【英語で読む・聞く】4つのレベルから選べるニューベリー賞作品
こんにちは、Choimirai Schoolのサンミンです。
00 はじめに
多読(Extensive Reading)の普及に力を入れているKrashen教授は多読において小説がもつ意義を下記のように述べています。
但し、英語学習に小説を取り入れるのはそう簡単ではありません。課題となるのが、
①レベルにあった適切な本選び
②登場人物や固有名詞をどう読めばいいかわからない
③読んだ内容を正しく理解しているのかの不安
こうした課題を解決するために Choimirai School で提案したいのがニューベリー賞作品を読む・聞く・理解するための教材です。
レベルにあうニューベリー賞作品で英語のまま理解できる英語力を鍛えませんか?
今回のnoteでは、Choimirai Schoolが提案するNewbery Collectionの特徴と作品一覧を紹介させていただきます。
01 最高に面白くて、またこんな本を読みたいと感じられる本(ホームランブック)との出会い
多読を指導する上で一番重要なのが「ホームランブック」との出会いです。人生が変わるような読書体験、最高に面白くて、またこんな本を読みたいと感じられる本との出会いは早ければ早いほどいい。
Newbery Collectionでは、「最高に面白くて、またこんな本を読みたいと感じられる本との出会い」が待っています。
02 英語は学習より、「習得」せよ
2022年3月14日に毎日新聞の英語版に寄稿された記事にはこんな言葉が書いてあります。
このコメントで注目したいのが、「言語が有機的に広がっていく土台」という考え方です。この土台は学習(learning)した内容をいかに習得(acquisition) へともっていけるかによって得られるものです。
学習によって得られた知識は個人的な経験が付与されない形で脳に保存される。こうして個別の断片的な記憶は脳の経済性に反する記憶方法で時間の経過とともに弱まり、結局は忘れてしまいます。
一方で、個人的な経験が付与された形で保存される記憶は簡単に忘れることのない記憶であり、必要に応じていつでも自動的に取り出せるものです。故に、ホームランブックとの出会いが大事です。
03 特徴①:レベルにあった素材選び、目指せ100万語
Newbery Collectionでは、ニューベリー賞受賞作品を初心者から上級者レベルまで4段階に分けて紹介しています。レベルごとに4〜5冊の本がありますので、Lexileと単語数を参考に今のレベルに合わせて進めるようにしてください。
19冊を全部読みますと読んだ単語数は約58万語となります。2回づつ読みますと100万語を超える!
04 特徴②:Snipdで聞ける音源
英語は日本語より「音楽」的な言語です。発音に加え、リズム、トーン、声量、スピードなどProsody(韻律)がとても重要。“What a great party!”は言い方によって「最高のパーティー」にも「最悪のパーティー」にも聞こえます。初心者の方は音から入るのが鉄則で聴いて音で覚えるのは大事です。
Newbery Collectionに含まれている全ての教材にはチャプターごとの音源がついています。
Sideways Stories from Wayside Schoolの「Chapter 1. Mrs. Gorf」の音源です。
本によっては音源が複数のチャプターに分かれていて、Sideways Stories from Wayside Schoolの場合、全部で31個のファイルがあります。
こうした音源をより効果的に管理するため、音源はSnipdなどポットキャストのアプリに取り込んで聞くこともできます。
05 特徴③:語彙とクイズが解けるワークブック
Newbery Collectionで扱っている全ての作品は、原作とワークブックの2冊が一つのセットとなっています。
The Hundred Dressesの原作の一部です。イラストレーションがついている作品も多いですので場面を想像しやすくなっています。
別冊のワークブックでは3つのアクティビティが行えます。
①内容の理解を確認するためのクイズと答え
②語彙リスト
③チャプターごとに読むスピードが図れる式
■クイズと答え
読んでいる内容を正しく理解しているのか、と自信がない時は付属のクイズを解くと良い。答えはワークブックの最後に載っています。
■語彙リスト
チャプターごとに語彙リストがありますので読み始める前に一度目を通しますと英語のまま理解できる範囲が広がります。
韓国語での意味も書いてありますが単語の説明は基本英語で書かれています。
■読むスピードが図れる式
ある程度洋書に慣れましたら読むスピードも測ってみたくなると思います。
ワークブックにはチャプターごとの単語数が明記されています。一つの章を読むのにどれくらい時間がかかったのか、WPM(Words per minute、1分間当たりに読める単語数)が図れる計算式が用意されています。読むスピードを測るときは参考にしてください。
06 初心者レベルの本
初心者レベルの本としてお勧めしたいのは下記の5冊です。
■Sideways Stories from Wayside School
平屋で30の教室が横に並ぶはずだったのが、縦に細長い30階建ての校舎になってしまったウェイサイドスクール。こんな奇妙な学校で起きる物語も、ちょっと奇妙だ。たとえばジェイソンは、大きなチューインガムの上に座ってしまい、イスがおしりにくっついて離れなくなってしまう。先生は、ジェイソンに氷水をかけたり(ガムを冷して固めてから粉々にしようと考えたのだ)、彼をさかさまにしてみたりする。先生は、彼のズボンを切ってしまおうとまで考える。だが最後に、彼はさかさまになった状態から、クラスの女の子のひとりにキスされて、イスから落ちる。そのほかには、だれも自分のことを好きじゃないと思っていたキャシーの考えがやはり正しかったことがわかる話や、すばやく絵を描くことができるがその絵に芸術的価値はまったくないべべの物語など、ちょっとした教訓が含まれる話がある。本書のクセのあるユーモアは子どもの心をとらえるし、子どもが声を出して読むのに最適だ。米国、5歳から12歳くらいまで。
■Wayside School is Falling Down
"Sideways Stories from Wayside School"の続編。
今回も30章から成るウェイサイドスクールのお話。いきなり先生が30階の窓からコンピュータを放り投げてしまうエピソードから、前回同様大ボケ、ドタバタギャグが展開されます。最後の章はこの本の表題通り"Wayside School Is Falling Down"。さてこの学校と子供達の運命はいかに?
