「起業人生におけるしくじり体験」~SBラボ特別交流会でのシンクハピネス糟谷さんのお話から~
失敗やしくじりにまつわる名言の数々
失敗や挫折という所謂しくじりの大切さを説いてくれる著名人・偉人はたくさんいる。検索すると山ほど出てくる。
例えば、
「大失敗を恐れぬ者だけが大成功を手にできるのである」
ロバート・ケネディ(アメリカの政治家)
「成功とは意欲を失わずに失敗に次ぐ失敗を繰り返すことである」
ウィンストン・チャーチル(イギリスの元首相)
「成功で私を判断しないでほしい。失敗から何度はい上がったかで判断してほしい」
ネルソン・マンデラ(南アフリカ史上初の黒人大統領)
「失敗したことのない人間というのは、挑戦をしたことのない人間である」
アルバート・アインシュタイン(ドイツ生まれの理論物理学者)
「人生における最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではない。何度転んでも起き上がることにあるのだ」
孔子(古代中国の思想家)
「私はキャリアを通じて9000回以上シュートを外し、300試合に敗れ、決勝シュートを任されて26回も外しています。人生で何度も何度も失敗したからこそ、今の成功があるんです」
マイケル・ジョーダン(アメリカの元プロバスケットボール選手)
「失敗は結果として起こり得るもの。失敗してないのならば、あなたは十分にイノベーティブであるとは言えないでしょう」
イーロン・マスク(起業家)
「失敗を恐れるな。失敗することではなく、低い目標を掲げることが罪である。大きな挑戦では、失敗さえも輝きとなる」
ブルース・リー(武術家/俳優)
などなど。
どれも胸を打つ。そして、本当にそうなのだろう。これだけ大きな成果を残した人達が口を揃えて言うのだから。
で、でもさ、やっぱり失敗ってこわくねっすか?(^_^;
できたらしくじりなんてしたくなく無いですかね。。。
特に起業家の皆さん、どうでしょう?
既存のサービスやシステム、社会に満足しきってないから、業を起こすのでしょう。新しいことに挑戦するのですから、しくじることも込み込みとも言えるのかも知れません。
が、やっぱりしくじるのは嫌じゃないっすか?
少なくとも僕にはまだまーだ怖さがあります。
起業してからしくじりっぱなし
ちょっとだけ僕の話。
2022年の8月に非営利型株式会社Saniwaを創業。
創業するとみえてくるものがある。
しくじりが増える。
そして、その原因が自分にあるのがわかる。
自分がどうやら今まで思っていたよりもずっとダメダメなことを知る。
それがもうビックリするほど。むしろ
「こいつ、よく今まで生きて来られたな。逆に偉いわ。」
と自分に呆れた。
自分のひどさには驚くばかり。
周りの人に何とか生かされてきたのだと痛感。
創業から一周年。
8月、大きなしくじりを経験したところだった。
申し訳なさと自分のダメさ加減ばかりに目が行く。
周りの起業家の皆様が輝いて見える。
糟谷さんとの再会
特に輝いて見えた起業家の中の一人、糟谷さんと再会する機会があった。
去年、起業家の学び場で登壇されている糟谷さんを見たのが初めましてだった。様々な事業に取り組まれていてプレゼンもかっちょよかった。
糟谷さんの衝撃的なしくじりを聞く
8月、落ちぶれている時、糟谷さんと非営利型株式会社polarisの取締役の野澤恵美さんと焼き肉屋に行く機会があった。
光栄な機会だなと思いつつ、足は重かった。
自分のふがいなさ・情けなさに打ちひしがれていたから。
でも、胸の中にあるものだからとそのままにお話しした。
糟谷さんは、僕の話は特に肯定も否定もされるわけでもなく割とあっさり
「そういうことありますよね。」
と。
それから糟谷さんはお仕事とプライベート、両方のしくじり談をペースを変えずに淡々と話してくれた。ちょっと、いや大分衝撃だった。
傍から見てるとスッスッスーと事業や経営を、人間関係をスマートにこなしているように見えていたからだ。
しくじりの大小は他者と比べるものではないでしょう。
だから自分のしくじりが小さいとかないと思う。
でも、そこにこだわっている自分は小さいなと。
胸に迫ってきた。
糟谷さんのしくじり談、僕だけで留めておくのはもったいないなと思った。そんなこんなで、その日は飲み過ぎた。
実際の糟谷さんのお話と交流会を企画
府中市にはソーシャルビジネスラボ(通称SBラボ)という施設がある。シェアスペースが使えたりメンターさんの相談を何と1時間200円!で利用できたり。(あまり言いたくないがめちゃオススメ)
SBラボでは定期的に交流会があり他の起業家さんとも出会える場がある。
これまで日程が合わず全然行けなかった。
それならと企画する側に回らせてもらった。
テーマは糟谷さんのしくじり談でどうかと。
提案させてもらうと糟谷さんはあっさりと
「良いですよ~」
だった。
しかも
「何でも、どんな角度からでも大丈夫です。」
とのこと。心強すぎる。。。
リアルしくじり談の臨場感
10月11日、糟谷さんのプレゼン。
この写真だけ見たらしくじり談をシェアしているようには見えないのではないでしょか。しかも24,5人に囲まれている中なのだ。
本当にさわやかなまましくじりを分かち合ってもらった。
その後、恵美さん主導で参加者も人生曲線を書いてもらいグループでのシェアなども行った。
場の熱気を思い出す。
運営側、というか僕の反省点は多々ある。
それでも場の空気感は何かを伝えてくれていたように思う。
参加者のアンケートから1つだけ抜粋
まさにこういうものを分かち合いたかった!
