#21 自分の身体が、答えを知っている
(4歳の娘が15歳になった時に渡す手紙です)
最近君は、「ヨーイドン」と言って走ることが大好きです。陸上部であった父親の遺伝をしっかりと引き継いでいるな、と思います。
ただ走ることが楽しい。思い切り体を動かすことが気持ち良い。君が身体全体で、自分の元気さや気持ちを発散させていることが手に取るようにわかります。
幼い時は、自分の気持ちをうまく言葉で表現することが難しいものです。(大人になっても難しいことは変わらないけどね)特に、学校に行くまではどれだけ知識を詰め込んでも、経験できることが限られているので、使える語彙が極端に少ない。
しかも、ファンタジーなお年頃なので、支離滅裂な(話の前後がつながっていない)ことも多い。だからこそ、言葉でなく、身体で表現をしているんだよね。
今、君は何か身体を動かす活動をしているかな。君のことだから、ダンスとか演劇とか、何かスポーツをやっているんだろうね。(なんせ君が小学生になったら、片っぱしから様々なスポーツを一緒にやろうと、父親は企んでいるからね)
15歳になったって、自分の気持ちや考えをうまく言葉にできないことが多いと思う。むしろ、大人ぶってわかったようなことを言っている方が心配です。
「このやろー」とか「なんかビミョー」とか、モヤモヤしたことがあったら、思い切り歌を歌うでも、野原を思い切り走るでもいいから、身体を動かそう。部屋の片隅で、縮こまって悩んでいたって解決しない。AIに相談したって、わかってもらえない。
外に出よう。
君は、幼い頃から身体を動かすのが大好きだった。これは大きくなっても変わらないはず。考えるのは、その後だって良いでしょ。
私は、そんな君に負けないくらい速く走れるように、日々鍛えています。なぜかというと、15歳の君と「ヨーイドン」で勝負することを密かに、楽しみにしているので。