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2022年度第1回研究会(2022.4.21)の報告

 2022年度第1回の研究会をzoomで行いました。参加者は7名でした。

 前半は米沢が2021年の第46回交流分析学会で発表した「怒りの問題をラケット感情から考える」という研究を紹介しました。我々が表出する感情は、実はしばしば本物ではない可能性があります。たとえば本当は悲しんでいるのに悲しむ自分が受け入れられず怒りで感情を表出する人がいます(男性に多い)。あるいは本当は怒っているのに怒りを表出するのが怖くて泣き出す人がいます(女性に多い)。こういった「偽物の感情(ラケット感情)」は問題の解決には役立たず、自身の真の感情に気づくことが大切、という研究発表です。

 後半はフィッシュボウル形式で、怒りを巡る対話を行いました。フィッシュボウル形式とは、グループが一つの輪になって座り、輪の中心に3人か4人の小さな輪をもう一つ作ります。小さな輪のメンバーでテーマについて対話し、自分の話したいことが話せたと感じた人は小さな輪から外れ大きな輪の方に戻ります。空いた席に外側の輪にいて話したくなったメンバーが入り対話を深めます。外側の輪で聞いているメンバーは内側の輪で行われている対話を聞きながら、心に浮かぶさまざまな考えを見つめ、深めることができます。別名、金魚鉢方式。金魚鉢で泳いでいる魚をまわりから覗き込む風景にたとえた呼び方です。

 Web面接では小さな輪に入るメンバーが画面をオンにして対話し、外側の輪に相当するメンバーは画面と音声をオフにして対話に耳を傾けます。怒りという感情の扱いはみなさん苦労されていて、話は大いに盛り上がりました。

 次回は6月16日。新しいメンバーを迎え今年度のプロジェクトをスタートします。

 出典:オープンダイアローグ・ネットワーク・ジャパン
https://www.opendialogue.jp/対話実践のガイドライン/


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