『夏葉社日記』※ネタバレあり
責任について
秋峰善さんが島田潤一郎さんの夏葉社で働いた半年を綴った『夏葉社日記』。ぐいぐい引き込まれて、丁寧に読んだつもりだけど、あっという間に読み終わってしまった。
島田潤一郎さんへのラブレターからはじまる『夏葉社日記』は、エッセイのようで日記のようで実はラブレターであることが読後に分かる。いや、途中でもわかるか。
島田さんから秋さんへ。たくさんの言葉が伝えられている。印象深い言葉ばかりが並ぶ。ひとつひとつに触れて、書いていきたいくらいだけど、今日はひとつピックアップさせてもらいたい。
島田さんの読書へのスタンスに関する、秋さんの考察。島田さんは読者に対して真摯でいたいから苦手な長編小説なども読んでいるという。
島田さんも秋さんも、そしてボクも例に漏れず、幼い頃から読書漬けだったわけではない。後発組という共通点がある。
ライターとして、ボクはそこを引け目に感じていた。だからこそ、スポーツライターになる前の半年間、200冊を目標に手当たり次第に本を読みまくった。
それが奏功する前にデビューできたけど、目標達成に向けた歩みは止めなかった。達成した200冊が今に生きているかは分からない。でも、読んで良かったとは思っている。
島田さんは常に読者のことを考えている。読書も読者のためという側面もあると見るのが秋さん。
ボクも新聞を端から端まで読んだり、地元のローカル局の情報番組を全て見たり、プラスして雑誌を読んだり、スーパーに買い物に行っては商品が頻繁に入れ替わるドリンクコーナーでリサーチしている。
島田さんのように、それは日々向き合うパートナーさんのためだ(お客さん、クライアントって嫌いなんです。フラットな感じがしないから)。誠実であろうとすればするほど、努力とは感じないけども必要なモノだと思っている。
島田さんが昼食後の30分を読書時間に充てるように、ボクは早朝の1時間を新聞を読む時間にしている。もちろん少しで長く寝ていたいとも思うが、一方で少しでもパートナーさんのためにできることがあればやりたいとも思う。
他人は関係ないのだ。自己満足でも構わない。報われなくてもいい。誠実であろうという気持ちがボクは大切だと思っている。だから続けられている。
好きな島田潤一郎さんも同じようなことをしている。本を読んで自己肯定感が得られると、たまらなく嬉しい。好きな人が同じようなことをしていることが嬉しいというよりも、自分と同じ感覚で日々を過ごしている人がいることに勇気づけられる。
だって、ボクがやっていることは自己満足でもあるからだ。そう思うと気持ちが暗くなるが、場所は違えと同じようなことをしている人がいるってだけで励みになる。
それを伝えてくれた秋さんには感謝。また、秋さんにそう思わせた島田潤一郎さんにも感謝。来週、イベントで島田潤一郎さんが新潟にいらっしゃる。とても楽しみだ。ずっとお会いしたいと思っていたから。
その時を楽しみに。来週も自分らしく歩んでいきたい。
おもいのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう。