ベランダで枕草子
春は花粉。
ふわふわ白いタオルが風に揺れてたなびいている。ぽかぽかな洗濯物は見るからに気持ちよさそう。写真で切り取ったら心がほんわりする温かな光景。
しかしこれらには目に見えない花粉がびっちりとついている。ダウニーのCMの赤ちゃんみたいにタオルを頭からかぶって思いっきり太陽の香りを吸い込んだら……さぞかし大変なことになるだろう。
ぽかぽかふわふわなタオルたちを、親の仇かのように空に叩きつけては花粉を振り払う。さらに乾燥機に放り込み少しでも花粉が落ちることを願う。
夏は灼熱。
午後はさらなり。サンダルを履いた瞬間足の裏をヤケドした。クロックスが溶けて変形していた。暑い。暑いと何度口に出しても意味がないのは分かっているのに、暑い暑いと念仏のように独りごちりながら洗濯物を干す。日差しが痛い。ただでさえ苦痛な夏場の洗濯物は、さらに汗臭かったり足臭かったりして過酷だ。ただし1時間で乾くのが良い。(梅雨を除く)
秋は最適。
暑すぎず、寒すぎず、花粉もない。
洗濯物を干しながら、隣家の庭に実るカキに集まるヒヨドリを三つ四つ、目を細めて眺める余裕すらある。ただしこの時期は夏場に増えたダニが死に絶える時期だから、ダニアレルギー持ちにとっては大切な時期だ。また目に見えないものと戦っている。冬に備えてダニがいそうなものを次々と空に叩きつける。シーツがあばれてるなり。
冬は我慢。
朝干した洗濯物が昼になりても夕方になりても乾かない。これはただ冷やしただけなのではないか?そう疑いたくなるほど乾かない。空気は乾燥してるくせに、洗濯物の水分だけは乾燥しない。クロックスは冷たいし洗濯物も冷たいし空気も冷たいし、なんなら子どもも冷たい。誰も手伝ってくれない。洗濯バサミを握った瞬間アカギれた指先に血が滲む。割れたし。
ちょっぴり出遅れましたが、三毛田さんの「自分なりの枕草子」に参加させていただきました。枕草子の原文を読みながら、現代に通ずるものを探すのがとっても楽しかったです!
三毛田さん、ありがとうございました✨
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