人の振り見て、我が振り直せの巻
「申し訳ありませんが、返金することはできません」
ある検定試験に申し込んだ際、誤って2回クレジット決済を行ってしまった。不注意と言えば、それまで。ただ、本2冊買うのとは、わけがちがう。同じ人間が同時刻に、同じ試験を2人分受ける意味はない。
そこで、問い合わせ先にお電話をし、返金希望の旨を伝えました。
最初は、「ちょっとお待ちくださいね」と明るい声で言われるものの、保留音が終わった後、電話の相手が途端に暗いトーンに変わって話し始めました。
「これは、返金不可だろうな」そう直感で思った。
が、物腰低く丁寧にご対応いただき
「いや、確かに同じお名前で、生年月日も同じ申し込みがされています。ほぼ間違いなく同一人物だと考えられます。ただ、こう行った場合でも、万が一のこともありまして、申し込みの際にもネット上に記載がありまして」
と、冒頭に書いたような、返金不可の言葉が出てきませんでした。
逆の立場で考えると、返金希望で電話してきた人に「返金ができない」と言うのは非常に言いにくい気持ちがよくわかります。なんたって、希望に応えられないわけですから。
しかし、聞きたいことをなかなか応えないのも、罪ですね。
自分も仕事で、同じような対応をしてきたことあるな〜、と思い返しました。思い返してみれば、きっとこの人も、一旦保留にしたように即答できない経験の浅い人なんだろうな、といらぬ想像を膨らましていました。
その後のやりとりで、私は「他の人が同じ思いをしないように、何かしらシステムやオペレーションの改善をした方が良い」と丁寧に申し上げました。
が、相手には「クレーマー」と感じさせてしまったようで、「仮に途中でシステムが切れたとしても、サイトで申し込み状況を確認できます」と焦った対応をされていました。
決して、相手の対応が悪いと言いたいわけではなく、誰しも同じような感覚にとらわれてしまうのではないかと思いました。
つまり、自分にとって不都合な状況、言いにくいことを相手に伝えなければならない時、相手から何か意見されると、いつも以上に敏感に反応してしまうこと。自分は責められているのではないか、と守りに入ってしまう心境になってしまうような気がします。
私は、普段感情的になることはないのですが、クレーマー扱いをされるとさすがに心が少々乱れました。
クレーマーになろうと言う人はいません。きっとクレーマーは作られるものなのだと思います。人間はどこまで行っても感情的なもので、愚かですね。
私も、もう少し心の器の広い人間になりたいものです。