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チゲが食いたい。

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今日はチゲとか、酸辣湯とか、そういう気分だった。暑い時こそ辛いものを。体がスパイシーを求めている。


だがしかし。

夫は言う。
「パパはうどんと親子丼のセットにするよ!そしたら子供たちにあげられるし。」

そう。我々子育て中の身は、外食といえど好きなものを食べられるわけではない。

もちろん子どもたち用にそれぞれ好きなものを頼む。だけど必ず「もっと食べたい」とか「そっちがいい」とか色々言い出すのが常。子どもが3人もいればなおさら。

それを見越して夫はうどんと親子丼という無難なセレクトにしたわけだ。


久しぶりに外食に来たのにうどんと親子丼。家でも作れるやつ……!!そうじゃなくて、私はチゲが食べたい。家では作れないシビからが欲しい。


乙女心ならぬ、母心がゆらゆら揺れる。


たぶんここでの最的確は
「じゃあママはマヨコーンピザと、スパゲッティミートソースにするね!そしたらみんなで色々食べられるね♡」だ。


チゲが食いてぇ。


マヨコーンピザとスパゲッティミートソースも、家で作れるやつ。でもここで私が「チゲ鍋1人前!」って頼んだらどうだろう。


夫は自分の分をほとんど子どもたちに分け与え、子どもたちが残した枝豆と優しい味付けのやわらかいうどんと親子のいなくなった丼を食べることになるだろう。

その横で母親である私は1人、「あっつい!辛い!ひーひー」とか言いながらチゲを堪能するのだ。





……悪くない。


「それちょーだい」って言われない。
私だけのチゲ。暑い、辛い。
想像するだけで喉がごくりと音を立てる。
体がスパイシーを求めている。


チゲを貪る自分を想像してニヤニヤする。ご飯をぶっ込んでスプーンで食べるのもよき。チゲ鍋を食べている時の私は、きっと母親という仮面を外しているはずだ。



いい。たまにはいいじゃないか。
よし決めた。


「お決まりですか?」

「はい!!この、マヨコーンピザと、スパゲッティミートソースと、取皿ください!」


これでいい。今はこれでいいのだ。

#自分で選んでよかったこと





子ども達が寝たらカラムーチョ食べるんだ!

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