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砂明利雅
2023年6月30日 01:22
屋敷の外。角の壁に張り付く私。向かいの木の幹に身を潜めるのは、私と同じく虞家の武人、背が高い短髪の男、睿霤。 私達は、その向こう側から見えないよう、朝日を避けて身を隠している。二人とも、既に刀を抜き、しんとした冷たい空気に同化するがごとく構えていた。濡れた枯れ葉が地面に散らばっている。音が立たないよう、移動は最小限。視線の先には見慣れぬ男。草色の服に身を包み、腰に刀を差している。頭に頭巾をかぶ