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記事一覧
読書ノート1: 高木澪子著「心の科学史」,講談社学術文庫
p. 38: 近・現代心理学の思想史的前提となる物心二元論の枠組み(内と外,もしくは自と他の峻別)は,科学革命の進展に伴い霊物プネウマが死物化して,すべての自然が<物体>とその機械的運動とに還元されおわった時,そのような「自然」の中に収まりきらない<心>が「個人の意識」として改めて定義しなおされることによって成立したものと筆者は考えている.
p. 112: (結論的に言えば)学問の歴史を学ぶこと
読書ノート2: ガリレオ・ガリレイ「偽金鑑識官」山田慶兒・谷 秦,訳,中公クラッシックス
自然のしくみについて仮説を立て,そこから演繹される説明について,実験観察により検証する,という仮説演繹法とその検証という方法は,近代自然科学の基本となったものである.仮説の真偽を完全に証明することが難しい場合でも,検証を繰り返すことで,仮説の信頼性を高めることができる.現代に追加するならば,検証の延長として,追試も仮説の信頼性を高める上では重要である.
これを,明示的に使い始めたのはガリレオで
読書ノート3 柄谷行人 著 「世界史の構造」 (岩波現代文庫)
柄谷行人によるマルクス社会主義理論の再構築の試み.
「交換様式A, B, C, D」「ネーション,ステーツ,キャピタル,アソシエーション」といった独自の用語が,定義されることなく展開するので,著者の著作を系統的に読んでいる人でないと理解が難しい構成になっている.
共産主義革命や,ソビエト連邦や中国などの社会主義の破綻の原因を分析し,カントの考察を交えて,マルクス史観を交換様式という観点か
読書ノート5 高橋憲一 著 「よみがえる天才5 コペルニクス」 (ちくまプリマ―新書) ★辛口
まず,文体について.ちくまプリマ―新書は,「その道の専門家が、わかりやすくかみ砕き、しかもワンテーマで伝える入門書」(http://kaze.shinshomap.info/interview/editor/05/01.html) というのがキャッチフレーズですが,若い人向けに「わかりやすくかみ砕く」ことと,おじさんが上から目線でなれなれしく語るというのは違うような気がします.「ざんねんながら,
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