(これ!!使えるかもしれない!)
私「なるほどね、お金払ったから、スーパー自体の被害はもうないから、いい訳だ」
N「そう!あんなに防犯カメラあるのにさ~、75万丸々掴んで逃げられた」
私「まぁまぁ、血圧上がるから」
もう一人居たカウンターの若きM社長
「高いシラスになりましたね~、75万分全部、シラス買っちぇば良かったね」
N会長「まったくだ!!(笑)」
夜は穏やかに過ぎていく…
全てのスーパーに適応されるとは限りません。良い子は決して真似しないでください。
計画は慎重に(おい!)
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