なぜパパの1on1インタビューを行っているのか
パパインタビュアーのサナフミです。
どんなことをやっているかは、こちらの記事をご覧ください。
2020年7月より、パパの1on1インタビュー(以下、パパインタビュー)をスタートし、現在までに50人を越えるパパのお話を伺ってきました。
一つの区切りとして、「なぜインタビューを行っているのか」を言葉にしておきたいと考え、筆をとった次第であります。
長文となりますが、よろしければ、お付き合いください。
はじめに
“なぜ”を考えるにあたって、そもそも何を考えるのかを考えてみました。(友達にするとメンドくさいタイプですね)
なぜが意味するのは、「契機」と「目的」と「動機」があると思います。
「契機」・・・何をきっかけとして行っているのか
「目的」・・・何のために行うのか
「動機」・・・何を内的要因として行っているのか
活動を通じて、それぞれの定義が段々と腑に落ちていき、自分の中での”なぜ”が深めまっていきました。
なので、私の中の”なぜ”にハッキリとした答えはなく、活動をしていく中で変化しています。流動的なものです。
今回は、これまでの変遷と現時点での考えを述べていきます。
「契機」…とりあえずやってみよう (2020年7月〜)
ます最初の”なぜ”は「契機」(きっかけ)ですね。
私が、パパインタビューを始めたは2020年7月。世の中がコロナ一色になって数ヶ月の頃です。
オンラインコミュニティにて、読書会を企画し、ファシリテーター役として様々な人と話す中で、自分自身が個人として社会に貢献できる活動をしたいと考え、活動を始めました。(当初はパパの1on1と言っていました)
そもそも、どうしてオンラインコミュニティに参加するようになったのかは、こちらをお読みください。
とはいえ、正直言いますと、ミッションとかパーパスとか、何か高尚なものがあって始めたわけではありません。
たまたま『対話型マネージャー』という本に出会い、これを読書会のコミュニティで実践してみようと思ったことがきっかけです。
オンラインコミュニティでは、上司部下のような関係はありません。個人的に相手のポテンシャルを引き出してみようと取り組んだ結果、メンバーにとても喜んでもらえました。
その実践から、自分は1対1で話を聞くこと(対話すること)が得意であり、その人の考え(価値観)を聞くことが好きだと、気づきました。
その上で、そもそも自分は「家庭教育」を良くしたいと思いを持って、教育関連の企業に入社したことを思い出しました。
今まで「家庭教育」を良くすると漠然と考えていたのが、目の前に1on1という自分に合った方法を発見したことで、何か自分ができるのではないかと考えるようになりました。(現在では家庭教育をこうしたい、と強いこだわりはありません)
そこで、まずパパに対象を絞ってやってみよう、と知り合いのパパに声をかけるところからスタートすることになります。
「目的」…何のために、を問い続ける (2020年10月〜)
続いては「目的」の”なぜ”です。
「目的」においては、悩む事柄が大きく2つでした。(今でも思案は続いてます)
①お金をもらうことを前提に活動していくのか
②自分は誰に対して(人数規模)、どんな価値を提供したいのか
①お金をもらうことを前提に活動していくのか
パパのインタビューをしていく中で、知人(やその知人)から
「サナフミさん、この活動はお金をもらってやらないんですか?」
と聞かれることが、段々と増えていきました。
中には、「ぜひお金を払わせてほしい」と実際に払ってくださった人もいました。
そこで、サナフミは大いに悩みます。
「この活動はお金をもらうために行っているのか、もらいたいのか」
「そもそも、お金をもらうとはどういうことか、もらうだけのことをしているか」
活動を1ヶ月くらいストップして出した結論が、「お金をもらわない」でした。
というのは、お金をもらうと、自分が純粋にこの活動を楽しめないから。そして、サービスを提供し、対価を得るイメージへの違和感があるからです。