しくじりをどう見るか
人生曲線(横軸を時間・縦軸を幸福度や充実度で線を描くもの)はしくじり体験も経て変化していく。
しくじり体験も人生にとって大切な要素になる。
考えてみれば「その時」悲しかった・苦しかったことが道を開いてくれることはある。
大切なメッセージをしくじり、みたいな形で教えてくれるのかもしれない。
「あなたの傷を知恵に変えなさい。」
(オプラ・ウィンフリー/アメリカの司会者)
なんて言葉がある。
確かに、しくじりは知恵・教訓を得る機会でもあるのだろう。
むしろ順境・幸せの絶頂で教訓は得にくい。
特に僕のような未熟な者は逆境を与えられないと気付かないことも多い。
糟谷さんは
「まだまだしくじり足りないです。」
ともお話ししていた。
それは知恵・教訓を得る機会を求めているということなのではないか。
既存の仕組みにはない価値を広げるために、自分という資源を最大限活用しようとするからこその言葉なのかも知れない。
時に、知恵・教訓に熟成するまで、苦しさや悲しさ、申し訳なさ、恥ずかしさを味わうことはあるのかも知れないけど。
リアルはやっぱり良い!
テーマが起業にまつわるものであっても、深い内面の話はより一層リアルが良いなと。
空気感・温度感がより鮮明に伝わる。
糟谷さんが爽やかなまま自分を開いてくださったことが場に与える影響は大きかったなって。
「僕も開いちゃおっかな」
ってなりやすい。
認めたりつながったり
しくじりから知恵・教訓が得られるとして、
まず「しくじった」と認めないことには始まらない。
頑固になってもしょうが無い。
前を走る人が積極的にしくじり談を披露してくれることで
自分のしくじりも認めやすくなる。
更に他の人もしくじることを知れる。
当たり前だが時に人は自分がしくじっている時
「なんで自分ばっか」
となりやすい。
誰しもしくじることがある。
これって人間の共通点としてとても大切なこと。
「人間だもの」だ。
しかも、人が繋がれるのはむしろしくじりだったりする。
悩み事などを打ち明けることで関係が近くなることはよくある。
知恵・教訓に変わる下地
「しくじった」と認めること。
誰しもしくじることがあること。
この二つはしくじりが知恵・教訓に変わるための下地なんじゃないか。
レジリエンスにもつながる。
一人で悩み苦しんで知恵・教訓に変えるのもカッコいいのかも知れないけど、誰かと一緒に取り組んだ方が早い気がする。
きっと上記に挙げた偉人達だってその時は悩みや葛藤があったわけで。
人間だもの。
積み重ねたものを凝縮させたところで、上記のような言葉が紡がれたのではないかと。
リアル開催だと葛藤部分をどう乗り越えてきたのか等身大の人間像を分かち合って下さる。それがほんと有り難い。
改めて快く分かち合って下さった糟谷さん、共にリードしてくださった恵美さん、SBラボの田代さん、伊藤さん、玉村さん、Polarisの望美さん、ゆうこさん、弥和さん、ありがとうございました!
ちょっと個人的なこと
この記事書くのは今だなと思ったわけで。
ようやく僕自身のしくじりからの教訓の少し得始めていて。
往々にして一つのしくじりという目に見えている現象はより奥深いところからきてるなーと。そこを見定めるにはやはり時間も勇気も必要な気がする。(報告が遅れた言い訳でもあるか)
この会の影響は僕自身大きく頂いたなと。
詳細はまたいつか。
12月21日は「起業人生の死と再生」
この10月の糟谷さんに登壇して頂いた交流会は
「起業家に向けた『見たくないもののミカタ(見方・味方)』」
~府中市ソーシャルビジネスラボ連続交流会~
の2回のうちの1回目で、実は12月21日に第二回を予定している。
起業家にとって「しくじりも見たくないものの一つだろうし「死」もそうだろう。起業家にとっての死、サービスを閉じる、役割を継承する、組織を畳む、などなど。そうして一度終わることで、何かが生れ変わるのだと思います。
始めたものは必ず終わり。終わるからまた始まる。
そう考えたとき、起業家はどう「死」と向き合えるのか。
登壇者は市川望美さん
望美さんは非営利型株式会社Polarisの創業者。
代表取締役を4年で早々に引き継いでいる。
そこには「死と再生」のデザインを考えてということ。
今はDeathフェスを手がける合同会社メーヴェの代表社員でもある。
12月21日の交流会では、年末に開催するということもあり、起業家にとっての死という名の手放し、(始めたことをやめる・終わらせる・引き継ぐなど)のワークも一緒に行う予定です。
市川望美さんのプロフィールはこちら。
12月21日(木)「起業家にとっての死(始めたことをやめる・終わらせる・引き継ぐ)と再生」
「起業家に向けた『見たくないもののミカタ(見方・味方)』」
~府中市ソーシャルビジネスラボ連続交流会~
詳細・お申し込みきはこちらから
お知らせ
望美さんが代表として進めているDeathフェスの企画が数日後にも開催~。
(僕もオンラインでちょっとサポートさせてもらいやす)
海に還るという選択肢 〜パイオニアに聞く海洋散骨のこれまでとこれから〜<DEATHフェス カウントダウンイベント Vol.3> ※ハイブリッド開催