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気温と湿度と体感温度(その2)

勉強
実用

さて前回

乾燥した空気は断熱材になるくらいに熱の移動が少ないが
湿度の高い空気は水分量が多いために
その水分が身体の熱を空気中に伝えるのではないか

それならば
その水分が、身体が放熱できる気温の32℃になるために必要な熱量を
各気温と湿度の組み合わせの中で計算して比べれば
寒さの度合いがわかるのではないか。

という考えの元、計算してみたらば
まあ、なんということでしょう!?
15℃までは気温が上がるほどに
32℃になるまでに必要な熱量が増えるですと?
気温が上がっているのに!?
どゆこと!?
これは一体ナニが起きているというのだろか?

という謎が謎を呼ぶ手に汗握る展開になったわけでありますがw
ここで注目すべきことはその前提であります。
1m3の空気に含まれている水分を
32℃になるまで必要な熱量を計算しただけだからな!
さてキモは「体感温度」という要するに人がどう感じるかということで
そもそも
人は服を着ていますよね?
寒い時には暖かくしようと厚着になって
室内でも出しているのは顔と手だけなのでは?
あ、もちろん屋外では手袋もはく(北海道弁)し、靴もはくし(共通語)
帽子もコートもマフラーも身に着けて保温しようとするのでござる。
さてそこでまずは高湿度で寒い場合。
顔や手に直接湿度の高い・体温より低い温度の空気が触れて熱を奪われるが
人間は元々必要以上に熱を産生しては適度に放熱することで
一定の体温を保つ恒温動物でしてな。
放熱するための一番効率のいい方法が発汗で
水分のパワフルな蒸発熱で熱を逃がすのでありますが
寒い時期には体温を必要以上に逃がさないように発汗は少なくなる。
それと体表の血管を細く縮めて熱の放出を防ぐのだ。

そうなると身体からの体温の放出は
皮膚に直接触れる湿度の高い空気によるものだけか?
と見せかけて!
実はもう一つどうしようもない熱の逃げ道がありましてな。
それが呼吸!
人間の呼気は体温と同じ温度・湿度95%の空気で出来ていましてな。
要するに、多量の水分を含んだ気温の低い空気を吸って-
という事はその水分を温めるために熱を消耗するのと同時に
大事な熱を持った湿度95%の空気を空気中に吐き出しているワケだ。
だから、身体の中からも冷えているのですな。
そして普通、身体の周りの空気は1m3ではなくて大量にあるので
自分の体温で温まるにも追い付かず熱は出ていく一方で
必要以上に熱が出ていく状況を「寒い」と言うのでござる。
そしてもう一つ。
人間は服を着ているので空気という断熱材で保温されるのだが
湿度の高い空気に触れ続けていると
服で保温された体表からは控えめとはいえ汗が出ましてな
外気が高湿度のために湿気を外に吐き出せない服は次第に湿気を溜め込み
外気の高湿度の空気からも湿気をもらい
じっとりと湿気を含んだ服は抱き込める空気が減って
断熱効果が落ちていくのですな。
これ、木綿等水分を含みやすい繊維では明瞭で
覚えのある方も多いのでは。
湿気った服は冷たくて寒いのよ。
その一方、水分を吸っては吐き出してくれる優れものが
天然繊維では毛(ウール)で、登山の時にはその効果を思い知りましたな。

イマドキは同じような性質を持つ素材が多種多様にあるので
ここは賢く選択しましょうぞ。
続きまして湿度の低い冬の場合は-
あれ、長くなっちゃったので、次回の最終節・完結編をお楽しみに~
(続く