舞台「ホームレッスン」感想
4回目。見納めの「ホームレッスン」を見てきた。
今日は事前に他の人の感想を見ていたからかお母さんに気持ちが入って見ていた。
家訓家訓…まるで校則で生徒を縛るように家族を縛る。妊娠初期の不安な状態で離れの小屋に監禁したり、自由を否定したりする。常に眉間に皺が寄り、血圧高くなりそうなくらい叫ぶ。
それほどに神林たけひこの事件は彼女の人生に衝撃を与え、壊してしまったのだろう。
でもやっぱりおかしいんだよ。
家訓で縛ることで家族をまとめる。
それの歪みが朔太郎なのだろう。
花蓮は結構大きくなってからこの状況になって、周りと家族を擦り合わせるのに必死なのだったのかもしれない。
3歳の時にこの家族になってしまった朔太郎は、自然とこの状況を受け入れ、育ってきたのだろう。だが、高校生になり、外の世界を知り、反発することで長い監禁生活に入ってしまったのだろう。
でも、それが母からすれば「家訓によって繋ぎ止められた家庭」だったのかもしれない。
退院して帰ってきて、病院できっと家訓とは離れた静かな生活を送り、自分で冷静になって考えたのかもしれない。そして、帰ってきてかつての自分のように狂気の中にいる大夢を見て、気づいたのだろう。このおかしな状況に…
朔太郎が出ていく、と言った時に「嫌なのっ!」と叫んだ時、ようやくこの人の人間らしいところを見た、と思った。
刺されても食後の体操をしていた人とは思えない。
大きくなっても朔太郎を「さくちゃん」と呼び続けるところに溺愛を感じた。母親にとっての息子の存在の大きさを感じた。
ラストの朔太郎の表情、声のトーン、語り口からあのあとあの家族はきっとめんどくさいことをしながら、再構築されたのではないかと思う。そう思いたい。
何度かチラチラ書いてるが、我が家も壊れかけている。破綻してるかもしれない。
とりあえず今は夫婦関係を再構築しているところ、かもしれない。
こんなふうに家族がまた新たに結びつくことはできるのだろうか。毎回見るたび考えてしまう。
日々の熱演、熱い思いを浴びることができて良かった。
忘れられない作品の一つになった。