■Wayside School Gets a Little Stranger
"Sideways Stories from Wayside School"の続編。
ウェイサイドスクールに入る前に知っておいてほしいのは、30階建ての建物で、各階に教室が1つずつあるということだ。ジュールズ先生は30階で授業をします。ミス・ザーブスは19階で授業をします。ただし、19階はないのでミス・ザーブスはいません。
1500万人以上の読者が、Wayside Schoolの巧妙で陽気な物語に笑い声をあげています。さて、何を待っているのでしょうか?ウェイズサイド・スクールに来てください。7歳から13歳の子供たちは、このチャプターブックをあっという間に読み終え、笑いあり、バカあり、でも親しみやすいストーリーを満喫することでしょう。
■Sarah, Plain and Tall
著者マクラクランは、子どもたちのために感動的な物語を書いてきた。19世紀終わりごろ、妻を亡くし、ふたりの子ども―― アンナとケイレブ―― を抱えて農業を営んでいた父は、再婚相手を求める広告を出す。やってきたサラは、ふるさとのメーン州、とくにその海原を思ってホームシックにかかっていた。子どもたちは、サラが居ついてくれないのではないかと心配した。サラがひとりで街に出かけていったとき、自分を産むときに母が死んだケイレブは、もう永遠にサラが戻ってこないのではないかという恐怖に襲われた。だが、彼女は色鉛筆を手に帰ってきて、メーンの美しい風景を描いて、そして言った。ふるさとを思うとさびしくなるけれど、「それよりもふるさとであなたのことを思い出すほうがもっとさびしいと思うの」。やさしいタッチで、見捨てられること、失うこと、そして愛を語る物語。1986年のニューベリー賞受賞作品!
■The Hundred Dresses
いつの時代でも、どこの国でも子ども社会のなかに存在するのが、「いじめ」の問題だ。貧しいポーランド人のワンダが「100枚洋服を持っているの」と言ったことが引き金になり、クラスの女王様的存在のペギーがいじめはじめる。
いじめられる者ではなく、いじめる者の視点で描かれた本書からは、言葉や態度にズキズキくることが多い。「100枚の洋服」とは、クラスメート全員に似合うように描かれたワンダのデザイン画だった。つまりワンダは決して嘘をついているわけではなかったのだ。それを残して転校してしまったワンダ。残された者は、ワンダが去ってはじめて、彼女の心の声を聞くことができたようだ。1945年のニューベリー賞のHonor受賞作品!
