ハーバード等の研究:人は「得る(Gain)」より「得たものを失う(Loss)」ことに強く突き動かされる
こんにちは、Choimirai School のサンミンです。
ツイッターに「教師のモチベーションをあげる方法」に関する興味深い研究(Enhancing the Efficacy of Teacher Incentives through Framing)の紹介がありました。
研究のポイントは、
『生徒の成績が向上したらボーナスを支給する』という報酬制度を、『まずボーナスを支給し、生徒の成績が向上しなかったらそれを没収する』に変更する
ことでした。すると、生徒の成績は大幅に向上したという。
学力テストの結果を教員の給与に反映することが議論されている日本でも注目してほしい研究です。
研究結果の詳細を発表した論文(2018年)をシェアします。47ページと長いですが教育に携わっている方はぜひ参考にしてください。
通常、ボーナスなどの経済的な報酬は行動の動機付けにはなるけど長続きはしないという議論も。しかし、ハーバード等の研究では実験後にも効果が続いたと報じています。
科学的な知見を参照した「マッキンゼー流 最高の社風のつくり方」によりますと、仕事へのモチベーションを高めるためには、金銭的な報酬ではなく、次の3つのことが重要だと指摘しています。
■ 楽しさ
■ 目的(仕事に励む動機になること)
■ 可能性
これらの知見と比べ、今回紹介した研究結果(人は「得る」より「得たものを失う」ことに強く突き動かされる)がどれくらいの実用性があるか、一緒に検討できたら良いと思っています。
ハーバード等が2018年の研究に至った経緯は、今まで教師の能力を向上するために導入した政策が望ましい結果を出せなかったことが大きいです。
論文では3つの政策とそれぞれの結果についても触れています。2006年から教師への報酬制度に投資した金額はアメリカで、1千億円($1 Billion)を超えている。
子供の教育にご興味がある方には、「学力の経済学」もオススメです。
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