キツネが尻尾に火をつけて
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札幌の道立近代美術館の「鳥獣戯画」の展示をニュースでやっていた。
相撲や弓などおなじみの場面をいくつか紹介していたが
お!
と目をひかれたのが
蛙と兎が弓の腕前を競う場面の狐ですよ ♪
え、いたっけ?狐…?
よく見ればハスの葉の的の横で長い尻尾を抱えて立っているのだが
よく見ればその尻尾に火がついているではあーりませんか!
だから「お!」と気が付いたいやいいんですw
さてそこで
この場面はこれまでさんざん目にしてきたにもかかわらず
ナンで今頃目を引かれたかと言うと
神田左京の「不知火・人魂・狐火」を読んでいたからですな。
鳥獣戯画のこの場面は「鳥獣戯画 甲巻」で
成立したのは平安時代の後期から鎌倉時代とされる。
それにしても狐さん、尻尾に火がついて熱くないんですか!?
本人wはニコニコと弓の勝負を見ていますな。
狐火は伝承としては「熱くない」ことが言われているようだが
だから狐さんは自前の火で熱くないですよと余裕なのだろか。
改めて「不知火・人魂・狐」の狐火の部分を読んでみると
「能撃尾出火」要するに狐は尾を撃って火を出すというのがあって
井上円了はこの事は「抱朴子」にそう書いてあるとしているが神田左京は抱朴子に目を通してみたがこんな文句は見当たりませんでした、としている。
そこでこの狐が尾を撃って火を出す話は他に無いだろかとネットで調べてみると
唐代中国で860年ころに成立したと言われる段成式の「酉陽雑俎」に
「野狐(やこ、のぎつね)は夜、尾をたたくと火が出る」
と書いてあるのだと。
あ、これは「酉陽雑俎」を読んでみなければなるまいて。
時代としては鳥獣戯画より古くて「抱朴子」より新しいが
もしかして井上円了は「酉陽雑俎」と「抱朴子」とを取り違えていたとか?
この一行を見るために筆者はアマゾンの奥地へと-
違た!図書館へ向かいましょうかね。
新たな知識は新たな興味を生み出すのでござる。