07 中級者レベルの本
中級者レベルの本としてお勧めしたいのは下記の4冊です。
■There's a Boy in the Girls Bathroom
1999年にニューベリー賞を受賞した「HOLES」の作家、 Louis Sacharの作品です。この小説の舞台は小学校。主人公はBradelyという小学校5年生で留年をするぐらい成績が悪い問題児。そんな彼の学校に一人の転校生、「Jeff」が現れてこの物語は進んでいきます。この物語の見どころは新しく赴任したカウンセラー、「Carla」が主人公のBradelyに与える影響です。頑固一徹、周囲に気を許すもんか、と気張っていた主人公Bradelyの心をこじ開けるCarlaの強さややさしさに注目です。
■The Tiger Rising
ある朝、フロリダの霧深い森を歩いていた12歳のロブ・ホートンは、檻の中を行ったり来たりする本物の大きなトラに出会い、愕然とする。しかもその日、彼はシスティーン・ベイリーに出会う。彼女はロブが自分の気持ちを隠すのと同じくらい、簡単に自分の気持ちを見せる女の子だった。ロブとシスティーンは、互いを信頼し、友だちになることを学びながら、思い出や心の痛み、そしてトラのように、永遠に閉じ込めておけないものがあることを証明する。
■The Boy Who Lost His Face
まったくデーヴィッドはついてない。学校ではじゃま者にされ、親友のスコットにも「お前はクールじゃない」と言い渡される。尊敬してくれるのは弟のリッキーだけ。ある日、不思議なおばあさんの蛇頭の杖を盗む手伝いをしたばっかりに顔をなくすことになるなんて…。ニューベリー賞・全米図書賞ダブル受賞のベストセラー作家ルイス・サッカーの最高傑作。
■Because of Winn Dixie
オパールは、牧師をする父と2人きりでナオミという小さな町に引っ越してきた女の子。町に来たばかりのオパールには友達がおらず、3歳の頃に母が家出したため寂しく過ごす。オパールは心の中で「神様、あたし友達が欲しいの。それから、もう一度お母さんに会いたい」とつぶやく。そんなある日、オパールはスーパーで一匹の野良犬に出会いウィン・ディキシーと名付けてそのまま家に連れて帰る。父から「飼い主が見つかるまで一時的に預かる」との条件で、オパールはウィン・ディキシーと暮らし始める。2001年のニューベリー賞Honor受賞作品!
08 上級者レベルの本
上級者レベルの本としてお勧めしたいのは次の5冊です。
■The Tale of Despereaux
2001年のニューベリー賞優秀作に選ばれた『Because of Winn-Dixie』(邦題『きいてほしいの、あたしのこと――ウィン・ディキシーのいた夏』)の著者ケイト・ディカミロが、愛と希望と寛容の「力強さ、すばらしさ、滑稽さ」を深く掘り下げて描いた、ネズミと人間の端整な物語。読者に話しかけるように語られる、古めかしくやや暗めのストーリーは、「ある城の中で1匹のハツカネズミが生まれた」ところから始まる。その子ネズミ、デスペロー・ティリングは、ほかの仲間たちと違っていた。体が異常に小さく、耳がやたらに大きく、おまけにハツカネズミらしくない夢想家だった。人間の王様と美しい王女ピー姫に近づいたデスペローは、悲しいことに自分の父親ネズミによって、ドブネズミがひしめき合う汚い地下牢に追放されてしまう。
物語は4つの話で構成されている。
第1話は、ピー姫にベタぼれしたデスペローが悲惨な目に遭う、悲しいお話。
第2話では、デスペローと同じく変わり者のドブネズミ、キアロスクーロが登場する。自分の住みかである地下牢の暗闇を嫌い、光をこよなく愛するキアロスクーロは、やがて城に侵入し、お妃様のスープに飛び込んでしまう。
第3話は、何度も何度も「殴られ」たせいで耳がカリフラワーのようにつぶれた、幼い少女ミゲリー・ソーのお話。頭の回転が遅く、耳もろくに聞こえないミゲリーは、ピー姫の冠をかぶることだけを夢見ている。
第4話は、地下牢送りとなったデスペローの話に戻り、やがてハツカネズミ、ドブネズミ、少女、王女の4つの生がつながって劇的な結末を迎える。2004年のニューベリー賞受賞作品。
■Number the Stars
第2次世界大戦中、ナチス占領下のデンマークからユダヤ人が脱出しようとしていた事実は、これまでほとんど語られることがなかった。1943年9月29日、デンマークのユダヤ人が拘留され、死の収容所へ送られるという噂が流れた。それから数時間もたたないうちに、デンマークのレジスタンス、住民、警察は、7千人のユダヤ人をスウェーデンへ密航させる準備を開始する。
歴史上の事実をロイス・ローリーが勇気ある少女の物語として小説化。10歳の少女アネマリー・ヨハンセンの視点から戦争体験を生き生きと描いている。ユダヤ人狩りが行なわれるという前夜、アネマリーの家族はアネマリーの親友エレン・ローゼンの家族をかくまい、一家のデンマーク脱出に手を貸す…。1990年のニューベリー賞受賞作品!
