螺旋を描いて強く生きる
10代の頃、原宿系雑誌の自由なファッションを目にした時、雷が落ちたような衝撃を受けたことを覚えています。
当時、引っ込み思案でネガティブで内向的で、人生は辛いことしかないとまで思っていた私ですが、カラフルな洋服を真似するようになってからは性格も思考も次第に明るくなっていきました。ファッションの中でも特にアクセサリーは、身につけた瞬間にちょっと強くなれる気がしたので、自分にとっては特別な魔法のアイテムでもありました。
かつてアクセサリーはお守りのような役目で使われてきましたが、現代もまだそれに似た役目があると思っています。
自身のジュエリーブランドRINMOの最初のコレクションでも、それを身につけた時、その人の自信が湧き出るようなアイテムにしたいと決めていました。
1stコレクションのデザインを考えたとき、ある植物を知り、その生命力や逞しさが、この最初のシリーズにふさわしいと直感的に感じ、モチーフとして採用しました。
螺旋を描いて強く生きる アルブカコンコルディアナという植物
アルブカコンコルディアナという植物は南アフリカの乾燥地帯に生息しています。
日影の少ない岩と砂の台地に、渦を巻くように伸びる特徴的な葉。
これらは、強い直射日光から自身を守るために螺旋を描いて影を作っているといいます。
今回のコレンクションは、このコンコルディアナの特徴的で美しいフォルム、そして厳しい環境を生き抜く力強いあり方に着想を得てデザインしました。
有機的なフォルムは、螺旋が肌をなぞるようにフィットし、まるで自身の一部が美しい銀の葉になったかのような錯覚を覚えます。
コンコルディアナの持つ、したたかで逞しい生命力を、デザインに宿したコレクションは、身に着けた人にその力強さを与えます。
時として厳しい環境から自身を守る力となり、あるいは厳しい環境の中を突き進む力を与えてくれる源となります。
ただ身に着けているだけで、その事実が私たちを勇気づけ、普段とは違う自分にしてくれる。これこそがファーストコレクションにふさわしい、コンコルディアナシリーズです。
特にこのダブルリングは、デザイナーの私のお気に入りのアイテムでもあります。
しなやかで力強いこの曲線を身につけた瞬間、自分が世界でいちばんかっこよくて、無敵で、最強なんだと思える、そんなリングです。
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