そんな雑草にわたしもなりたい

今日も俺が草刈だについて

夏ような強い日差しが降り注いだかと思えば、翌日には雨がざあざあと大地を潤す。義父が営む家庭菜園の野菜は、すくすくと育っている。収穫された新鮮な無農薬野菜が届くのがたのしみだ。

成長するのは野菜ばかりではない。つい最近抜いたばかりの雑草が、もう顔を出し始めている。「農業とは雑草との格闘の日々である」。そんな哲学的なコトバを耳にしたことがあるけど、まさにその通りだった。

ぼうぼうになる前に抜いてやろうと、ペンをカマに持ち替えて「俺が草刈だ!」と鼻息荒く挑んだ。雑草を抜くようになってはじめて気が付いたけど、早めに芽を摘もうとすると雑草が短いため、なかなか思うように引っこ抜けないのだ。

摘んだつもりでも、まさにつもりだけ。根っこが残っているから、すぐに生えてきてしまう。「あそこはこの前抜いたばかりなのに……」。雑草の繁殖力と生命力には驚くばかりだ。

雑草と格闘するうちに、嗚呼わたしもこんなふうに地に根を張りたい、と不思議な感覚を覚えた。郷土の偉人である相田みつを先生のような境地に達した。

踏まれても刈られても地に根を張っていれば

と同時に、今回のスポーツグラフィックナンバーが野球特集で、雑草魂こと上原浩治さんも登場していたので、ふいに頭に浮かんできた。

アマチュアまでは非エリート。プロになってからは伝統ある球団でエースを務め、海を渡ってからは紆余曲折がありながらも、ボクが好きなレッドソックスの胴上げ投手になった。

調整法が独特でそれが常識から外れていたために批判されたり、一般的な枠から外れたことをしても意に介さず。さまざまな声を結果でねじ伏せてきた。地中の奥深いところまで根を張っていたからこそ、厳しい声が飛んできて心が揺れることもあっただろうけど、根という信念が残っていたので自分を見失うことはなかったのではないだろうか。

踏まれても、刈り取られても、それでも這い上がってこられた理由が分かったような気がした。いかに自分を信じ、自分の考えを大切にして、人生を歩んで行けるか。地にしっかりと根を張る。土にまみれながら、その重要さを教わった。

外圧に気持ちがざわざわし、心が落ち着かない今の時期だからこそ、自分を大切にしたい。自分を貴重品のように扱えば、自分は強くなるので。

おもいのままに。続けます。今日も呼吸ができた。ありがとう!

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