■The Miraculous Journey of Edward Tulane
「考えてごらんなさい。愛がないのに、どうやって“いつまでも幸せに”くらせますか?」持ち主の女の子に愛されていても、自分はだれも愛していない陶器のうさぎエドワード。でも、そのおばあさんの言葉は、ずっとエドワードの心にかかっていた。女の子とはぐれ、さまざまな人に出会い、別れる旅のなか、エドワードは遠く語りかける。―ぼくは愛することを学んだ。でも愛なんてつらいだけだった。助けてよ!『ねずみの騎士デスペローの物語』の著者ディカミロ、感動の最新作。
エドワード・テュレインの奇跡の旅(愛をみつけたうさぎ)は韓国ドラマの「星から来たあなた」に出てきた本としても有名です。
■A Summer to Die
金髪で美人で人気者の妹を持つことは、メグのように真面目で勤勉で、まあ地味な人間にとっては厄介なことである。
しかし、モリーが重い病気にかかったとき、メグは、もはや嫉妬ではなく、まったく違うことに直面することになる。モリーが病院から帰ってこられないこと、モリーが死んでしまうことだ。モリーが病院から帰ってこられないこと、モリーが死んでしまうことだ。
■Mr. Popper's Penguins
トム・ポッパーはマンハッタンの不動産会社に勤務するエリートサラリーマン。だが、仕事人間だった彼は、妻と離婚して子供達との関係も険悪なものになってしまっていた。
そんなある日、彼のもとに長年合っていない父親から大きな荷物が届く。早速開けてみると、中に入っていたのは、なんと生きたジェンツーペンギンだった。突然の異常事態に混乱するトムだったが、次第にペンギンを通じて家族の絆を取り戻していくのだった。しかし、そんな彼らのもとに、ペンギンの引き渡しを要求する怪しい男が現れる。1939年のニューベリー賞Honor受賞作品!
09 達人レベルの本
達人レベルの本としてお勧めしたいのは下記の5冊です。
■Hatchet
13歳の少年ブライアンは、父親を訪ねる旅の途中、乗っていた飛行機がカナダの山中に墜落する。生存者はブライアンのみ。この最悪の事態に、彼が携えていたものは、強い精神力、父と離婚した母がお別れのプレゼントにと、ブライアンにくれたハシェット(手斧)、そして母が父に対して誠実ではなかったという決して誰にも言えない秘密だけだった。
飢えと渇き、そして野生動物から身を守りながら、ブライアンは無事生還できるのか。両親の離婚で深く傷ついた多感な少年が、生死を賭けた極限状況で、見事に成長していく姿を描いている。
■HOLES
全米図書賞、ニューベリー賞他受賞(1999年)の傑作。無実の罪で砂漠の矯正施設に入れられた少年スタンリー。大地に穴を掘るだけの苦行の日々から脱出し、不運を幸運に逆転する冒険へと踏み出す。友情と感動の物語!
■Small Steps
全米図書賞、ニューベリー賞を受賞(1999年)した「HOLES」の続編。キャンプ・グリーンレイクから解放されて2年、テキサス州オースティンの自宅でArmpitは人生をやり直そうとしている。しかし、前科があり、誰もが最悪の事態を予想する中、それは困難なことだった。そんな中、唯一Armpitを信じてくれたのは、10歳の障害を持つ隣人ジニーだった。彼らは共に、小さな一歩を踏み出すことを学んでいく。
■Coraline
大きな古い家に引っ越してきた女の子、コラライン。ある日、どこにも通じていないはずのドアを開くと、そこには気味が悪いほど真っ白な肌をした女の人が立っていた。「だれにでもみんな、もうひとりのママがいるのよ、コラライン」もうひとりのママ?そんな!部屋にもどると、本物の両親はあとかたもなく消えていた。たよりになるのは名なしの黒ネコと、穴のあいた不思議な石だけ。コララインは今、さらわれた両親をたすけだすために、たったひとりでもう一度、あのドアを開く―。数々の文学賞を受賞したイギリスの天才作家ゲイマンがおくる、傑作ファンタジー。
■The Giver
ジョナスの世界は完ぺきだ。すべてが完全にコントロールされている。戦争も、痛みの恐れもない。選択の余地もない。すべての人は共同体の中で役割を与えられている。ジョナスが12歳になったとき、ザ・ギバーから特別な訓練を受けることになった。ザ・ギバーだけが、人生における本物の痛みと喜びを握っている。今、ジョナスが真実を受け取るときがきた。後戻りはできない。
10 1アウトプットする為には100のインプットがいる
英語で一つのアウトプットをしようとすると最低100のインプットが必要というのが基本的な公式です。また、英語のままアウトプットしようとすると英語のまま理解できるインプットは必須。
東大からオックスフォードの教授となった苅谷先生。『日本人はなぜ英語が話せないのか』で、英語のまま理解できるインプット量が少ないと指摘。
Newbery Collectionでは米国の8歳から対象となっている作品から始めることができます。画像は、Sideways Stories from Wayside Schoolの第1章から。
11 まとめ
Newbery Collectionで願っているのは英語学習者が自分に合うホームランブックと出会うことです。
その出会いは早ければ早いほどいい。Sideways Stories from Wayside Schoolの場合、ご購入されますとオンラインでのブッククラブも予定(4月3日から)していますのでぜひご検討ください。
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