南部中3年生が考える三ヶ根駅の未来
「三ケ根駅未来会議」では、様々な世代・立場の方々に参加頂き、未来に向けたニーズを頂きたい。ところがどうしても、時間などの都合で参加できない世代・立場の方々がいらっしゃる。例えば、中学生たちだ。三ヶ根駅のバリアフリー工事など改良工事が完成するのは、実施時点(2019年(令和元年))から3〜5年後と見られている。今現在、中学生の子どもたちが高校などに進学した場合、新しい三ヶ根駅の利用者になる可能性が高い。つまり、中学生は三ヶ根駅の将来的な利用者ということになる。そこで今回は、幸田町立南部中学校へ出張版の未来会議を実施した。
南部中学校のご協力のもと、授業の一環として、三ヶ根駅の未来を中学生の皆さんに考えて頂くことにした。中学生向けとして二週に分けて授業時間をいただき、まず十一月五日に第一回目の授業を行った。三ケ根駅の現状(げ乗降人数や現状写真など)を知ってもらった後、世界の様々な駅の事例を紹介。下記のような宿題をお願いした。
宿題の内容は、下記の通り。
Q1. 三ヶ根駅・駅周辺のまちについて、良いところ・課題点を教えてください。
Q2. 中学生だからこそ、駅やまちに対してあなた自身が出来ることはなんですか?
事前授業の翌週十一月十四日に第二回目の授業を実施。グループワーク形式の授業を1クラス2時限ずつ使って行った。まず、生徒たちに1グループ5〜6人で組んでもらい、宿題ワークシートをグループ内で共有することから始めた。出てきた課題点・意見から、最終的なグループとしての提案・解決策を模造紙にまとめてグループ毎に発表してもらった。生徒達がまとめた三ケ根駅への提案は下記に掲載する。
提案をまとめる際に「中学生としてどう関わることが出来るか」という点を意識してもらうようにした。その結果、中学生が地域と一緒に出来そうなことを多数考えてもらうことができた。
上記提案を見渡すとわかる通り、三ケ根駅自体を『汚く暗い』と感じている生徒が多く、掃除イベントの提案が複数見られた。地域の企業とタイアップをして掃除イベントを開催したり、駅の外壁を塗装して綺麗に明るくするといったハード面だけでなく、あいさつ運動やマルシェなどのイベントを通して、駅にいる人自体を明るくしていきたいといったソフト面での提案もあった。また、「駅にピアノや楽器を置いてほしい」「誰でも使える運動施設がほしい」などの駅に居場所をほしがる意見も多かった。部活動などで携帯電話を常時利用出来ない中学生ならではの「公衆電話がほしい」や「FreeWi-Fiがほしい」といったものもあった。
上図では、出された意見・課題点と提案・解決策を並べ、それぞれ関係の深い提案を線で結んだものを左に掲載する。そこからわかることは、南部中学生の視点でみる三ケ根駅には「憩いの場所がない」と「買い物が出来ない・不便」項目に関連が深い提案が9つと一番多く、次に「遊ぶ場所がない」項目に関連する提案が多いことがわかった。三ケ根駅に対して中学生は、友人と放課後に話をしたり、部活動後の送り迎えを待ったりするような【居場所】を求めていることが、提案内容からわかるのではないだろうか。
出された意見は今後の三ケ根駅周辺まちづくりへの大切な資料としてまとめていく。これからも意見は随時募集していくので、今回伝えきれなかった部分や思いついたことなど、遠慮なく発信して頂きたい。
余談だが、この授業を通じて、将来はまちづくりに関わる仕事をしたい、と申し出た中学生がいたそうだ。「まちは人をつくり、人は街を育てる」ことを関係者で実感している。
(本稿は、幸田町内で掲示・配付している壁新聞と同一内容です)