#148.【人はなぜ、ペットロスに陥るのか①】
こんにちは!
15年以上【犬の保育園】の先生を行っている尚ちゃん先生と申します。
3回にわたって「私がペットロスに陥った体験」の
有料記事をアップさせていただきました。
ご購入いただいた皆様💛
ありがとうございました!
さて、
今回は、「人はなぜ、ペットロスに陥るのか」について2回に分けて、お話してみようと思います。
ペットを失った後、誰にでも訪れるその「喪失感」。
その「喪失感」がより深く、強く、長引くことで心身共に、
様々な影響が出てきます。心身共に不安な状態が続くことで、
人間関係や社会的な関係にまで影響が出てきてしまうこともあります。
今回はその「影響」がどのように心身に出てくるのか。
私の実体験を交えてお話しようと思います。
ペットを失うことによる、
心身への大きな4つの影響は
「感情への影響」「身体への影響」「社会への影響」「精神への影響」
があります。
「感情への影響」では
つらい、哀しい、不安、絶望、落胆、虚無感、不信感、自責の念などの感情が湧きあがります。
愛しい、恋しい、などといった思慕の感情が
胸を締め付けることもあります。
このような感情が絶えず雲のように湧きあがっては消え、
また湧きあがる・・・
外からは感じさせない感情の起伏、変化は人を非常に疲れさせてしまいます。
「泣くことは浄化」とも言いますが、
疲労を感じる事柄で、
たくさん泣くとなんだかぐったり疲れてしまった、
ということもありました。
「身体への影響」
では食欲不振、倦怠感、躁鬱、集中力の欠如、
いらだち、不眠、拒食や過食、頭痛やめまい、失声、
などいろいろな身体的症状。
私は眠くてたまらない時がありましたが、
それも一つの身体への影響だと今は認識しています。
五感の中のひとつ、またはいくつかの感覚が研ぎ澄まされ、
鋭敏になる方もいらっしゃいます。
「あの子の匂いがするような気がする」
「声や足音が聞こえた気がする」ということもあります。
逆に味覚や嗅覚が鈍くなるといった状態も訪れる場合があります。
「社会への影響」
では
人間関係の変化、生活の乱れ、仕事の変化、他人に対しての不信感、
そして私自身の中でも感じたことのある、
「自分だけが哀しみの中に置き去りにされて、
みんなは何のトラブルも悲しみもない【日常】に戻っていっている」
というような一方的な孤立感や疎外感。
これは愛犬を亡くした直後よりも
少し日数が経過してから感じたものでした。
「精神への影響」
は、
「感情への影響」と混同されてしまいそうですが、
よりその方の深い精神的な基盤に影響するものです。
たとえば人生や生きがいに関する絶望、死生観や信仰に関する疑念。
逆に信仰を求めたり、精神的なよりどころを探すようになったり。
感情の先にある、ここが大きく乱れてしまうと、
深刻な「ペットロス症候群」や「鬱状態」に陥る原因になります。
自身がこうした感情の波にのまれたり、
身体的症状を経験したりすることがある中で、
ペットロスが引き起こす影響として、
今振り返ると「そうだったのか」と思う事柄もありました。
ペットを失ったつらさ、哀しみから、
外界との接触を断って引きこもってしまう、
ということはペットロスの影響の一つですが、
その逆も実はあります。
その悲しみに直面しないように、逆に活動的になる過活動のケースや、
普段通りのルーティンをあくまで遂行することにこだわるケースもあります。
これは精神的なホメオスタシスが働いているという証拠
でもあり、
過活動にいたっては、
「ペットを失ったつらさや哀しみを直視したくない、認めたくない」
という否認の意識が内側に隠れていること。
まさに私はこの状態だったように我が身を振り返って思います。
また、積極的に活動するわりに疲れやすかったり、
気が緩むと涙が出てきたり。
急激な眠気や「もう何でもいいや」というあきらめ感、
感情の不安定さがありました。
今では私自身は、ゆっくりと回復することができていますが、
こうした身体的・精神的な状況から回復ができず、
周囲との人間関係・社会的にも影響がおきてしまい、
長期的に立ち直ることが難しくなったり、
「ペットロス症候群」に陥り、
うつ病やひどくなると希死観念まで至るケースすらあります。
それでは、何がその境目にあたるのか。
次回はそれを今回お話していきます。
そして大切なことはご本人だけではなく、
周囲の人々、社会に対しても影響があるということです。
ですから、ペットを失った哀しみの中にいる人は、
ペットと暮らしてはいない方に対しても無関係なものではないのです。
たとえば、ものすごく有能な社員が、
唯一の家族であった猫さんを亡くされ、
立ち直れないほどの深い悲しみの淵にいるとき。
「1週間もたったんだから、もう猫のことはいいだろう。もう少し、仕事に本腰を入れてくれなきゃ困るよ」
というような発言を上司からされたとしたら。
この方の立場になったらどうでしょう、
この発言を受けて、以前のように頑張れるでしょうか。
私はこれは違うと思います。
同じように「もう少し頑張ってほしい」という思いがあっても、
声のかけ方ひとつで、この方のような状況の方が、
以前と同じようにお仕事を頑張るのか。
それとも燃え尽き、理解されない哀しみを心に抱いてしまうのか。
実は「分かれ道」はこうしたほんの些細な発言にもあったりするのです。
ですから、
「ペットを亡くしただけでしょ」という発言は、
本当に気を付けるべきだと思います。
次回は、「人はなぜ、ペットロスに陥るのか②~その要因」についてお話したいと思います。
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