あの日あの時。わたしの音だけがホール中に鳴り響いて、時が止まった。
SpotifyのBGMプレイリストから、『魔女の宅急便メドレー』が流れてきた。心地よいリズムに、つい音階を口ずさむ。相変わらずわたしは「歌えない曲は、演奏できないんだよ」の教えをわりと信じている。
大学時代。地方の国立大学にある、小さな小さな吹奏楽部に入っていた。楽器は、母から譲り受けたクラリネット。毎年冬に開催されるコンサートで、そのクラリネットパートは暗黙の了解のように毎年ジブリメドレーを演奏していた。
わたしが初めて参加したその年、パートリーダーの先輩が持ってきたそ