「戯れ言」ラムネの音を聞いている〜恋がサメルとき〜#シロクマ文芸部
ラムネの音を聞いている。
ボンッて押された蓋が、炭酸をシュワシュワさせてビー玉を瓶の底へ運んでいく。
蒼い空に紫陽花柄の浴衣にラムネは似合うけど、今日のような豪雨の日には似合ない。
遠い遠い日のラムネの音を聞いている。
ビー玉が堕ちてイク音を聞いている……
雨が酷くて、何かをする気になれない、何かをする気が起きない。
骨折した後って、本当に「天気予報」になるんだね。昨日、あんなに痛かった左足が降り出してからは、なんでもなくなった。
何かしたくないから、寝転んで文字をイタズラに綴ってる。
こんな日があってもいいよね。
暑い日が続いていたから、アイスだった珈琲を今日は久しぶりにホットにした。
のんびりし過ぎてて、冷めていく…
堕ちたビー玉の行方を追ってみる。
恋は醒める?覚める?冷める?
発火装置に火が付いて、燃え盛っていたはずの脳みそが静かに温度を平熱に戻していくんだから、冷める?
脳が見せる幻影だから、見えなくなったら夢のように覚める?
恋って酔いしれるものだから、酔いから醒めるように醒める?
あぁ、どうでもいいね、そんなコト。
ラムネって今はペットボトルよね?
ビー玉は?ビー玉は何処に居るの?
あの日、縁日の屋台で買ったラムネがホンモノの私のラムネ。
水色のプールの中を鮮やかに泳ぐ金魚の群れを透かして見た夢。
雨はまだ止みそうにない。
小牧幸助さんの企画に参加させて頂きます。
よろしくお願いします。