生薬解説シリーズ 鹿茸(ろくじょう)
サンコー薬局 羅漢店の宮崎恭治です。
引き続き生薬解説をシリーズです。
今回は鹿茸の解説です。
鹿茸とは鹿の角の幼角(成長しきっていない角)です。
ちなみの成長した角は鹿角といいます。
そして鹿茸の方か効果が高く価格も高いです。
まず、鹿茸を詳しく解説するのに欠かせない[腎]の説明をします。
東洋医学では[腎]を単に腎臓とは見なさずに、内分泌系、生殖器系、免疫系などを含めた生命の源と考え、精力とも一体のものとしてとらえます。
心身両面のバイタリティと考えると近いと思います。
人間の一生は、この[腎]の盛衰(盛り上がり、衰え)です。
気力・筋力・性的能力などは30歳前後のピークに向かって上り詰め、後は徐々に衰えていくのです。加齢とともに訪れる[腎]の衰えは仕方のないものです。
しかし、腎を補えば、この曲線をなだらかにすることは十分に可能です。
その腎の働きを補う[補腎]作用がある代表格が鹿茸です。
つまり、現代的に言えば人間のバイタリティを補う生薬が【鹿茸】(ろくじょう)です。