女剣士の絶望行 二章 母殺しの煙美人 第2話 震慴
「リカ、こんなボロボロの異邦の女、使い物になるのか?」
寒空の下、白肌の女……リカと髭面の大男はランプで照らされる馬車の中を覗き込んでいた。その馬車には、黒髪の異国の女、フェンレイが横たわり、苦しげな寝息をたてていた。
「いきなりごめんね、パパ。放っておけなかったの。彼女は大きな苦しみを抱えているから」
「この女の言語はオレにはわからんが、それはだいたいわかるな。少女の遺体を抱きしめながら泣きわめくもんだから……埋めるまで半日は待った気がする」
「大切な人だったみたいよ。こ