この活動は紹介制をとっているので、互いの信頼関係の上に成り立っている形です。活動当初も同様です。そこに、前提として1時間で数千円、とお金が介在した場合、相手は何かを得なければもったいない、サナフミは何かを提供しなければならないという互いに強迫観念のようなものが生まれるのでは、と感じました。
お金をいただくからこそ、プレッシャーを感じ、自身のクオリティが上がっていくという考え方もあるかと思います。ただ、サナフミの場合は、お金という要素が入ると純粋にその人の価値観を知りたいという自分の意識が歪む気がしました。この辺りはハッキリした結論が出ているわけではなく、今も思案を続けているところです。
②自分は誰に対して(人数規模)、どんな価値を提供したいのか
お金はもらわない、と決めたとはいえ、相手の時間をいただくのは変わりません。せっかく対話をするからには何かしらの価値を提供したい、と考えるようになっていきます。
さらに思考は進み、そもそも価値って何なのか、渡す相手は誰なのかと、ちょっと迷走しました。人生で初めて当事者意識を持って、マーケティングの本を読み込んだのは、この頃です。
誰に対して(Who)、何を(What)、どのように(How)、提供するのか。
こういったマーケティングの基本のキも知りませんでした。Howの部分は、すでに1on1という方法が見えていたのですが、WhoとWhatは全く見えませんでした。かろうじて言えることは、相手がパパってことくらいでしょうか。
結局は、ハッキリしたものは見つからず、今まで以上に内省を行った末に、自分は何を大切にしているのかについて徹底的に考えるという就活生のような年末を過ごし、2021年を迎えることとなりました。
「動機」…物語を作るようなプロセス (2021年1月〜)
最後は「動機」の”なぜ”です。
そんなモヤモヤを抱えて2021年。わが学友とオンラインで話をしていたとき、自分の視座が変わる投げかけがありました。
「あなたの興味関心を知りたい、話を聞かせてほしい、それだけでいいんじゃないですか」
その言葉を聞いて、今までの自分は「何か価値を生み出さなければならない」「相手に貢献しなければならない」と思い込んでいることに気づきました。
さらに言えば、純粋に自分が「相手の話を聞きたい」「相手の考えや価値観を知りたい」という欲求を認め、向き合うことができるようになった気がします。
さらにその方は
「すぐ役に立たなくても、後に振り返ったらよかった、と思えるじんわり効いてくるような時間になったらいいですね。古典作品みたいな」とも話してくれました。
そこから、サナフミは活動を「パパとしての1on1」から「パパの1on1インタビュー」と名称を変更しました。対話の時間を、一緒にパパの物語を紡ぐ時間と表現するために、インタビューとしています。(もっとしっくりする言葉を探しています)
インタビューにおいて、双方にとって発見や気づきがあることは嬉しい。
けど、この時間を共有しただけでも、嬉しい。
役に立てれば嬉しいが、
そうでなくても、わたしは満たされている。
今なら、本音でそう思えます。
まとめ
正直言いますと、この活動を評価してもらいお金を受け取った時、自分が認められた喜びを感じ、「もっと稼いでみたい」という感情が生じました。
しかし、どうしてもその感情を受け入れらない自分がいました。おそらく「汗水垂らして働いてこそ、お金を受け取れる」「足るを知る」「いただぎ過ぎて良いことはない」という両親の価値観に影響されているところがあると思います。
こうやって自分の深い部分に気づけたのも、この活動のおかけです。
対話を通じて、活動を通じて、たくさんの気づきをいただき、深く自分を振り返って一番良い思いをしているのは、サナフミだと自信を持って言えます。
この活動がこの先どうなるのかはわかりません。方向性はありますが、目的地がないので。今は100人のパパと対話することを一つのマイルストーンとして進んでまいります。
あらためて1on1インタビューの時間をいただいたパパの皆さん、そして活動を応援してくださる方々に感謝申し上げます。引き続き、どうぞよろしくお願いします。