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努力の男、中野優作
株式会社BUDDICAの代表取締役である、中野優作さんの著書『クラクションを鳴らせ! 変わらない中古車業界への提言』がよかったので感想。
彼の強さの秘密は、過去のコンプレックスにあった
中野さんは小さい頃からあまり勉強をしてこず、高校も中退。そして、そこから土木の仕事で働くようになった。
ただ26歳頃になって、これまでの生き方を後悔するようになった。
「自分の人生はこんなはずじゃなかった」、「どこで道を間違えたんだろう?」という過去への後悔が猛烈に押し寄せたらしい。
そこからまったくの畑違いである、大手自動車販売会社の営業へ転職することを決意。
これまでの自分の生き方を取り返すかのように、鬼のように努力し続けてきた。
その結果、最速でトップセールスまで駆けのぼり、ついには史上最年少で本部まで行ってしまった。
シンプルにすごい。この事実は、間違いなく彼の実力を示すものだろう。
気が遠くなるような圧倒的な努力量
それは彼の本来の能力もさることながら、じつは影で圧倒的な努力をしていた。
まず、営業について。
どうすれば、お客さまが安心して買ってくれるのか?
どうすれば、自分という人間を信頼してくれるのか?
そもそも会社の営業マニュアルは、本当にお客さま視点に立てているのか?
これらを自分なりに徹底的に研究してきた。
先輩のトップセールスマンの商談技術や身につけているファッションを真似したり、自分の営業トークを録音して商談を少しずつ改善。
他にもたくさんの地道な努力を泥臭く続けることで、自分なりの「売れる営業スタイル」を確立していったのだ。
次に、店長について。
売れる店舗に成長させるため、チーム全員のやる気を出させて生産性を上げることに成功した。
また、近隣店舗との集客競争に勝つために、競争優位性を発揮する仕組みづくりを構築。個人的に面白かったのはここだ。
詳しくは割愛するが、中野さんは他店の実情を徹底的に調査することに加え、「孫子の兵法」や「ランチェスター戦略」などを駆使して他店に勝てる仕組みを理論的に構築&実行し、見事勝利した。
これに関しては、業界全体を過激な価格競争に招いてしまった要因であるとして、彼自身反省していた。
しかしながら、恐ろしいまでの勝利へのこだわりと理論武装した戦略には正直、舌を巻いた。
しかし、店長時代にはたくさんの壁も立ちはだかり、それらとずっと格闘する毎日だった。つねにポンポンポンポン問題が発生してしまう状況で、慢性的な睡眠不足、尋常じゃないくらいの激しい頭痛、終いには血尿になる始末。
とてもじゃないけど、到底ぼくには真似できないと思った。
BUDDICA創業への想い
この他にも、中野さんが見てきた中古車業界の歪な業界構造や業界の極端な利益至上主義がもたらす多くの問題などを縷々として語っている。
中野さんはこの状況に警鐘を鳴らし、少しでも業界の未来を明るくしたいと強く思い、株式会社BUDDICAを創業した。
目指すのは、「流通革命」
クルマ選びは、本来楽しいもの。クルマを買った先の未来を想像するだけでワクワクするし、実際に買ったあとの人生はより豊かになる。
そんな「クルマを選ぶ楽しさ」、「豊かな人生」を提供するのがクルマ屋の本分であり、営業の役目だ。
だれもが営業マンを信頼し、安心しながらクルマ選びができる。
そして心から納得し、気に入ったクルマだけを買える未来を当たり前にする。
これが、BUDDICAが目指す「流通革命」だ。
カッコよすぎる。
自分もこんな素敵な理想をもって、仕事をしてみたい。
読んでて、少し救われたこと
大変恐縮だけど、自分も中野さんと境遇が少し似ているなと思う部分があった。
ぼくは過去、叶えられなかった夢があり「こんなはずじゃなかった。」という後悔、「あの時、もっとこうしておけばよかった。もっといろんなことに挑戦しておくべきだった。」などの執拗に過去を思い出してしまう現象。
まったく生産性がなく、意味がないことは自分自身分かってはいるけど、どうしても事あるごとに考えてしまう。
でも、「中野さんも昔は苦しい状況にあったんだ。そこから自分なりに考えて、這い上がっていったんだ。」という過去を知ることができて、ちょっと救われた。
グルグル悩むのは、得策じゃない。
悩む→考えるに思考のクセを変えていこう。
そして、いつか中野さんといっしょに仕事ができるように頑張ろう。
たか