夏休み

ぼぉっとした頭で
焼けたアスファルトの上を
彷徨って

僕は 私は
いつだったか
突然 降られた夕立に
雨の ひとつぶに
この上なく 感謝した

僕は 私は
まるで 小さな子供達だった

生まれて初めて
入道雲を 見つけた時のことを
思い出した

図鑑で見たまんまだった事が
とても 嬉しかった

緑の田園風景がある
田舎に 行ってみたいと
ずっと思っていた

虫取りをして
川遊びをして
すいかを食べて
蚊取り線香の匂いの田舎の民家で
花火を眺める

そんな絵に描いたような
夏休みを 一度でいいから
過ごしてみたかった

焼けたアスファルトの上には
それでも
毎日を過ごさなければならないと
懸命に 立っていた
僕や 私が 居た

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