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砂明利雅
2023年11月6日 00:09
私は宮廷の裏、木々の生い茂る庭にいた。優しく照りつける陽光に、緑の香る穏やかな風。机と椅子を置き茶会をしていた。目の前に座るのは、黒髪の髪を細かく編んだ鈴香と、小柄で肩くらいまでの栗色の髪が優しくおろされた、菊花様。「豊蕾の淹れてくれるお茶は、いつもおいしいです」「ホントですよね、菊花様。豊蕾、もう一杯ほしいな」 二人とも茶を飲んで微笑んでくれている。私はそれが何よりも嬉しい。剣しか知らな