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怪異を科学で検証したらの続き
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(前回の続き)
神田左京はこの本で3番目に・最後に不知火を検証している。
いや、神田左京が過去の文献を検証しただけではなく
なんと50余名からなる「不知火探検隊」が調査を行っているのだ。
これは大正4年(1915年)旧暦12月28日から同5年1月2日までの5日夜間
同5年旧暦7月30日、8月1日の2日夜間
同5年旧暦12月28日から同6年1月1日までの3日夜間
3回にわたっての最も徹底した研究だった、としている。
この探検隊には
長崎、佐賀、福岡、熊本4県の水産試験場連合に
京都帝大、長崎熊本医専、熊本高校、中学校の先生たち、九州、大阪の新聞記者、有志者さては青年団までが参加した
のだが
この大騒ぎの研究で確かに不知火を見たのは福岡水産隊だけだったのだと。
はてそれは面妖な…で、どゆこと?
それは他の隊は不知火を見ていても
どんなものが不知火だか分らなかったらしい-
って?なぬ!?
そして
福岡隊は細心な研究を続けて不知火は漁火である、と確認したのだが
この漁火説を確証した人があろうことか包囲攻撃の的になってしまったのである。新聞も攻撃した見物人も攻撃した他の探検隊も攻撃したのだと。
神田左京はこの出来事を以下のように分析している。
不知火問題に関わった人たちには少なくとも三派あって
正統派(迷信派):不知火を伝統としてとらえ、理屈抜きに不思議なものと する
真相派:伝統的不知火の正体を見届けようとする
捏造派:勝手に不知火を脳みそで捏ね上げている
そういうワケで
不知火の問題が徹底的に解決されないのは
この問題を取り扱う人間の問題である
と結論付けて、人間の改造はなかなかできないものだとしている。
そういえば以前ここで書いたが
この「天狗の詫び状」は
読めないから・わからないから、神秘的な価値があるのではないか。
だから、わざわざ本気で解読しないのではなかろうか。
これまで読もうとした・解読を試みた人たちの専門性は大いに気になるが
“ありがたみ”とはこういうモノなのだろう。
この問題は要するにこういう事なのだと思う。
大分端折ってまとめたので、詳しくはぜひこの本を読んでくだされ ♪
それにしても
人間の「改造」の進まぬことよ…