算命学余話 #G88 「誰に認められたいか」/バックナンバー
ドストエフスキーは長編小説『未成年』の中で登場人物に、「その人の笑顔を見れば、心根の真っ直ぐな人間か歪んだ人間かが判る」というような台詞を語らせています。私はドストエフスキーの愛読者ではありますが、その作品群を読み始めたのは二十歳を過ぎてからですし、知名度の低い『未成年』に至っては二十代後半が初読でした。しかし当時は全体的に難解な印象で、会話の細部にも着目せずに読み飛ばしていたようです。いま再読して、この台詞を初めて見る思いで瞠目しています。なぜなら『未成年』の初読より前の