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愛する人を喪った人へ贈る恋文


三羽さんの今年最後の企画に参加させてくださいね。



あなたへ

命は、いつかきっと必ず絶対に尽きます。

心を奪われるほど恋焦がれたあの人も、
無償の愛を捧げた子どもも、
愛し愛された両親も、
共に学び舎で学んだ友人も、
憧れ続けたあの人も、
家族だったペットも
……
この地上で貴方が愛した「命」ある全てのものに、絶対に「死」は訪れます。

貴方が先に逝くか、その人達が先に逝くか、そのどちらかしかありません。

十三年前、私の主人はくも膜下出血で倒れました。
先進医療によって一命は取り留めたものの、私の愛する人はまるで別の生き物のようになって、私の元へ帰ってきました。
その時、初めて遷延性意識障害と言う言葉を耳にしました。
主人は食べることも、動くことも、考えることも、話すことも、見ることも…人間としての機能の殆どを失いました。
それでも愛しかったです。

今だから正直にお話すると、私の友人達は諦めて離婚をするように勧めました。病院の医師でさえも。

でも、それでも愛しぬきました。
たった七年半ですが、私を成長させてくれた七年半でした。
主人は、それに身体で応えるように最期はガリガリに痩せ細り、全ての臓器が動かなくなって亡くなりました。壮絶な最期を私は一人で見守り、送り出しました。
最期に掛けた言葉は、やっぱり私が大好きな
「ありがとう」
でした。

人は死ぬのです。
どんなに尽くしても、どんなに愛しても、奇跡が起きないことの方が多いんです。

でもね、いつか、きっと立ち直れる日が来ます。
その日まで、ずっとずっと覚えていてあげてくださいね。
愛した人のことを…
そうしたら、あなたの心の中で生き続けているから。
身体は無くなっても、魂はずっと寄り添っていてくれると私は信じています。
愛した人が泣かないような生き方が、今にきっと出来るようになると思います。

それまでは、泣いていてください。
泣いていいんです!悲しいんだから。
無理して元気なんか出さないで。
寂しい時に寂しいと言えるあなたで居てください。
休めるものなら、仕事も休んで「心の休養」をとってください。

いつか必ず、ふわっと自分にかえれる日が、訪れます。
それまでは悲しんでいてあげて。
辛いけど共存していてあげて。
向こうから「もう、いいよ。ありがとう」って、きっと言ってくれるから。

愛した人が笑って見守れる貴方に戻れる日が、来ることを祈っています。


sanngo









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